シトロエンE-C4シャイン 価格:465万円 試乗記
シトロエンのミディアムクラスを担うC4がモデルチェンジした。3rdモデルとなる新型は、過去2世代とは、いろいろな面で異なり、ユニークな存在だ。
最も目立つのはスタイリングだろう。ボディは、新世代シトロエンの幕開けとなったC4カクタス(2014年発表)の流れをくむクロスオーバー処理と、かつての名車、GS(1970年発表)を思わせる6ライトのファストバック造形を融合させた印象だ。強い個性を放ち、ひと目見てシトロエンだとわかる。
多彩なパワーユニット設定も魅力である。1.2リッター直3ターボ(130ps)と1.5リッター直4ディーゼルターボ(130ps)のエンジン車に加え、Ё―C4を名乗る電気自動車(BEV)が導入された。Ё―C4のモーター出力は136ps。同じボディで3種類の動力源が選べるのは異例だ。試乗車はЁ―C4である。
インテリアは、小ぶりなデジタルメーターやスライド式セレクターレバーが特徴。乗り込むと、まずはシートの素晴らしさに感心する。シトロエンが導入を進めているアドバンストコンフォートシートを標準装備。レザー張りであっても、このブランドらしい優しく体を受け止める感触が心地よい。
走りはスムーズだった。Ё―C4の車重は1630kgとやや重い。しかし260Nmの最大トルクをわずか300rpmから発生するので、加速は発進直後から力強い。BEVらしく音もなく滑らかに速度を上げていくフィーリングは、シトロエンの未来的なブランドイメージにふさわしい。
プラットフォームはプジョー208やDS3クロスバック用をリファイン。ホイールベースを2665mmと長めにとっていることに加え、C5エアクロスで定評のあるプログレッシブ・ハイドローリック・クッションが導入されている。
高速道路でのゆったりした揺れは、かつてGSなどが採用していたハイドロニューマチックを思わせる。Ё―C4は車重の関係もあり、重厚な感触がそれに加わる。充実した運転支援機構の効果もあり、クラスを超えた快適性を味わわせてくれる。静かでスムーズに巡航するЁ―C4とこの乗り心地は実に似合うと感じた。
フットワークは、軽快な身のこなしと、キャビンを中心に曲がっていくような旋回感が印象的だった。前輪駆動らしさが色濃かったこれまでのシトロエンとは違ったキャラクターである。多くのEVに共通するこれらの味わいは、独創的なデザインとマッチしている。
新型C4は、「個性的な移動体」という形容がぴったりな前衛モデルである。
グレード=E-C4シャイン
価格=465万円
全長×全幅×全高=4375×1800×1530mm
ホイールベース=2665mm
トレッド=フロント:1560×リア:1560mm
最低地上高=170mm
車重=1630kg
モーター型式=交流同期電動機
モーター定格出力=57kW
モーター最高出力=100kW(136ps)/5500rpm
モーター最大トルク=260Nm/300〜3674rpm
一充電走行距離(WLTCモード)=405km
交流電力量消費率=140Wh/km
駆動用バッテリー=リチウムイオン電池
駆動用バッテリー総電力量=50kWh
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=195/60R18+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.6m
主要装備:6エアバッグ/エレクトリックパーキングブレーキ/前後ソナー/バックカメラ/アクティブセーフティブレーキ/レーンデパーチャーウォーニング/アクティブクルーズコントロール&トラフィックジャムアシスト/レーンポジショニングアシスト/ブラインドスポットモニター/インテリジェントハイビーム/トラフィックサインインフォメーション/ドライバーアテンションアラート/ポストコリジョンセーフティブレーキ/タイヤ空気圧警告灯/ヒルスタートアシスタンス/LEDヘッドライト&フォグランプ/オートライト/雨滴感知式オートワイパー/ホイールアーチモール/クロームアンダーウィンドウモール/スーパーティンテッドガラス(リア3面)/スライディングガラスサンルーフ/本革巻きステアリング/ステアリングヒーター/左右独立温度調節式オートAC/自動防眩ルームミラー/カラーヘッドアップディスプレイ/2ポジションラゲッジフロアボード/シトロエンスマートパッドサポート/レザー&テップレザーシート/前席電動ランバーサポート&シートヒーター/10インチタッチスクリーンオーディオ/プログレッシブ・ハイドローリック・クッション/充電予約(プリコンディショニング)
ボディカラー:ブルーアイスランド(op6万500円)
※価格はすべて消費税込み リサイクル費用は1万290円