米国トヨタは2022年2月2日(現地時間)、カリフォルニアに居を構える先端研究開発機関のトヨタ・リサーチ・インスティテュート(Toyota Research Institute、略称TRI)が実施したサーキットにおけるGRスープラの自動運転テストにおいて、ハンズフリーのドリフト走行にチャレンジし、成功したと発表した。
実験車両のGRスープラには、毎秒20回ほど走行軌道を演算する最新のソフトウェアを搭載。そして、エンジン出力やトランスミッション、ステアリング、ブレーキなど各機構を制御し、車両のドリフト状態から安定したグリップ走行へとスムーズかつ確実に移行させる、TRIが開発した支援システムのNMPC(Nonlinear Model Predictive Control=非線形モデル予測制御)を組み込んだ。
NMPCを駆使して自動運転でドリフトできるようプログラミングしたGRスープラは、障害物を設置したサンダーヒルレースウェイの西トラックでの走行を重ねながら、緻密に計算をし直して各制御を修正。最終的には、非常にバランスのいい自動ドリフト走行を演じるようになったという。
TRIは「今回の自動運転ドリフトの成功を、今後は突然の障害物や路面凍結といった危険な道路状況に遭遇した際の事故回避の研究に活かしていく」とコメントしている。