ダイハツは2021年12月20日、軽商用バンのハイゼットカーゴを全面改良して発売した。
車種展開は以下の通り。
スペシャル・2WD:5MT104万5000円/CVT110万円
スペシャル・4WD:5MT119万9000円/4AT125万4000円
スペシャルクリーン・2WD:CVT112万2000円
スペシャルクリーン・4WD:CVT127万6000円
デラックス・2WD:5MT115万5000円/CVT121万円
デラックス・4WD:5MT130万9000円/4AT136万4000円
クルーズ・2WD:5MT123万2000円/CVT133万1000円
クルーズ・4WD:5MT138万6000円/CVT148万5000円
クルーズターボ・2WD:CVT145万2000円
クルーズターボ・4WD:CVT160万6000円
デッキバンL・2WD:5MT132万円/CVT137万5000円
デッキバンL・4WD:5MT147万4000円/CVT152万9000円
デッキバンG・2WD:CVT155万1000円
デッキバンG・4WD:CVT170万5000円
今回の全面改良で11代目となる新型ハイゼットカーゴは、「効率 極めた 活力カーゴ」を車両コンセプトに据える。具体的には、Eコマース需要の増加や建設業における多能工化などを受けて、多くの荷物を一度に運ぶことができる積載性や荷物の出し入れのしやすさといった利便性を徹底追求。また、働き手の多様化などに伴うユーザーニーズの変化に即して、誰もが快適に使いやすい機能を充実させたことが特徴である。
まずエクステリアは、商用車らしいシンプルで力強いデザインへと進化。車体側面やバックドアの傾きを限界まで立たせ、車体をスクエア化したことで、クラス最大の積載スペースを確保する。また、フロントピラーを立たせることで前席の頭上スペースを拡大し、広々とした室内空間を具現化した。前後セクションの機能性の向上も図り、フロント部はバンパーを上下2分割構造としてロアバンパーのみでの交換が可能となり、修理時の経済性に寄与。また、リアセクションではコーポレートマークと車名マークの位置を右側に移設して、広告スペースを従来よりも広く確保した。一方、デッキバンは従来と同様、最大4名の乗員定員を確保しながら、汚れた道具や濡れた荷物、高さのあるかさ張る荷物をそのまま荷台に積載可能としたうえで、より印象的で機能性に優れたデザインに仕立てている。ボディカラーはアイスグリーン、シャイニングホワイトパール、トニコオレンジメタリックという3タイプの新色を含む全7タイプをラインアップした。
インテリアについては、クラス最大の積載スペースとなる荷室長1915(4名乗車時1005)×幅1270(同1410)×高1250mmを確保するとともに、様々な用途に応じたアレンジのしやすさや使い勝手の良さを実現したことがトピック。具体的には、後席シートベルトのバックルをシートと一体化し、シート固定金具も床面に埋め込んだ構造にすることで凹凸をなくしたフラットな空間の創出や、様々な荷物の取り付けや固定に便利な荷室ナット(ユースフルナット)の従来比最大約2倍の増設(全車標準で17個。デラックス/スペシャルクリーン/スペシャルは31個)、リアシート構造の見直しによるフラットな荷室とシートの格納性の両立などを実施する。また、運転席から手が届く範囲を中心に収納スペースの拡充を図り、インパネの形状を見直してアッパートレイを新設したり、拡大した室内の頭上スペースを活かしてオーバーヘッドシェルフを設置したりして、荷物の取り出しやすさや働きやすさを引き上げた。さらに、視認性が高い大型メーターや使い勝手の良さを追求したインパネ、耐久性を高めた撥水加工付フルファブリックまたはプリントレザーのシート表皮などを採用。後席シートには、水平格納式のセパレートタイプまたはベンチタイプを設定した。
機能装備の面では、先進のダイハツコネクトを軽商用車に初めて展開。合わせて、9インチと6.8インチの2種類のディスプレイオーディオを新設定する。さらに、両側パワースライドドアおよびスライドドアイージークローザーやキーフリーシステム&プッシュボタンスタートをクラス初採用した。
基本骨格に関しては、商用車で初めてDNGAを展開したことが訴求点。ホイールベースを2450mmに設定した新設計のプラットフォームを採用したうえで、アッパーおよびリアアンダーボディ骨格の構造を最適化してボディ剛性を高める。懸架機構は前マクファーソンストラット式コイルスプリング/後トレーリングリンク車軸式コイルスプリングで構成し、乗り心地や操縦安定性の向上を図った。
パワーユニットには従来の熟成版のKF型658cc直列3気筒DOHC12Vエンジンの自然吸気(最高出力MT46ps/5700rpm/CVT53ps/7200rpm、最大トルク6.1kg・m/4000rpm)とインタークーラーターボ付き(最高出力64ps/5700rpm、最大トルク9.3kg・m/2800rpm)の2機種を搭載するが、組み合わせるトランスミッションには5速MTのほかに新開発のFR用CVTを採用する。新CVTは小型化を徹底することで、軽商用車の床下スペースへの搭載を実現。また、変速比幅を拡大するとともに発進時をLOWギア化して、力強い発進性能を成し遂げる。さらに、駆動力が途切れることがない無段階変速により、スムーズな加速を達成。従来の4速ATと比べて静粛性も向上した。そして、駆動機構にはFRの2WDのほかにクラス初となる電子制御式4WDを採用。使用パターンに即して2WD/4WD AUTO/4WD LOCKの3モードがスイッチ操作で切り替えられ、4WD AUTOモードでは路面に合わせて最適な前後駆動力配分を行う。燃費面では、WLTCモードで自然吸気エンジン+5MT仕様が14.9km/リットル、自然吸気エンジン+CVT仕様が15.6km/リットル、ターボエンジン+CVT仕様が14.7 km/リットルを実現した。
予防安全機能「スマートアシスト」の進化も見逃せない。最新のステレオカメラを搭載したうえで、制御機能として車線逸脱抑制制御機能や路側逸脱警報機能、ふらつき警報、標識認識機能(進入禁止/最高速度/一時停止)、サイドビューランプ、ADB(アダプティブドライビングビーム)を追加。また、衝突回避支援ブレーキ機能・衝突警報機能の対応速度を向上させ、従来の車両・歩行者に加えて二輪車・自転車も追加し、夜間の歩行者検知も可能とする。さらに、ブレーキ制御付誤発進抑制機能(前方・後方)をMT車にも搭載。そして、リアに設置したカメラの映像を映し出すスマートインナーミラーをクラス初採用した。