【最新モデル試乗】トヨタ・ライズ&ダイハツ・ロッキーに本命登場! 良品廉価なハイブリッドのお買い得度

トヨタ・ライズ・ハイブリッドZ 価格:232万8000円 eスマートHVは3グレード構成 Zは17インチタイヤ&アルミ/前後フォグランプ/シーケンシャルウインカーを装備した最上級モデル 駆動方式はFF ボディカラーは全11種設定
トヨタ・ライズ・ハイブリッドZ 価格:232万8000円 eスマートHVは3グレード構成 Zは17インチタイヤ&アルミ/前後フォグランプ/シーケンシャルウインカーを装備した最上級モデル 駆動方式はFF ボディカラーは全11種設定

トヨタ・ライズ&ダイハツ・ロッキー 価格:170万7000〜232万8000円(ライズ)/166万7000〜234万7000円(ロッキー) 試乗記

ダイハツ独自開発のシンプル設計ハイブリッド登場

ダイハツ・ロッキー・プレミアムG(FF) 価格:CVT 205万8000円 マイナーチェンジを機に街乗り重視の自然吸気1.2リッター(87ps)を新設定 WLTCモード燃費:20.7km/リッター
ダイハツ・ロッキー・プレミアムG(FF) 価格:CVT 205万8000円 マイナーチェンジを機に街乗り重視の自然吸気1.2リッター(87ps)を新設定 WLTCモード燃費:20.7km/リッター

 販売絶好調のライズとロッキーがマイナーチェンジし、待望のハイブリッドが登場した。デビュー直前に開催された2019年秋の東京モーターショーに突如出展されたことにも驚かされたが、ハイブリッド車追加もなかなかのサプライズだ。

 ダイハツはトヨタグループの一員。電動化については何らかの形で協業するはずと思っていた。しかし今回のeスマートHVは、ダイハツの独自開発。しかも、まさかのシリーズ方式。日産のeパワーと同様に「エンジンで発電/モーターで走る」シンプルな機構である。システムは新開発の発電専用1.2リッターエンジン(WA-VEX型/82ps)とモーター(106ps)、そして4.3Ahと小容量の駆動用リチウムイオンバッテリーで構成。WLTCモード燃費はクラストップ級の28.0km/リッターをマークする。価格は211万6000〜234万7000円とリーズナブルだ。

 今回、ハイブリッドと同時に高効率1.2リッターエンジン(WA-VE型/87ps)車が追加された。こちらはコストパフォーマンスを高めた街乗り重視モデル。価格は166万7000〜205万8000円とハイブリッド比で30万円以上安く、WLTCモードは20.7km/リッター。ちなみにハイブリッドと1.2リッター車の駆動方式はFFのみ。従来からの1リッターターボ(98ps)は4WD専用ユニットとなった。

ライズ/ロッキーはダイハツが開発/生産を担当する5ナンバー規格のSUV デザインはスクエア基調の骨太イメージ リアスタイルはライズ/ロッキー共通
ライズ/ロッキーはダイハツが開発/生産を担当する5ナンバー規格のSUV デザインはスクエア基調の骨太イメージ リアスタイルはライズ/ロッキー共通
ライズ/ロッキーの相違点はフロントマスク形状 ライズはRAV4の弟分のイメージの台形グリル ロッキーはセンターグリルを強調したデザイン フォグランプ部の造形も独自仕様
ライズ/ロッキーの相違点はフロントマスク形状 ライズはRAV4の弟分のイメージの台形グリル ロッキーはセンターグリルを強調したデザイン フォグランプ部の造形も独自仕様

ハイブリッドは誰もが力強さが実感できる。静粛性も高水準

 eスマートHVは、同じシリーズ方式を採用した日産のeパワーと比較してどのような魅力の持ち主なのか、さっそくステアリングを握った。EスマートHVは、バッテリー容量もモーター性能もだいぶ控えめ。あえてこのスペックにとどめたのは、効率とコストの最適バランスを探った結果だという。 それもあって、走ってみるとエンジンは頻繁にかかり、eパワーほどの瞬発力はない。ただしそれはあくまで比較の話。モーターならではの力強いレスポンスと滑らかな走りは十分に味わえる。

 パフォーマンスは優秀。乗った誰もが「力強く、運転しやすい」と感じる実力の持ち主だ。とくに発進加速のスムーズさとたくましさは印象的。これはガソリン車にはない大きな強みである。
 eパワーに対するメカニズム上の違いは、eパワーは発電した電気を必ずバッテリーに送ってからモーターを駆動しているのに対し、eスマートHVは直接モーターを駆動することもできる点。そのほうがロスがなく効率がよい。ただし強く加速させたい状況ではeパワーのほうが俊敏。eスマートHVは、ほんの一瞬遅れて加速する。これはエンジンをつねに効率に優れた領域で回転させ発電していることに起因するようだ。

 ブレーキフィールは自然。初期の制動力の立ち上がりが、やや強いイメージがあるものの違和感はない。あえて協調回生を採用しなかったからだろう。フットワークも改善されている。重心が低くなり、前後重量配分のバランスがよくなった効果で、コーナリング時のロールが減少。eスマートHVは、電動化を踏まえて各部の遮音対策が徹底され、ガソリン車よりもだいぶ静かになっていた。車格がワンランク上がったようなイメージだった。

eスマートHVは日産eパワーと同様のシンプルなシリーズ方式 駆動用バッテリーは後席下にコンパクトに配置 室内ユーティリティは高水準
eスマートHVは日産eパワーと同様のシンプルなシリーズ方式 駆動用バッテリーは後席下にコンパクトに配置 室内ユーティリティは高水準
eスマートHVは発電用1.2リッター直3エンジン(82ps/105Nm)+モーター(106ps/170Nm)+リチウムイオンバッテリーでシステムを構成 WLTCモード燃費:28.0km/リッター  スムーズな発進加速が印象的
eスマートHVは発電用1.2リッター直3エンジン(82ps/105Nm)+モーター(106ps/170Nm)+リチウムイオンバッテリーでシステムを構成 WLTCモード燃費:28.0km/リッター スムーズな発進加速が印象的
全長×全幅×全高3995×1695×1620mm 日本の道路環境に適した設定 最小回転半径は4.9~5m
全長×全幅×全高3995×1695×1620mm 日本の道路環境に適した設定 最小回転半径は4.9~5m

自然吸気1.2リッター車も好印象。全車が洗練度アップ

 1.2リッターエンジン車もいいクルマだった。従来の1リッターターボは、パワフルさを強調した味付けで、ノーマルモードでもスポーツモードのような加速を見せた。それに対応して、今回の1.2リッター車は出足を俊敏にしたそうだ。走りは活発な印象。発進を繰り返す市街地でモタツキやストレスを感じることはない。もう少し控えめでもよい気がしたほどだ。

 足回りは前後方向の動きがやや目立つ。横方向の動きは比較的抑えられているのに対して、アクセルオンでフロントが浮きやすい傾向がある。ただし1.2リッター車は従来の1リッターターボほどではない。さらにリニアな特性のeスマートHVは市街地でもっと乗りやすい。 NEWライズとロッキーに触れて感じたのは、走りの完成度が高まっていたこと。従来のライズ/ロッキーは、DNGA第1弾のタントの完成度からすると、全体的に粗削りな面があった。ところが、今回はずいぶん洗練されたように感じた。おそらく細かなリファインを積み上げたのだろう。

 最新のライズ/ロッキーは、eスマートHV、1.2リッター車とも「良品廉価」なキャラクターが一段と明確になり、さらに魅力的になった。好調な販売にますます拍車がかかるに違いない。

ライズZのインパネ ロッキーも同形状 各部の作りは丁寧で機能的 写真は9㌅ディスプレイオーディオを装備したスマートパノラマパーキングパッケージ(14万7400円)装着車
ライズZのインパネ ロッキーも同形状 各部の作りは丁寧で機能的 写真は9㌅ディスプレイオーディオを装備したスマートパノラマパーキングパッケージ(14万7400円)装着車
シートは前後とも大型形状 写真は前席レッドトリム付きのライズZ ロッキー・プレミアムGのシートはレザーとファブリックのコンビ仕様 乗車定員は5名 室内のスペース性は高水準 乗り心地はやや硬め 室内基調色は全車ブラック
シートは前後とも大型形状 写真は前席レッドトリム付きのライズZ ロッキー・プレミアムGのシートはレザーとファブリックのコンビ仕様 乗車定員は5名 室内のスペース性は高水準 乗り心地はやや硬め 室内基調色は全車ブラック
メーターは7インチ㌅TFT液晶ディスプレイとデジタル速度計の組み合わせ 7インチTFTは先進(写真)/アナログ/ワクワク/シンプルの4種のデザインが選べる
メーターは7インチ㌅TFT液晶ディスプレイとデジタル速度計の組み合わせ 7インチTFTは先進(写真)/アナログ/ワクワク/シンプルの4種のデザインが選べる
HVは無段変速/ガソリンは7速MTモード付きCVT パドルシフトは未設定
HVは無段変速/ガソリンは7速MTモード付きCVT パドルシフトは未設定
上級グレードの駐車ブレーキはホールドモード付き電動タイプ
上級グレードの駐車ブレーキはホールドモード付き電動タイプ
コンソール中央部に前席シートヒータースイッチを配置する
コンソール中央部に前席シートヒータースイッチを配置する
荷室は広く使い勝手に優れる 後席使用時のラゲッジ長は755mm
荷室は広く使い勝手に優れる 後席使用時のラゲッジ長は755mm

トヨタ・ライズ 主要諸元&主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=ライズ・ハイブリッドZ(FF)
価格=232万8000円
全長×全幅×全高=3995×1695×1620mm
ホイールベース=2525mm
トレッド=フロント:1475/リア:1470mm
最低地上高=185mm
車重=1070kg
エンジン=1196cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=60kW(82ps)/5600rpm
最大トルク=105Nm(10.7kgm)/3200~5200rpm
モーター最高出力=78kW(106ps)
モーター最大トルク=170Nm(17.3kgm)
駆動用バッテリー容量=4.3Ah(リチウムイオン電池)
WLTCモード燃費=29.0km/リッター(燃料タンク容量33リッター)
(市街地/郊外/高速道路=29.6/30.2/26.1km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=195/60R17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.0m
主な燃費改善対策=ハイブリッドシステム/可変バルブタイミング/アイドリングストップ/電動パワーステアリング/充電制御/クールドEGR
主要装備=スマートアシスト(衝突回避支援ブレーキ+衝突警報機能+車線逸脱警報+車線逸脱抑制制御+ふらつき警報+路側逸脱警報+前後ブレーキ制御付き誤発進抑制機能+先行車発進お知らせ機能+アダプティブドライビングビーム+前後コーナーセンサー+標識認識機能+全車速追従アダプティブクルーズコントロール+サイドビューランプ+LKC〈レーンキープコントロール〉)/車速感応式間欠ワイパー/ヒルスタートアシストコントロール/SRSカーテンシールドエアバッグ/カラードバンパー/バックドア一体Ⓡスポイラー/フルLEDヘッドライト/LEDシーケンシャルターンランプ/LED前後フォグランプ/マルチインフォメーションディスプレイ/本革巻きステアリング/キーフリーシステム/前席レッドパイピング付きファブリックシート/2段可変式デッキボード/荷室ユーティリティフック/オートAC/前席シートヒーター/リアヒーターダクト/6スピーカー/充電用USBソケット/前後スタビライザー
装着メーカーop=ブラインドスポットモニター(リアクロストラフィックアラート付き)6万6000円/スマートパノラマパーキングパッケージ(9インチディスプレイオーディオ+パノラミックビュー+スマートパノラマパーキングアシスト+ステアリングスイッチ)14万7400円/アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付き)4万4000円
ボディカラー:シャイニングホワイトパール(op3万3000円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は9080円

ライズ/ロッキーは普段着感覚で使えるクロスオーバーSUV パワートレーンはeスマートHV/1.2リッター直3自然吸気/1リッター直3ターボの3タイプ HVと1.2リッターはシティユースを主体に開発したFFモデル 1リッターターボはオールラウンダーな性格の4WD プラットフォームはダイハツの新世代クルマ作り技術を投入したDNGA 最新モデルは各部がリファインされ洗練された
ライズ/ロッキーは普段着感覚で使えるクロスオーバーSUV パワートレーンはeスマートHV/1.2リッター直3自然吸気/1リッター直3ターボの3タイプ HVと1.2リッターはシティユースを主体に開発したFFモデル 1リッターターボはオールラウンダーな性格の4WD プラットフォームはダイハツの新世代クルマ作り技術を投入したDNGA 最新モデルは各部がリファインされ洗練された
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