ランボルギーニがLB744のコードで開発を進めている次世代スーパースポーツの基本骨格を公開。航空工学にインスパイアされたフルカーボンファーバーの新型モノコック構造「monofuselage」を採用
伊ランボルギーニは2023年3月15日(現地時間)、LB744のコードで開発を進めている、アヴェンタドールの後継を担う次世代フラックシップスポーツに採用するモノコック構造を発表した。
LB744はミッドシップ配置の6.5リットルV12自然吸気エンジンに、8速DCT組込の1基を含む3基の電気モーター、軽量・高出力のリチウムイオン電池で構成するランボルギーニ初のプラグインハイブリッドシステムの搭載をすでに発表している。そして今回、基本骨格となるモノコック構造を初公開した。
注目のモノコックは、航空工学からインスピレーションを受けたフルカーボンファーバーの新型モノコック構造「monofuselage(モノフューズレージ)」を採用する。単一エレメントから成るリング状のコンポーネントに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使い、車両の支持構造を形成。引き手タブ、フロントファイアウォール、ピラー部などのForged Composites(フォージドコンポジット)構成部は、モノリシック型ロッカーリングによって最適に固定・接続した。また、フロント部には2008年にランボルギーニが初めて導入したカーボンファイバー製特殊素材のForged Compositesを、LB744の特性に合わせて新設計。合わせて、フロントのコーンもカーボンファイバー材で仕立てる。さらに、ルーフ部は従来のプリプレグ素材を使用する高圧複合オートクレーブ製造で形成したカーボンファイバー材を採用した。この結果、従来のアヴェンタドールに比べて10%軽く、フロント部は従来のアルミ製と比べて20%軽量化。さらに、ねじり剛性はアヴェンタドールよりも25%アップし、フロント部の衝撃吸収性は約2倍に引き上がった。一方、リア部のシャシーには強化アルミ合金を使用し、リアドームの2カ所に中空キャスティングを導入。また、リアサスペンションのショックタワーとパワートレインのマウントを1つのコンポーネントとして統合し、軽量化や堅牢性の向上、溶接部の大幅な削減を実現した。
今回の発表では、「LB744はカーボンファイバーを使用したランボルギーニの車両製造の“イヤーゼロ”を象徴するモデルとして、AIM(オートメーション、インテグレーション、モジュール式)を体現している」とアナウンスする。新世代のスーパースポーツは、使用素材や車体構造のみならず、製造工程においても新たなアプローチを実施しているようだ。
なお、ランボルギーニは今後もLB744に関する情報を随時発信していく予定。近いうちに車名や内外装デザインなども公開されることだろう。