【2022 J'sスポーツ特集】ホンダのアイデンティティは「スポーツ」。多くの名車を輩出したチャレンジ精神に脱帽!

The Sport-spirit of HONDA

ホンダ初の4輪乗用車はスポーツカーの「S500」だった!

初代Sシリーズはホンダ初の4輪乗用車として登場 S500の直4DOHCユニット(44ps)の精緻にメカニズムは世界が驚嘆した その後S600/S800(写真)に発展 S600以降はクーペもラインアップ
初代Sシリーズはホンダ初の4輪乗用車として登場 S500の直4DOHCユニット(44ps)の精緻にメカニズムは世界が驚嘆した その後S600/S800(写真)に発展 S600以降はクーペもラインアップ

 ホンダのスポーツカー「S」の始まりは1963年のS500。コンパクトなボディにレーシングマシン顔負けのメカニズムのDOHCエンジンを搭載したオープンスポーツは、S600(1964年)、S800(1966年)と進化。ホンダの名を世界に知らしめた。1st・Sシリーズは1970年に生産を終了する。

 第2の「S」は29年後の1999年に登場したS2000だ。F1エンジンに匹敵するピストンスピードを誇る高回転型2リッターエンジン、オープンモデルながらクローズドボディ並みの剛性を備えたハイXボーンフレームなど、こだわり設計が個性だった。しかし性能と注目度とは裏腹に販売はさほど振るわず、2009年にモデルライフを閉じる。

 その6年後の2015年、第3の「S」としてS660がデビューする。1996年に販売終了したビート以来となるMRレイアウト採用の軽マイクロスポーツである。メカニズムはほぼ専用アイテムで構成。デビュー当初は大きな話題となったが、こちらも販売は持続せず、2022年3月で生産終了と発表された。

S2000はかつての「Sシリーズ」の血統を継承 高回転型2リッター直4DOHC(250ps)と高剛性ハイXボーンフレームなどこだわりの技術を満載 2005年にはエンジンを2.2リッターに拡大 生産期間は1999〜2009年
S2000はかつての「Sシリーズ」の血統を継承 高回転型2リッター直4DOHC(250ps)と高剛性ハイXボーンフレームなどこだわりの技術を満載 2005年にはエンジンを2.2リッターに拡大 生産期間は1999〜2009年
2015年にデビューしたS660は軽規格のMRスーパーカー メカニズムはほぼ専用アイテムで構成 意のままのハンドリングと痛快なフィールを追求 残念ながら2022年3月で生産を終了
2015年にデビューしたS660は軽規格のMRスーパーカー メカニズムはほぼ専用アイテムで構成 意のままのハンドリングと痛快なフィールを追求 残念ながら2022年3月で生産を終了

スーパーカーを革新したNSXの価値

1st・NSXは1989年のシカゴ・ショーでプロトを公開し1990年に発売 ドライビングの容易さ/高い信頼性はその後のスーパースポーツに大きな影響を与えた ボディはオールアルミ製 駆動方式はMR
1st・NSXは1989年のシカゴ・ショーでプロトを公開し1990年に発売 ドライビングの容易さ/高い信頼性はその後のスーパースポーツに大きな影響を与えた ボディはオールアルミ製 駆動方式はMR

 もうひとつのスポーツカーの称号がNSXだ。その意味は「新しいスポーツカー体験」である。1990年に登場した1stモデルは「誰もが操れるスーパースポーツ」、2016年に登場した現行型は「スポーツカー×電動化」という新たな価値を提案。

 どちらも当初は、伝統的なスポーツカーとは異なるコンセプトに否定的な意見も多かった。だが、その先見性はその後のライバルの進化を見ると一目瞭然。残念なのは世の中のトレンドが到来する前に、本家の生産が終わってしまうことである。

2nd・NSXはスーパースポーツにハイブリッドの新概念をいち早く導入 3モーターSHーAWDシステムで自在な走りを実現 2022年12月に生産終了予定 写真は最終限定車のタイプS
2nd・NSXはスーパースポーツにハイブリッドの新概念をいち早く導入 3モーターSHーAWDシステムで自在な走りを実現 2022年12月に生産終了予定 写真は最終限定車のタイプS

赤バッジのタイプ Rは、新型シビックがスタンバイ!

ホンダのスポーツ称号「R」は「レーシング」を意味する 最新シビック・タイプRはプロトタイプを東京オートサロンで披露 新たなFFスポーツの代表として期待が高まる
ホンダのスポーツ称号「R」は「レーシング」を意味する 最新シビック・タイプRはプロトタイプを東京オートサロンで披露 新たなFFスポーツの代表として期待が高まる

 そして、もうひとつのスポーツカーが「R」だ。その意味は「レーシング」である。タイプRは厳密にいうとモデルではなくグレードを意味する。走りを研ぎ澄ませたNSX-R(1992年)を皮切りに、インテグラ(1995年)やシビック(1997年)に設定。現在はシビックのみの展開となる。シビック・タイプRは自然吸気ユニットを積む軽量FFハッチとしてスタート。ここ数世代でターボを装着したスーパーモデルに進化した。最新モデルはプロトタイプが、東京オートサロンでお披露目され正式発表待ちである。

 この先はどうなるのか? ホンダのスポーツカーへの徹底したこだわりは他社を大きく凌ぐ。ただし「一発屋」が多く、継続性に乏しいのが最大の難点だ。現在はシビック・タイプRが孤軍奮闘している。ホンダ・スポーツを待ちわびるファンは多い。次の世代に向けた新たな提案を期待する。

シビック・タイプRは自然吸気ユニットを積む軽量FFハッチとしてスタート ここ数世代はターボを装着したスーパーモデルに進化 6thモデルはニュル北コースや鈴鹿サーキットでFF最速を実証
シビック・タイプRは自然吸気ユニットを積む軽量FFハッチとしてスタート ここ数世代はターボを装着したスーパーモデルに進化 6thモデルはニュル北コースや鈴鹿サーキットでFF最速を実証
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