ポルシェが本年4月18日開催の上海モーターショーでワールドプレミアを飾る新型カイエンの「ポルシェドライバーエクスペリエンス」の概要を発表。その根幹をなすコクピットの画像を先行公開
独ポルシェAGは2023年3月30日(現地時間)、本年4月18日より開催される上海モーターショーで発表する新型カイエンの「ポルシェドライバーエクスペリエンス」の内容を公表。合わせて、ポルシェドライバーエクスペリエンスの根幹をなすコクピットの画像を公開した。
現行の3代目カイエンは2017年にデビューして以来、プレミアムSUVとしてワールドワイドで高い人気を獲得している。新型はパワートレインやシャシー、デザイン、装備、そしてコネクティビティなどを大幅に刷新。メーカー自ら「ポルシェ史上でも最大級の広範な製品アップグレード」と評している。
独ヴァイザッハのポルシェ開発センターのエンジニアたちは、カイエンのコクピットにおける画期的な表示および操作方法である「ポルシェドライバーエクスペリエンス」の導入を予告する。具体的には、完全にデジタル化されたディスプレイ、多彩なカスタマイズ、直感的な操作性などの採用を実施。これを実現するために、ダッシュボードやメーターパネル、センターコンソール、ドアの内側上部を新たに設計した。
コクピットの基本デザインは、フル電動スポーツカーのタイカンの要素を存分に取り入れる。内燃機関を搭載するポルシェ車では、初の試みだ。造形としては、いわゆる曲面フリースタンディングデザインを採用し、表示内容を変更可能なデジタルメーターパネル、再設計されたセンターコンソール、最新世代のステアリングホイールなどを配備。オートマチックギアセレクターは、従来のセンター部からステアリングホイールの横に移設する。これによりセンターコンソールにスペースが生まれ、洗練されたブラックパネルデザインの大型エアコンディショナーコントローラーが配置できた。また、より水平方向に強調したダッシュボードを採用し、前方視界の開放感をアップ。コクピット内のすべてのエア吹き出し口には、初めてルーバーなしのデザインを導入した。
メーターパネルには、完全にデジタル化されたフリースタンディングデザインの12.6インチ曲面ディスプレイを配備。フードカバーが不要なため、モダンでスリムなルックスとなる。メーターパネルの表示内容は、装備レベルに応じて最大7種類用意し、ドライバーはその中から選ぶことが可能。レブカウンター、オンラインナビゲーション、ナイトビジョンアシスト、3D運転支援システムなど、どれでも選択して最前面に表示させることもできる。大幅に簡素化した表示内容や、ポルシェならではの5連メーターパネルデザインをデジタル時代に合わせたクラシックモードも設定している。
高解像度の12.3インチセンターディスプレイは、ポルシェコミュニケーションマネジメントシステム(PCM)を一括制御。ドライバーは従来と同じく、多くの運転機能や快適機能、標準装備のオンラインナビゲーションやマルチメディア機能をここで操作することができる。そして、新しい機能として10.9インチパッセンジャーディスプレイをオプションで用意。この追加のタッチスクリーンにより、助手席乗員がナビゲーションの操作やメディアサービスの選択などを行えるようになり、ドライバーの負担を軽減する。また、ディスプレイには運転席から見ることができないように特殊コーティングを施し、ドライバーの注意をそらすことなくパッセンジャーディスプレイに動画をストリーミングすることができるように配慮した。
911に由来する高機能なマルチファンクションスポーツステアリングホイールを新たに組み込んだことも訴求点だ。高品質でモダンかつスポーティなデザインとなり、合わせてノーマル、オフロード、スポーツ、スポーツプラスの各モードをステアリングホイールで直接選択できるドライビングモードスイッチを標準で装備する。さらに、メーターパネルの機能やデザインを選択するための新しいトグルスイッチも、オプションのヘッドアップディスプレイのスイッチ類と同様に、ステアリングホイールに直接配置した。
センターコンソールの新しいエアコンディショナーコントロールパネルは、ブラックパネルデザインのガラス面を採用し、極めて高品質なアピアランスを実現。エアコンディショナーの設定は、明確なレイアウトのコントロールパネルで素早く直感的に行うことができる。また、タッチ認識と触覚フィードバックに、機械式エアコンディショナースイッチや物理的なボリュームコントローラーを組み合わせることで、心地よい手触りと美しさを兼ね備えた機能を具現化した。
コネクティビティの向上も新型カイエンのトピック。ワイヤレス充電機能付きの冷却式スマートフォン収納スペースを標準で装備し、冷却することで充電電力が最大15Wに最適化される。また、組み込まれるオンラインサービスの拡張により、音声アシスタント「Siri」を使った車両機能の操作など、新しいインタラクション方法を提供できるようにした。一方、フロントストレージコンパートメントに2つのUSB-Cポート、センターコンソール後部に2つのUSB-Cポートを新たに設定。すべてのUSBポートには、急速充電機能を備える。さらに、フロントのUSBポートはスマートフォンをポルシェコミュニケーションマネジメントシステム(PCM)と接続できるように設定。スマートフォンと車両のペアリングは、PCMに表示されたQRコードをスマートフォンで読み取るだけで行える。これにより、Apple CarPlayやAndroid Autoをはじめ、SpotifyやApple Musicなどの組み込みアプリを含む多くのコネクティビティ機能の利用を可能とした。