【2022 J'sスポーツ特集】シャープかつ素直なフットワーク。GR86が提示するFRスポーツの魅惑世界

トヨタGR86・RZ 新型はモータースポーツで培ったGRの知見を投入 「ダイレクトで気持ちのいい走り”を追求 足回りなどの専用チューンで個性を表現
トヨタGR86・RZ 新型はモータースポーツで培ったGRの知見を投入 「ダイレクトで気持ちのいい走り”を追求 足回りなどの専用チューンで個性を表現

トヨタGR86・RZ 価格:6MT 334万9000円/6SAT  351万2000円 試乗記

新型は「走りの個性」を明確化。GRらしさが鮮明に表現

 果たして世代交代は行われるのか? 一時はそんな声すら聞かれたものの、無事にフルモデルチェンジが行われた2ndモデルは、新たにGR86の名で発売された。

 新型もSUBARU(スバル)とのコラボレーションによって開発され、スバルの工場で生産するFRレイアウトの2+2クーペという基本を踏襲。「トヨタの86」から自らのスポーツカーブランドを冠した「GRの86」へと変わったことで一段とオリジナリティをアピールする。BRZに対して3カ月ほど発売をあえて遅らせて、従来モデル以上に大きな範囲で独自チューニングを施したシャシーとサスペンションを採用。明確な「走りの個性」が与えられた。
 全長×全幅×全高4265×1775×1310mmのボディサイズや見た目の雰囲気に大きな変化はない。

MT仕様はプリクラッシュブレーキなどのアイサイトテクノロジー未装備 定速クルーズコントロールを標準装備 RZのパワーウェイトレシオは5.4㎏/㎰ ボディはF曲げ剛性約60%/ねじり剛性約50%アップ
MT仕様はプリクラッシュブレーキなどのアイサイトテクノロジー未装備 定速クルーズコントロールを標準装備 RZのパワーウェイトレシオは5.4㎏/㎰ ボディはF曲げ剛性約60%/ねじり剛性約50%アップ
2387cc水平対向4DOHC16V 235ps/7000rpm 250Nm/3700rpm  旧型比28ps/38Nmパワフル
2387cc水平対向4DOHC16V 235ps/7000rpm 250Nm/3700rpm  旧型比28ps/38Nmパワフル
RZは215/40R18ミシュランPS4+7.5Jマットブラックアルミ
RZは215/40R18ミシュランPS4+7.5Jマットブラックアルミ
排気エンドパイプは大径ツイン 中央にリアフォグをビルトイン
排気エンドパイプは大径ツイン 中央にリアフォグをビルトイン

新2.4リッターボクサーは大幅実力アップ。フットワークも最高!

 ハードウェア上の最大の進化点は、6速MTもしくは6速ステップATとの組み合わせで搭載される自然吸気式水平対向4気筒エンジンが、従来の2リッターから2.4リッターへと拡大されたことだ。
 スペックは235ps/7000rpm、250Nm/3700rpm。ピークパワーが向上し、トルクも上乗せをされたことによって、たとえばMT仕様の街乗りシーンで「1速飛ばし」のアップシフトがより容易に行えるようになった。実用性能が確実にリファインされている点は見逃せない。

 と同時に、回転数が高まっていくとアクセル操作に対するレスポンスがいっそう研ぎ澄まされるなど、「スポーツ心臓」らしさを味わえるのが大きな魅力。率直なところ、どうしてもトルクの細さが気になった従来型に対し、トルク感が2割、いや3割ほど強力になっている。あらゆるシーンで力強さが味わえるのだ。「アクティブサウンドコントロール」がもたらす乾いたサウンドも、心地いい仕上がりである。新型は、本格スポーツカーらしさがグンと増したイメージである。

 フットワークは、FRスポーツカーらしい、シャープでありながらも素直な身のこなしが好印象。少なくともドライの舗装路面であればトラクション能力に不足を感じる場面はない。このあたりには心臓に自然吸気方式を踏襲したメリットを実感した。

 電動化一辺倒の欧州メーカーには、こうした「手の内感」が漂う純エンジン搭載のスポーツカーを作る余力は求めづらい。その点でもGR86(そしてBRZ)は、日本の財産であると同時に貴重な存在である。本格度と骨太感をアップさせた新型を、たっぷりと味わっていきたい。

インパネは機能的な造形 新型はヒップポイントが一段と下がりドライビングポジションを改善 ステアリングは小径革巻き
インパネは機能的な造形 新型はヒップポイントが一段と下がりドライビングポジションを改善 ステアリングは小径革巻き
シートはサポート性良好 RZは本革とスエード調素材のコンビ仕様 キャビン空間は2+2 後席はトランクスルー機能付き 乗り心地はややハードな味わい
シートはサポート性良好 RZは本革とスエード調素材のコンビ仕様 キャビン空間は2+2 後席はトランクスルー機能付き 乗り心地はややハードな味わい
メーターは液晶デジタル 回転計中心レイアウト 写真はトラックモード
メーターは液晶デジタル 回転計中心レイアウト 写真はトラックモード
6速MTのシフトフィールは良好 旧型比ギアノイズを低減
6速MTのシフトフィールは良好 旧型比ギアノイズを低減

トヨタGR86 主要諸元と主要装備の主要諸元と主要装備

グレード=RZ
価格=6MT 334万9000円/6SAT 351万2000円
全長×全幅×全高=4265×1775×1310mm
ホイールベース=2575mm
トレッド=フロント:1520×リア:1550mm
車重=1270(AT1290)kg
エンジン=2387cc水平対向4DOHC16V(プレミアム仕様)
最高出力=173kW(235ps)/7000rpm
最大トルク=250Nm(25.5kgm)/3700rpm
WLTCモード燃費=11.9(AT11.7)km/リッター(燃料タンク容量50リッター)
(市街地/郊外/高速道路:8.0/12.8/14.2(AT7.2/12.7/14.9)km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:ダブルウィッシュボーン
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=215/40R18+アルミ
駆動方式=FR
乗車定員=4名
最小回転半径=5.4m
主な燃費改善対策:筒内直接噴射/可変バルブタイミング/電動パワーステアリング/ロックアップ機構付きトルクコンバーター(AT)
主要装備:トルセンLSD/Vタワーバー/フロントパフォーマンスロッド/フロントスポーツブレーキパッド/アクティブサウンドコントロール/水冷式エンジンオイルクーラー/アルミ製フロントフード&ルーフパネル&フロントフェンダー/フロントバンパーダクト(空力テクスチャーパターン)/前後エアアウトレット/サイドシルスポイラー/ダックテールトランクリッド/デュアルテールパイプ/フルフロアアンダーカバー/フルLEDヘッドライト/クルーズコントロール/本革巻きステアリング&シフトノブ&ハンドブレーキレバー/TRACKモードスイッチ/アルミパッド付きスポーツペダル/左右独立温度調節式オートAC/BOXERメーター(7インチカラー+LED液晶メーター)/キーレスアクセス&プッシュスタート/8スピーカー/ウルトラスエード&本革コンビシート/シートヒーター/ブランノーブ表皮メーターバイザー/後側方警戒支援システム/アイサイトコアテクノロジー(AT)
ボディカラー:クリスタルホワイトパール(op3万3000円)
※価格はすべて消費税込み ※リサイクル費用は8790円

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