対象の観察と創意工夫の連続で作り出す“ブリコラージュ”の概念から生まれた29の仕掛けを備える日産スカイライン・ベースのプロトタイプセダン「コンテンポラリー ライフスタイル ビークル」が発表。すぐにでも採用できそうな“食べる”“寝る”“遊ぶ”ための新装備を満載
日産自動車は2023年3月23日、ブリコラージュの発想によるプロトタイプセダン「コンテンポラリー ライフスタイル ビークル」を発表し、3月24日~4月2日にかけて日産グローバル本社ギャラリーにて展示。合わせて、特別動画を公式YouTubeで公開した。
コンテンポラリー ライフスタイル ビークルは、スカイラインをベースに、セダンで快適に“食べる”“寝る”“遊ぶ”ための多くの仕掛けを詰め込んだプロトタイプモデルだ。セダンとしての機能やスタイリッシュなデザインを損なうことなく、様々な機能を実現するために、まずはクルマを徹底的に観察することから企画を開始。クルマと向き合い、試行錯誤を重ねて創出した数多くの仕掛けは、AIと融合することで外観からは想像できない驚きの機能を内包し、現代のライフスタイルに合った形で“食べる”“寝る”“遊ぶ”といった日常の体験を可能とする。このプロセスは、ゴールを決めて最適かつ高効率に到達することを目指すエンジニアリングとは異なり、対象の観察と創意工夫の連続で思っていた以上のものを生み出す“ブリコラージュ”という考え方に基づいており、装備としてはサイドミラーゴミ箱、スライド式サイドテーブル、ステアリングホルダー、サンバイザーテーブルS、脱着式ディスプレイ、サンバイザーテーブルL、ボトルヒーター、AIセンシングカメラ、これっきりワンボタン、自動リクライニングシート、シートフラットスペーサー、ヘッドフラットスペーサー、折りたたみフットレスト、ブランケット収納、ムーンルーフビジョン、寝たままワンボタン、フルフラットベッド枕、フルフラットベッド、ヘッドレスト収納、100Vアウトレット、長傘収納、バンパー下収納、グリップ兼用ハンガー、フルフラットコンテナ、ポータブルバッテリー、アウトドア用フック、屋外シアタースクリーン、屋外シアタープロジェクター、AIアシスタント:SORAという29の新アイテムを組み込んだ。
開発を手がけたモビリティ&AI研究所の上田哲郎エキスパートリーダーは、「人々の生活を豊かにするイノベーションは、電動化や知能化をはじめとするこれまでになかった高度な技術だけに留まりません。観察や固定概念に囚われない発想により、すでに存在するものから新たな可能性を見つけだし、より快適な体験の提供に繋げることもイノベーションです。このようなイノベーションの実現には、ブリコラージュの概念をもとにしたプロセスがとても適しています。何より、試作している我々にとってとても楽しいものでした」「“くうねるあそぶ”は30年以上前に発売した初代セフィーロのキャッチコピーでした。あのころ描いた、セダンで“食べる”“寝る”“遊ぶ”の夢は今も続いています。今回発表したコンテンポラリー ライフスタイル ビークルは、その現代解釈版です」「ブリコラージュから導かれるイノベーションは、サステナビリティを推進するうえでの課題にも有効であると考えています。今回のコンテンポラリー ライフスタイル ビークルは、ブリコラージュがものづくりに与えるインパクトを示す第1弾にすぎません。今後もこのブリコラージュの概念で新しいイノベーションを探求し、皆さまにワクワクをお届けしてまいります」とコメントしている。