トヨタのオフィシャルチューナーとして、モータースポーツ事業/自動車用品事業/デザイン事業を手がけるトムス(TOM'S)は2022年1月14日、東京オートサロン2022の舞台でGR86とスープラ、そしてユーズドカーのGS Fをベースとする3台のカスタムコンプリートカー、「TOM'S GR86 TURBO」「TOM'S SUPRA TOURER」「TOM'S GS F produced by Kazuki Nakajima」を発表した。注文受付は本年2月中旬頃より開始。デリバリーはTOM'S GR86 TURBOが本年夏頃より、TOM'S SUPRA TOURERとTOM'S GS F produced by Kazuki Nakajimaが注文後数カ月を予定している。
各モデルの特徴を見ていこう。
まずTOM'S GR86 TURBOは、「クルマを、楽しむ」をテーマに据えて開発。空力性能をアップさせるディフューザーやワイドフェンダーでボディメイクした外観は“魅せる楽しみ”をもたらし、ターボを装着して最高出力300ps/最大トルク350Nmを発揮する2387cc水平対向4気筒エンジンは“走る楽しみ”を提供する。それらを支える足回りは、強化したブレーキや車高調整式スポーツサスペンション、ブレースで強化したシャシーによって“操る楽しみ”を実現した。車両価格(予価)はノーマルボディターボ仕様(ベースグレード:RZ)が488万3000円~、ワイドボディ仕様(ベースグレード:SZ)が592万8000円~、ワイドボディターボ仕様(ベースグレード:SZ)が680万7000円~に設定する。また、ノーマルボディやターボの有無、ベースグレードを変更するなどのカスタマイズも可能。今後はワイドフェンダーのみ、ターボキットのみの販売も予定している。
次にTOM'S SUPRA TOURERは、既存のフラッグシップモデルであるTOM'S SUPRAのスポーツ性能を保持しつつ、ツーリングモデルとして新たにチューニングしたことが特徴。ドライカーボンのディフューザーや1950mmのワイドボディで国産車の枠を超えたスタイリングを与え、一方で最高出力を420psへとパワーアップした2997cc直列6気筒エンジンはチューニング車特有のピーキーさを排除して乗り手を疲れさせないパワー特性を具現化する。さらに、ボディブレースの見直しによってしなやかな足回りを成し遂げ、街乗りや長距離ドライブをも楽しみへと変える“アーバン・ツアラー”へと変貌させた。オプションとしてブレンボ製BTSブレーキキット(Front)や車高調整式サスペンション「KW version3」、カーボン製内装パーツ等も用意している。車両価格(予価)は1166万円~に設定した。
そしてTOM'S GS F produced by Kazuki Nakajimaは、自らもレクサスGS Fを数台乗り継ぐほど、このクルマに対して特別な想いを寄せる、トップレーシングドライバーの中嶋一貴氏がエアロデザインや全体コンプセプトをプロデュースした特別なカスタムカーだ。大人が優雅に乗れてスポーツ走行も楽しめるコンセプトから生まれた車両デザインは、フロント、サイド、リアに取り付けたカーボン製ディフューザーを地上高やアプローチアングル等を工夫して設計し、気兼ねなく日常使いできる仕様にアレンジ。控え目なルックスに反し、フロア下は極力フラットボトムで構成して、優れた空力性能を確保した。一方、ブレーキパッドは制動性能を向上させ、かつダストを減少させるTOM'Sパフォーマーを採用。一見ノーマル然としたマフラーも専用設計のステンレス4本出しマフラーを組み込み、合わせて排気効率やエンジンのファインチューニングによってノーマルの最高出力477psから500ps(オプション)に向上させる等、レーシングドライバーとしてのこだわりを内包する。ベースとなるユーズドカーは“TOM'S基準”に達したものをセレクト。オプションとしてエンジンファインチューニングやスポーツサスペンション、ブラック再塗装ホイールなどのほか、ノーマルマフラー仕様も選択可能とした。車両価格(予価)は832万7000円~に設定している。