マツダのスポーツカーはロータリーエンジンとレシプロエンジンに分かれる。
マツダのキーテクノロジーのひとつであるロータリーエンジンは、1967年にコスモスポーツに搭載され市販化。それ以降、さまざまなモデルに水平展開、1970年代には「フルラインロータリー」が検討された。中でも軽量・コンパクトなロータリーの特徴を活かせるのは、スポーツカーだと判断。サバンナRX-3(1971年)は、あのハコスカGT-Rの連勝記録を止め、レース通算100勝を飾っている。
後継車として1978年に登場したRX-7は、日本では数少ないピュアスポーツである。ロータリー×スポーツカーを定着させた存在で、2nd(1985年)/3rd(1991年)と世代を重ねた。とくにFD型と呼ばれる3rdモデルは、スポーツカーの理想を貫いた贅沢な設計で、走りのポテンシャルは今日でも通用するレベルだ。
一方で、レシプロエンジンを代表とするスポーツカーは、1989年にデビューしたロードスターである。量産車のコンポーネントを上手に活用しながら1960年代のライトウェイトFRスポーツを現代的に解釈。軽量コンパクト、スピード性能よりも操る歓びを優先するなど、スポーツカーの本質的な魅力を追求し、日本だけでなく海外でも高い支持を集めた。
ロードスターは、2nd(1998年)/3rd(2005年)/4th(2015年)と歴史を刻み、「2シーター小型オープンスポーツカー」生産累計世界一の記録は、現在も更新され続けている。
レシプロエンジン搭載スポーツといえば、ファミリアの5th/6thモデルに設定されたフルタイム4WDモデルも忘れてはならない。当初からスポーツ4WDとして開発され、ライバルより小排気量ながらコンパクトなボディとハンドリングのよさを活かし、WRCでは総合優勝も果たしている。
この先はどうなるのか? マツダ自身「ロードスターは宝でありブランドの象徴」と語るように、今後も継続されるのは間違いない。気になるのはロータリーエンジンだ。2015年の東京モーターショーには、マツダの夢をカタチにしたRX-VISIONを出展。次世代ロータリーエンジン「スカイアクティブR」を搭載と発表されたが、2017年にVISIONクーペを公開したものの音沙汰がない。ただ、ロータリーエンジンは現在も補修部品の製造を継続。さらに電動化の切り札としての活用も期待されている。マツダはロータリーを忘れていない。マツダなら、やってくれるはずだ!!