マルチパーパスビークルの本来の意味は「多目的車」。 編集部では、ユーザーの「ライフスタイル」に寄り添い、生活の質を高めるクルマはすべて該当すると考えた。クルマ選びは、ボディタイプの中で検討するのではなく、ユーザー自身の生活スタイルとの関係性や幸福度をぜひ重視してほしい。そこで今回、4種のライフステージ別にベストモデルを考察した。
MITSUBISHI OUTLANDER PHEV
新型は待望の3列7名乗り仕様が設定された。3列目は補助席的な設定だが、あると便利。新型は、一段と多彩なニーズに応えるクルマに成長した。PHEVシステムも改良され、航続距離が伸び、最大で12日分の家庭用電力供給ができる。アウトドアや非常時の電源としても強い味方だ。あらゆる面で進化度は大きく、見た目の高級感も増している。印象的なのは走りのよさ。どんな路面を走っても本当に気持ちいい。
SUBARU LEVORG
SUVよりも車高が低いクルマが好みというユーザーに最適。低い車高は走りに関連する諸性能や燃費面で有利であり、ラゲッジの出し入れもしやすい。駐車場所の制約も少ないなど、好都合な点が多い。SUV全盛のいま、選ぶ価値がある。現行型は走りが大幅に洗練された。中でも電子制御ダンパー搭載車の完成度は秀逸。最新のアイサイトXも驚くほど機能が充実している。SUBARUらしいオールラウンダーだ。
TOYOTA HARRIER
利便性を少し削ってオシャレ感覚を優先したことで、現行型は見てのとおり美しいシルエットを実現した。クオリティの高いインテリアも魅力的。女性からの評価も高いと聞く。日本市場優先設計なのでサイズ的にも大きすぎない。走り味は日本の使用環境に最適なセッティングになっている。トヨタらしい上質性と完成度の持ち主である。本命はハイブリッドだが、ガソリン車なら意外と価格も手ごろだ。
VOLVO XC40
XC40はボルボのエントリーSUVとして世界的に高評価を獲得。とりわけ日本で人気が高い。クルマ自体も魅力的だが、所有することでステータスとインテリジェンスをアピールできるのも強み。登場からやや時間が経過したが、デザインはタイムレスな印象。新鮮な印象をキープする。走りと実用性もハイレベル。全幅は1900mmに迫るが全長は短く、日本でも持て余さない。あらゆる面でよさが実感できる。
JEEP Wrangler
いつかは乗りたいと思っているクルマ好きは多いはず。ラングラーはクロカンSUVの象徴的な存在だ。取り回し性などは、それなりに気を配る必要はあるが、「本物中の本物感」が味わえると思えば多少の不便は許せる。現行型は快適性や質感が従来型より格段に高まり、乗りやすくなっている。ウインタースポーツやアウトドアレジャーが趣味なら、抜群の走破性が頼りになるのはいうまでもない。
BMW 3-Series
バブル期に学生時代を過ごし、E30型(国内販売は1983〜1991年)が走り去る姿を眺めていた世代は現行G80型に特別な思いを抱いているのではないだろうか。いまなら手に入れられると考えるユーザーも多いに違いない。最新3シリーズは、幅広い世代が似合うプレミアムセダンとして申し分ない資質を身につけた。居住性も高級感もハイレベル。輸入車の大定番らしい完成度の高さを実感できる。電動系を含めパワートレーンが豊富に選べるのも特徴だ。