私の初めての愛車はKカー。ホンダ・ビートというミッドシップレイアウトのオープンカーです。現在よりもKカーの全幅規格が小さかったので、かなりコンパクトな2シーターのスポーツカーでした。
バイクのように高回転まで気持ちよく回るNAエンジン車でしたが、低回転域のトルクが薄いので、発進時にエンストしたりすることもありましたっけ(笑)。パワーバンドが5500rpm付近だったので、5MTを駆使してブンブン走り回っていました。
免許を取ってすぐから、10年間このクルマ1台で過ごし、その後はレーシングカーに改造していまも所有しているので、思い出を語ればいくらでもあります。今回は初めて高速道路に乗った時のお話でもしましょうか。
よりによって雨の首都高、しかも夜。ナビは装着されておらず、携帯電話もない時代だったため、メモにルートを書いたものを持たされて、お使いに出されたわけです。ところがビートはソフトトップのオープンカー。助手席の足元にしかルームランプがありません。身体を捻ってメモを見ながら、シフトチェンジもしつつ走るって、もう曲芸ものなんですけど、室内が狭かったのと、重ステのおかげでクルマがチョロチョロ動きにくかったのが功を奏したのか? なんとか目的地にたどり着くことができました。
あれから、30年。まだ覚えているってことは、よっぽど怖かったんだと思います…。