【スーパースポーツ・ファイル】スタイルで選ぶポルシェ。911タルガ４の奥深い世界とは

ポルシェ911タルガ4 価格：8DCT 1760万円　試乗記

最新992型はラインアップ充実。タルガが一番人気！

　992型の現行ポルシェ911シリーズは、2018年末のデビュー以来、順調にラインアップを拡充している。カレラ／カレラS／カレラGTSの3グレードを基本に、伝統のRRと4WD（カレラ4系）を用意。これにクーペとカブリオレとタルガのボディタイプ、さらにはターボとＧＴ３が加わる。タルガとターボ系は4WDのみ。トランスミッションは8速DCTが標準。7速マニュアルの設定はSおよびGTS、GT3に限られる。

　シリーズの中でも飛び抜けた人気を博しているのがタルガだ。人気の理由は、ただただカッコいいからである。人気が急激に高まったのは、ナロー時代の1stタルガのデザインイメージを復活させた旧型991型からだ。
　シルバーの太いブリッジは強烈なデザインメッセージを放ち、しかもボディとルーフパネル、ブリッジそのものもカラーチョイスできる。最新タルガのスタイリッシュさは群を抜いている。スポーツカーはエモーショナルさが最大の魅力。タルガは乗り込む前から、ドライバーを特別な世界に誘う造形を持った特別な911である。

走りはGTイメージ。高いバランス感覚が好印象

　鮮やかなグリーンのタルガ4に試乗した。ルーフパネルを閉じた状態ではクーペやカブリオレと同等のドライブフィールを見せる。とくに高速域におけるクルージング性能はまるで遜色ない。ただしオープン時の街乗り領域では、ボディの揺れや軋みをわずかに感じる。

　加速パフォーマンスは強力。385psの3リッターフラット6でも911らしい速さが満喫できる。0〜 100km／h加速は4.4秒でクリア。クーペ＋100kgの車重の影響は、ワインディングロードなどで少し真剣に攻め込んだ際に現れるが、その高いバランスはベストといえる。蛇足だが、タルガに関する限り、個人的にはハイパワーモデルは単なる“見栄”でしかないと思う。たとえばGTS（480ps）の性能を楽しむなら、やはりクーペがお勧めだろう。

　最後にポルシェに関する最新の話題をひとつ。ポルシェを楽しむための技術と経験が磨ける施設、ポルシェエクスペリメントセンター東京が千葉県木更津市にオープンした。ここでは992シリーズをはじめ最新のポルシェでさまざまなコースが体験できる。しかも90分のプログラム中、プロドライバーがマン・ツー・マンでつく贅沢さ。高性能車への社会的な制約が増えていく中で、この種の施設は今後ますます重要となっていくことだろう。

ポルシェ911タルガ4主要諸元の主要諸元と主要装備

グレード＝タルガ4
価格＝8DCT　1760万円
全長×全幅×全高＝4530×1850×1300mm
ホイールベース＝2450mm
トレッド＝フロント：1590×リア：1560mm
車重＝1680kg
エンジン＝2981cc水平対向6DOHC24Vターボ
最高出力＝283kW（385ps）／6500rpm
最大トルク＝450Nm（45.9kgm）／1950〜5000rpm
燃料タンク容量＝64リッター
サスペンション＝フロント：ストラット／リア：マルチリンク
ブレーキ＝前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ＝フロント：245／40ZR19／リア：295／35ZR20＋アルミ
駆動方式＝4WD
乗車定員＝4名
最小回転半径＝5.4m
最高速度＝289km／h
0〜100km／h加速＝4.4秒
※価格は消費税込み、性能スペックは欧州仕様