【エンジン車よ永遠なれ!】レクサスのV8(2UR-GSE)は、大排気量・自然吸気の傑作。リニアなレスポンス、最高のサウンドで魅了する

レクサスLC500Sパッケージ/価格:10SAT 1450万円。LCは世界に衝撃を与えたコンセプトカー「LF-LC」の市販版。2017年に正式デビュー。前後重量配分に優れたフロントミッドシップと低重心設計を採用する。珠玉の2UR-GSEは4968ccの排気量から477ps/7100rpm、540Nm/4800rpmを発揮。自然吸気ならではのシャープなレスポンスと極上サウンドが魅力。全長×全幅×全高4770×1920×1345入mm、車重1960kg

レクサスLC500Sパッケージ/価格:10SAT 1450万円。LCは世界に衝撃を与えたコンセプトカー「LF-LC」の市販版。2017年に正式デビュー。前後重量配分に優れたフロントミッドシップと低重心設計を採用する。珠玉の2UR-GSEは4968ccの排気量から477ps/7100rpm、540Nm/4800rpmを発揮。自然吸気ならではのシャープなレスポンスと極上サウンドが魅力。全長×全幅×全高4770×1920×1345入mm、車重1960kg

LEXUS LC & RC F & IS/2UR-GSE

LCエンジン種類:V型8気筒DOHC32V
総排気量:4805cc
ボア×ストローク:94.0×89.5mm
圧縮比:12.0:1
最高出力:351kW(477ps)/7100rpm
最大トルク:540Nm(55.1kgm)/4800rpm
※LC500の数値

 レクサスが誇る2UR-GSE型は絶品だ。これほど「大排気量の自然吸気に勝るユニットはない」と実感させるエンジンは他にない。
「UR」は、レクサスとトヨタの上級車種に搭載してきたV8ユニットのシリーズ。排気量が5リッターの2URは、従来型のLSなどに搭載された効率重視の2UR-FSEと、パフォーマンスを追求した2UR-GSEがある。

 BMWのMモデルやメルセデスのAMGに対抗するために、レクサスが2UR-GSEを搭載した特別なFモデル、IS・Fを加えたのは2007年末のことだった。同時期に登場したR35GT-Rと同程度の出力を発揮しながら、かたや3.8リッター・V6ツインターボ、かたや5ℓ・V8自然吸気という対比は興味深かった。
 2UR-GSEは、2014年にRC・F、翌2015年にはGS・Fが送り出され存在感を高める。フラッグシップクーペとして2017年に生まれたLCにも、このエンジンを搭載するLC500が設定された。つい最近もISのフラッグシップとしてIS500が誕生したばかりだ。

エンジンimage

LCV8は走り出す前から独特のサウンドで魅了。加速フィールはまさに絶品

 LC500のスペックは477ps/7100rpm、540Nm/4800rpm。いまや貴重な5リッター・V8の自然吸気エンジンは、アイドリング時から独特のサウンドを奏でる。走り出す前からすでに聴覚で楽しめるのだ。これから始まる世界を期待せずにいられない。

 走り出すと応答遅れのないリニアなレスポンスが印象的。大排気量の自然吸気V8なればこその味わいが心地いい。もちろん力感も十分だ。速さそのものでいうと、低~中速域のトルクではさすがにターボ付きにはかなわないが、そこはあえて控えめに抑えてある気もする。

 踏み込むと3500rpmあたりから解き放たれたかのように生き生きとしてくる。いかにも抜けのよさそうな乾いたV8サウンドを轟かせながら、7000rpm超まで伸びやかに吹き上がっていく。このときの加速フィールたるや、本当に「絶品」で惚れ惚れする。
 これには、緻密なサウンドの調律もプラスをもたらしているに違いない。LCはエンジンこもり音を抑えるアクティブノイズコントロールを搭載。RC・Fには、原音と調整音でサウンドメイキングを行うアクティブサウンドコントロールが搭載されている。

LCリア

LC室内

 トランスミッションに8速のトルコンATを組み合わせているのもポイントである。DCTに負けない瞬時のシフトチェンジやダイレクト感のある走りを実現しながら、DCTのようなクセはなく扱いやすい。レクサスが自然吸気エンジンとともにトルコンATにこだわる理由は理解できる。

 2UR-GSEの素晴らしいエンジンフィールをひとたび味わうと、やはり大排気量の自然吸気エンジンは最高だと実感する。500ps級の高性能車ではターボ付きが当たり前。だからなおのこと、この味わい深い世界を、できるだけ長く世に残してくれるよう願うのだ。

RCF

IS

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