マルチパーパスビークルの本来の意味は「多目的車」。 編集部では、ユーザーの「ライフスタイル」に寄り添い、生活の質を高めるクルマはすべて該当すると考えた。クルマ選びは、ボディタイプの中で検討するのではなく、ユーザー自身の生活スタイルとの関係性や幸福度をぜひ重視してほしい。そこで今回、4種のライフステージ別にベストモデルを考察した。
MAZDA Roadster
ロードスターは、クルマ好きのアイドルだ。長年、ガレージに収めるのを夢にしてきたユーザーも多いだろう。いまこそ、チャンスが到来したといえるのではないか。シートが低いので乗り降りが意外ときついことはお伝えしておかなければならないが、走りの楽しさは最高。オープンエアの爽快感は何ものにも変え難い。トランクは狭いながらも意外に実用的。ベテランドライバーが乗っていると、実に絵になる。
VW GOLF GTI
「世界標準」と称されるのは、それだけ完成度が高いから。上質な走りはもちろん、ジャストサイズの中に十分な居住性を確保した車内や、広く使い勝手のいい荷室などパッケージングはまさにお手本。最新8thモデルもよき伝統を継承。しかもGTIなら圧倒的な走行性能と特別に仕立てられた内外装という大きな魅力が加わる。それなりに高価だが、大きな満足感を与えてくれることは間違いない。
NISSAN SKYLINE 400R
この世代は、往年のスカイライン全盛期をリアルタイムで知っている。「スカG」は憧れの存在だった。400Rはそんな彼らを熱くさせている。乗ってみると、とにかく3リッターツインターボが印象的。この気持ちよさを味わえるだけでも買う価値がある。さらに電子制御ダンパーを備えた足回りがいい。快適性は段違い。プロパイロット2が未設定という点は残念だが、スカイラインらしい生粋の「狼セダン」である。
Mercedes-Benz C Class
メルセデスは、FFベースのコンパクト系よりも、やっぱりCクラスというユーザーは少なくないと思う。本人にとってえ「いかに満足できるか」が大事だ。大幅に進化した最新型は、価格がだいぶ上昇したが、中身もそのぶん充実している。内外装はSクラス譲りのデザインとなり、クルマとしての完成度はいっそう高まった。クロスオーバールックのオールテレインのような新発想も魅力的だ。PHEVも輸入予定である。
DS3 CROSSBACK
ベテランになると、大きなクルマを運転するのがおっくうになる。半面、小さなクルマは安っぽいものが多い。その点、フレンチプレミアムのDS3なら、見た目も走りもしっかりと作り込まれていて不満を感じない。しかもEテンスがある。小柄で取り回しやすく、ピュアBEVならではのスムーズな走りが味わえる。頻繁に後席にゲストを乗せたり、遠出したりしないならオススメ。質の高さを求めるユーザーへ。
Alfa Romeo STELVIO
SUVのよさを知ってしまったので、SUVに乗りつづけたいが、個性を重視したいというユーザーにはステルヴィオがある。イタリアンスポーティの代表ブランドだけに、SUVとしてはかなり尖ったクルマだ。すべてが走りの楽しさをテーマに作られている。それでもSUVとしての利便性は十分。便利に使えて、そのうえで乗るたびに俊敏なハンドリングが味わえる。独特のデザインと相まって飽きる心配はない。