BMW・M850i・xドライブ・カブリオレ 試乗記
BMW・M850i・xドライブ・カブリオレ 価格:8SAT 1838万円 エレガントさとハイパフォーマンスを追求したフラッグシップGTオープン Mパフォーマンスチューンの4.4リッター・V8搭載 0→100km/h加速は3.9秒でクリア 駆動方式は電子制御4WD
新型はスタイリッシュなキャンバストップ仕様
最新8シリーズは、新世代4シーター・フラッグシップGTとして誕生。従来の6シリーズと1990年代の旧型8シリーズのキャラクターを踏襲するだけでなく、スポーツカーレベルのハイパフォーマンスを備えている。
8シリーズに追加されたコンバーチブルは、旧6シリーズ同様に、エレガントなソフトトップスタイルを選択した。
日本では耐候性に優れたリトラクタブルハードトップ(RHT)形式を望むユーザーが多いと聞く。しかし、8シリーズがRHTを採用していたなら、こんなに美しいスタイリングにはならなかっただろう。
2シーター(たとえばフェラーリ488シリーズ)ならまだしも、フル4シーターともなればルーフの面積は大きくなり、デザイン面での制約が厳しくなる。ルーフの格納方法も複雑になる。
ソフトトップなら収納しやすく、何よりデザインはシンプルで済む。異素材×異カラーというコーディネーションも楽しめる。
いまでも高級なコンバーチブルモデルはソフトトップが主流だ。ロールス・ロイスやベントレー、アストンマーティンといったブランドなどが採用していることからもわかる。
全長×全幅×全高4855×1900×1345mm ホイールベース2820mm 車重2120kg アクティブスタビライザーを備えたアダプティブMサスペンションプロ標準
加速はスーパーカー級 パワーは暴力的
試乗車はM8500i・xドライブ。ワンタッチ操作でソフトトップを収納し、ウインドディフレクターを立てて走りだした。新型は、50km/h以下なら走行中でもトップの開閉操作が可能。開閉に要する時間は約15秒だ。
クーペに比べて100キロの重量増など、530㎰/750Nmを発する4.4リッターのV8ツインターボにとっては何の影響もない。2000rpm以下からわき出る最大トルクによって、スーパーカー級の加速フィールが味わえる。3000rpmm以上になると、スピードはもはや暴力的なレベル。フルオープンでのドライブでは、ちょっと怖くなってしまった。
トップを閉じればクーペと変わりなく安心してドライビングに専念できる。
加速のみならずハンドリングもまたクーペと遜色のないパフォーマンスを見せた。ハンドリング性能は、まるで小型スポーツカーのように意のまま。このあたりの巧みな制御は最新BMWの真骨頂だ。
街中での乗り心地はクーペよりわずかに肩の力が抜けている感じ。実に心地よかった。ゆっくり流れに乗って走っていると、スポーツカーのイメージはなく、豪華なツーリングクルーザーに徹する。
走りもスタイルも最高。新型は最良のフラッグシップオープンである。
インパネは上質で機能的 各部レザー仕上げ 中央に10・25インチワイドディスプレイを装備 ハンドリングはスポーティ 日本仕様は右ハンドル
シートはマルチファンクション本革メリノシート標準 後席足元スペースはタイト 乗り心地はフラットで滑らか
※次ページでスペックを紹介
BMW・M850i・xドライブ・カブリオレ主要諸元
グレード=M850i・xドライブ・カブリオレ
価格=8SAT 1838万円
全長×全幅×全高=4855×1900×1345mm
ホイールベース=2820mm
車重=2120kg
エンジン=4394cc・V8DOHC32Vツインターボ(プレミアム仕様)
最高出力=390kW(530ps)/5500〜6000rpm
最大トルク=750Nm(76.5kgm)/1800〜4600rpm
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:245/35R20/リア:275/30R20+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=4名
トランク容量=280〜350リッター
最高速度=250km/h
0→100km/h加速=3.9秒
※ 価格とスペックは2019年5月現在
※ 性能数値は欧州仕様
メーターは先進イメージ フル液晶12.3インチ ヘッドアップディスプレイ標準
4394cc・V8DOHC32Vツインターボ 530ps/750Nm WLTCモード燃費:8.2㎞/リッター