ワークスチューン特集/NISMO ノート・オーラNISMO&スカイライン400 R 試乗記
ノート・オーラは、ワイドボディを採用したノートの上級版。伸びやかなプロポーションと、上質な室内の仕立てで人気が上昇中。走りも、駆動用バッテリーからの出力引き出し能力を高める技術で、電動車ならではといえる性能向上を果たした。
そのオーラをベースにしたスペシャルモデルがニスモだ。補強や空力チューニングを施したボディをまとい、インテリア各部には一段とスポーティなコスメティックスを採用した。 メカニズム面は、パワーユニットを「レスポンス重視」にセッティング変更し、標準比で20mmのローダウンを図ったスポーツサスペンションと、専用チューニングされたスタビリティコントロールを組み込み、ひと際スポーツ性を高めた。
試乗車は、モータースポーツ活動で得られた知見に基づき開発されたエアロパーツと、「1本当たりおよそ4kg」とされる大幅な軽量化を実現したアルミホイールを装着したスペシャル版。発電用1.2リッターエンジン(82ps/103Nm)とモーター(136ps/300Nm)のパワートレーンに変更はない。 エクステリアはスパイシーな印象。ニスモならではの赤い挿し色が入ったリップスポイラーがまず目をひく。それ以外でもサイドロアガーニッシュやピラーガーニッシュ、室内のシフトベースやパワーウィンドウスイッチパネルなど、各部に採用されたアイテムは、入念にデザインされたプロセスが実感できる仕上がり。レーシーなアルミホイールと相まって、クルマ好きの心を心地よく刺激する。
走りも印象的。モーター駆動ならではの静かで右足に即応する加速と、路面とのコンタクト感が濃厚で、操舵に対して高いレスポンスが特徴のハンドリング感覚は、硬派でありながらも「走りの新時代」が感じられる仕上がりだった。
最新のスカイラインは、ハイブリッドモデルに「ハンズフリー」を実現したADAS機能を設定するとともに、セダンでありながら405psを叩き出す強心臓の400Rをラインアップ。圧倒的なパフォーマンスで「走りのブランド」の歴史と功績を知るユーザーの注目度を一挙に高めた。
400Rを日本有数のチューナー、ニスモが見逃すはずはない。試乗車は、全国28拠点の「NISMOパフォーマンスセンター」で施行可能な「スポーツリセッティング・タイプ2」と名付けられたブースト圧アップや点火時期変更のメニューが施され、スポーツチタンマフラーを装着。さらにダウンフォース増大を目的としたフロントスポイラーでエアロチューンされていた。
エンジンは一段とパワフル&スポーティ。3リッター・V6ツインターボが生み出す405ps/475Nmのスペックに変化はないが、セッティングはニスモスペシャル。どこからアクセルを踏んでも、一瞬にしてパワーがあふれる。低中回転域でのフレキシブルさと高回転域にかけての伸び感は「天下無敵」という印象。「純正比約50%」をうたう軽量構造のマフラーが放つサウンドも、スポーツ派ドライバーを満足させる。