【エンジン車よ永遠なれ!】NSX-Rの熱気を再現したインテグラ・タイプRのB18Cにはspec.Rの称号が輝く!

ホンダ・インテグラ・タイプR/新車時価格:5MT 222万8000円。B18CスペックRは60点にも及ぶ専用パーツを組み込んでいる。1797ccの排気量から200ps/8000rpm、18.5kgm/7500rpmを発揮する。リッター当たり出力は自然吸気の量産車としては当時驚異的な111ps。各部が強化されたボディ&足回りと相まってサーキットで気持ちのいい汗がかけた。そのシャープな味わいはプロドライバーも認めるレベルだった

ホンダ・インテグラ・タイプR/新車時価格:5MT 222万8000円。B18CスペックRは60点にも及ぶ専用パーツを組み込んでいる。1797ccの排気量から200ps/8000rpm、18.5kgm/7500rpmを発揮する。リッター当たり出力は自然吸気の量産車としては当時驚異的な111ps。各部が強化されたボディ&足回りと相まってサーキットで気持ちのいい汗がかけた。そのシャープな味わいはプロドライバーも認めるレベルだった

HONDA INTEGRA Type R(DC2-DBR)/B18C

インテRエンジン種類:直列4気筒DOHC16V・VTEC
総排気量:1797cc
ボア×ストローク:81×87.2mm
圧縮比:11.1:1
最高出力:200ps/8000rpm
最大トルク:18.5kgm/7500rpm

 1992年に登場したNSX-Rは、徹底した軽量化とシャシーを磨き上げることで、「誰でも乗れるスーパースポーツ」から「サーキットベストのピュアスポーツ」へと変貌。鮮烈な走りに多くの人が驚愕した。ただしNSX-Rの新車価格は970万7000円、いま思うとバーゲンプライスだが「誰でも気軽に」という値段ではなかった。

 マニアからは「手が届くR」がほしいという声が日増しに高まっていく。ホンダはクルマ好き集団である。開発陣はニーズに応えNSX-Rで培った技術や知見、ノウハウを量産モデルへとフィードバックした。それが1995年10月に登場したインテグラ・タイプR(以下インテR)だ。インテRはエアコン、オーディオはもちろん、遮音材に至るまで走りに不必要なアイテムは取り外された。

インテR走り

 一方で走りの要となる車体は、板厚を増した鉄板や補強パネルの追加により強化。体幹を鍛えたうえで、専用チューンのサスペンションとタイヤ&アルミホイール、ブレーキ、ヘリカルLSDが奢られた。その走りは鮮烈。FFながらアンダーステアをほぼ感じさせないどころか、アクセル操作によって挙動変化も楽しめるハンドリングに仕上がっていた。FF嫌いで有名なプロドライバーも「インテRは許せる」というお墨付きを与える。

 インテRの凄さはFFの概念を覆したハンドリングに加えて、専用の1.8リッター直4DOHC ・VTECエンジン、B18CスペックRにあった。ベースのB18Cでも180ps/17.0kgmとリッター当たり100psを誇る高性能ユニットだが、スペックRはレーシングテクノロジーをフィードバックしながらポテンシャルアップを実施した。

 チューン内容は専用のピストン、カムシャフト、圧縮比アップ、手作業でのポート研磨、インテークマニホールド/エグゾーストマニホールド/ECUの改良と、量産エンジンながらレーシングエンジン並みに徹底。リッター当たり111psとなる200ps/17.8kgmを発揮する。排気量はそのままに自然吸気エンジンで20psもの出力向上は驚異的。さらにこんなエンジンを量産していたという事実も驚きだ。

 VTECが高速カムに切り替わってからのパワーの盛り上がりや、8400rpmのレッドゾーンを超えそうな伸びのよさ、そして五感に響く弾けるサウンドは、本家NSX-Rを超えるレベル。タイプRにはクロースレシオ化された5速MTが用意されたが、国内の主要サーキットではトルクバンドをほぼ外すことはなかったと聞く。

インテRスタイル

 新車価格は、ベース車に対して約20万高の222万8000円。マニアに手が届くプライス設定だった。インテRは「ホンダの本気」と「レーシングテクノロジーの凄さ」をクルマ好きにリアルに浸透させた。

 1998年にマイナーチェンジが行われ、エンジン/シャシー共に性能アップが行われた。このときの改良で、ピーキーな特性は影を潜めた。それもあって、粗削りだが切れ味の鋭い初期モデルを好むファンは、いまも多い。

インテRリア

インテR室内

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