ロールス・ロイスがV12ラグジュアリークーペのレイスの最終限定モデル「ブラック・バッジ・レイス・ブラック・アロー」を発表。専用仕上げの特別な内外装に、イエローのアクセントを印象的に配備。販売台数は世界限定12台で、すでに完売
英国ロールス・ロイス・モーター・カーズは2023年3月20日(現地時間)、V12ラグジュアリークーペのレイス(Wraith)の特別仕様車「ブラック・バッジ・レイス・ブラック・アロー(Black Badge Wraith Black Arrow)」を発表した。販売台数は世界限定12台だが、すでに完売している。
レイスは6.6リットルV型12気筒DOHC48Vツインターボエンジン(632ps/800Nm)を搭載するロールス・ロイスの旗艦クーペモデルとして2013年にデビュー。並外れたパフォーマンスや唯一無二の存在感などで好評を博し、ロールス・ロイスの新しい顧客層をワールドワイドで獲得してきた。今回の特別仕様車はそのファイナルを飾るモデルで、新たなラグジュアリーの定義として高性能な走りやダークな美学、主張するキャラクターといった要素を基準に製作される常設型ビスポークモデルの“ブラック・バッジ”の内外装を、よりグレードアップして採用。また、1938年にロールス・ロイス製の航空機用V12“R”エンジンを2基搭載して最高速度357.497mph(約575km/h)の速度記録を樹立した「サンダーボルト(Thunderbolt)」をオマージュした特別なアレンジを随所に施している。
エクステリアでは、セレブレーションシルバーとブラックダイヤモンドで彩った2トーンのボディカラーを基調に、フルカラーグラデーションのグラディエントペイントを配したことがトピックだ。ペイント自体には、ガラスを注入したクリスタルペイントのオーバーレイヤーを適用。12時間以上かけて研磨した高光沢ラッカーの下で光り輝くテクスチャーが、ボディ面の美しさを際立たせる。また、バンパーインサートやホイールピンストライプ、グリル内Vストラット、スピリット・オブ・エクスタシーの基部、エングレービングなどには、サンダーボルトからインスピレーションを受けたイエローのアクセントを加えた。
インテリアに関しては、V12エンジンの透視イラストを描いたインパネフェイシアやサンダーボルトのボディを模したポリッシュドアルミニウムのビジュアルリンク、高品質なグラブレザーで覆ったシート/アームレスト/トランスミッショントンネル/ダッシュボード下部パネル、オープンポアのウッドを配したドアライニングなどを特別装備。また、センター部に設置したブラック・アロー時計には、サンダーボルトの速度記録である357.497mphを刻印する。一方、ステアリングホイールやダッシュボードのサッシ下、ドアアームレストポケット内、前席シート表皮、ステッチ類などにはイエローのアクセントを施した。一方、ルーフライニングには2117個の光ファイバーを星のように散りばめれたビスポーク・スターライト・ヘッドライナーを装備。これはサンダーボルトが速度記録を樹立した、1938年9月16日の夜空を再現しているという。
V12エンジンのヘッドカバーのアレンジも見逃せない。ブライトイエローで彩ったV12モノグラムに“Final”“Coupé Collection”の文字を刻印した専用プラークを装備し、V12エンジンを搭載する最終クーペモデルであることを主張している。