TRDブランドでモータースポーツ活動および競技用部品の供給を行うトヨタカスタマイジング&ディベロップメントは2022年2月7日、「GR86 Cup Car Basic(カップカー・ベーシック)」を発表し、同日より発売した。車両価格は333万4000円に設定。架装部分については、車両がユーザーに引き渡された日から1年間、走行距離が2万kmまでの範囲で保証が受けられる(レースやラリー等への使用以降は保証が消滅)。
GR86 Cup Car Basicは、2022年より開催予定の「TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cup」への参戦車両として開発されたコンプリート車両だ。通常モデルのGR86をベースとした“Racing”からのコンセプトはそのままに、レース参戦に必要となるロールケージや競技用シートベルトアンカーなどの高コストな装備をパッケージしながら、ユーザーが好みに合わせて変更可能なシートやホイールなどは廉価仕様の装備に抑え、リーズナブルな車両価格を実現している。
肝心のロールケージは専用設計のインパネ貫通式で、基本構造6点と運転席/助手席にサイドバーを配備。JAF国内競技車両規則「スピードB」および「スピードSA」に適合し、さらに前記規則の求める最小パイプ径(φ35mm)を上回るφ40mmの設計として、高い安全性を確保する。また、ロールケージ部への干渉がないようにカットした専用フロアマットを装備。素材および固定具には、純正品と同等のものを使用している。一方でシートベルトアンカーには、より確実に身体をホールドする6点式用(運転席側)を採用。乗車定員に関しては、通常の4名から変更はない。
冷却機構のグレードアップを果たしたことも訴求点だ。パフォーマンスアップした車両に最適化した空冷式エンジンオイルクーラーを架装装備し、安定的にレーシングスピードでの周回走行が可能な冷却性能を実現している。
なお、トヨタカスタマイジング&ディベロップメントでは現在、TOYOTA GAZOO Racing GR86/BRZ Cupクラブマンクラス指定部品として採用予定のサスペンションセットを開発中。発売は本年4月中旬を予定している。