ジャガー・ランドローバー・ジャパンは2022年1月17日、第5世代となる新型レンジローバーの予約受注を開始した。
グレード構成および車両価格は以下の通りで、導入記念モデルの「ファーストエディション(FIRST EDITION)」も用意している。
■SWB(スタンダードホイールベース)
SE D300:1638万円
HSE D300:1753万円
オートバイオグラフィD300:1972万円
SE P440e:1710万円
HSE P440e:1824万円
オートバイオグラフィP440e:2040万円
ファーストエディションP440e:2127万円
SE P510e:1835万円
HSE P510e:1949万円
オートバイオグラフィP510e:2155万円
ファーストエディションP510e:2188万円
SV P510e:2477万円
SE P530:1830万円
HSE P530:1945万円
オートバイオグラフィP530:2163万円
ファーストエディションP530:2240万円
SV P530:2493万円
■LWB(ロングホイールベース)
SE P440e:1764万円
HSE P440e:1879万円
オートバイオグラフィP440e:2061万円
ファーストエディションP440e:2103万円
SE P530:1871万円
HSE P530:1986万円
オートバイオグラフィP530:2195万円
ファーストエディションP530:2272万円
SV P530:2775万円
■LWB 3列7名乗り
SE P530:1893万円
HSE P530:2006万円
オートバイオグラフィP530:2159万円
約9年ぶりのフルモデルチェンジを果たしたレンジローバーは、50年以上にわたって守ってきたランドローバー・ブランドのフラッグシップモデルとしての地位を継承しつつ、さらなる進化を果たして、ラグジュアリーSUVセグメントをリードする新世代モデルに昇華させたことが特徴である。
まず基本骨格には、ランドローバーの新しいアーキテクチャー「MLA-Flex(flexible Modular Longitudinal Architecture)」を初採用。レンジローバーならではの高い悪路走破性と快適性を両立させながら、PHEV(プラグインハイブリッド)やBEV(フルバッテリー電気自動車)などの電動ユニットにも対応したシャシーに進化する。ホイールベースはスタンダード(SWB、2997mm)とロング(LWB、3197mm)の 2 タイプを設定した。
エクステリアに関しては、後方へ向かってなだらかに下がるルーフラインや水平方向を強調した力強いウエストライン、フロントのショートオーバーハング、格式高いフロントエンド、直立したフロントガラス、実用的なスプリットテールゲート、テーパー形状でボートテールのようなリアビューなど、世代を超えて受け継いできた伝統のスタイリングを踏襲しつつ、厳しい公差管理のもとに実現した凹凸のないスムースな面構成を新たに採用。これはフラッシュグレージングや目立つことのないウエストレールフィニッシャー、シームレスなレーザー溶接ルーフジョイントなど最新技術を駆使して具現化したものだ。空気抵抗係数(Cd 値)は0.30と優秀な数値を実現する。また、このひとつの塊を削り出したかのような洗練された外観に、印象的な造形のシグネチャーDRL付デジタルLEDヘッドライトやフロントグリル、点灯するまでその存在に気づかない特徴的なリアコンビネーションランプ、20インチから23インチまでを取りそろえた新デザインのアロイホイールなどを組み込み、伝統と先進を巧みに融合させた。
ボディサイズに関しては、SWBが従来比で53mm長く、63mm幅広く、35mm高く、ホイールベースが75mm長い全長5052×全幅2047×全高1870mm/ホイールベース2997mmに、LWBが53mm長く、63mm幅広く、35mm高く、ホイールベースが75mm長い全長5252×全幅2047×全高1870mm/ホイールベース3197mmに設定。ボディカラーはフジホワイト、サントリーニブラック、ボラスコグレイ、アイガーグレイ、ポルトフィーノブルー、ランタオブロンズ、ハクバシルバー、ベルグレイヴィアグリーン、ヴァレジネブルー、オストゥーニパールホワイト、カルパチアングレイ、シリコンシルバー、バトゥミゴールド(新色)、シャラントグレイ、ブリティッシュレーシンググリーン、リグリアンブラック、フラックスシルバー、エーテルフロストシルバー、ベロシティブルー、コンステレーションブルー、イオニアンシルバー、サンセットゴールド(新色)、アメジストグレイパープル、ペトロリックスブルー、トルマリンブラウン、サンギネロオレンジ、サンライズカッパー、アイシーホワイト(新色)という全28色をラインアップしている。
内包するインテリアは、デジタル化に即した最新デザインおよび最新技術を採用したうえで、上質かつサステナビリティ(持続可能性)な素材を存分に盛り込んだことが訴求点である。先進機構としては、ハプティック(触覚)フィードバック機能付きの新開発13.1インチのフローティング式フルHDタッチスクリーンを備えた最新のインフォテインメントシステム「Pivi Pro」、2台の11.4インチHDタッチスクリーンと8インチリアシートタッチスクリーンコントローラーからなるリアエンターテインメントシステムなどを採用。また、第3世代となる新しいアクティブノイズキャンセレーションやアレルゲン低減とウイルス除去のためのデュアル「ナノイーX」テクノロジーを搭載したイオン空気清浄システムプロ、4ゾーンのクライメートコントロール、スマホ用のワイヤレスチャージングなども組み込む。シートおよびトリムにレザーを使わないKvadratプレミアムウールブレンドテキスタイルとウルトラファブリックを組み合わせた、環境に優しい新素材を設定したこともトピックだ。シートレイアウトは2列5名乗りのほか、LWBには2列4名乗りと、レンジローバー初となる3列7名乗りを用意している。
パワーユニットについては、D300マイルドハイブリッド(MHEV)の2997cc直列6気筒DOHC直噴ディーゼルターボエンジン(300ps/650Nm)+モーター、P530の4395cc・V型8気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジン(530ps/750Nm)、P440eプラグインハイブリッドの2996cc直列6気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(360ps/500Nm)+モーター(システム総出力324kW[440ps]/620Nm)+リチウムイオン電池(容量38.2kWh)、P510eプラグインハイブリッドの2996cc直列6気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(400ps/550Nm)+モーター(システム総出力375kW[510ps]/700Nm)+リチウムイオン電池(容量38.2kWh)という計4機種を設定。PHEVは二酸化炭素(CO2)の排出量を30g/km未満に抑え、かつEVモードでの最大航続距離はWLTP値で100km、実航続距離でも最大80㎞を達成する。充電に関しては、7kWの普通充電器を使用して最大100%までを約5時間、50kWの急速充電器を使用して最大80%までを60分未満でこなし、CHAdeMO急速充電にも対応した。トランスミッションは全ユニットに8速ATを組み合わせ、AWDで構成した駆動機構にはツインスピードトランスファーギアボックス(ハイ&ローレンジ)やオールテレインプログレスコントロール(ATPC)などを配備。足回りはフロントがマルチリンク式、リアが新開発の5リンク式で構成する。また、機構面では高い走破能力と快適な乗り心地を高次元で両立する先進のインテグレーテッド・シャシー・コントロール(ICC)や、電動アクチュエーターによって後輪を操舵するランドローバー初採用のオールホイールステアリング、素早く反応する電子ロールコントロールを備えたダイナミック・レスポンス・プロ、新しいツインバブルチューブバンパーを採用した電子制御エアサスペンション、路面状況に合わせて8つのモードから選択可能なテレインレスポンス2などを組み込んだ。
今回の日本導入では、ラグジュアリーとパーソナライゼーションを極めたモデルとして「レンジローバーSV」を新規にラインアップする。スペシャル・ビークル・オペレーション(SVO)による卓越したクラフトマンシップを体現したレンジローバーSVは、専用のデザインディテールとして、外装にはホワイトセラミック製エクステリアバッジとブラックの“SV”ラウンドエルバッジ、レンジローバースクリプト付きのSV専用ツートンカラー(3 色)、アトラスシルバーのメタルメッキのエクステリアアクセント、専用のメタルメッキ2ピースアッパーグリル/メタルフロントバンパー/メタルドアギル(エッチング加工“SV”ラウンドセル付)、専用金属メッキのリアフェンダーインゴット/ロアテールゲートフィニッシャー、SVラウンドエルグラフィック付きエクステリアパドルランプ、ブラック塗装のブレーキキャリパーなどを採用。一方で内装には、SVエクステンデットレザーインテリアやウィンザーレザーで装飾したギアセレクター(セラミックフィニッシャー)/インパネトッパー/インパネエンドキャップ/フロントコンソールアームレスト/フロントシート下部構造/アッパートリム/シートボルスター/シートベルトバックル/パーセルシェルフ、グロスホワイトセラミック加工を施したギアシフターモジュール/スタート&ストップベゼル/ キャプテンズアームレストアジャスターノブ/ボリュームコントロール電源ボタン/オールテレインコントロールモジュールボタン/エアコンダイヤルロータリーサラウンド(1、2列目)などを配備した。
なお、新型レンジローバーは2024年にランドローバー初となるフルバッテリー電気自動車(BEV)の投入も予定している。