米国ホンダのプレミアムブランドであるアキュラは2022年3月11日(現地時間)、2023年モデルの新型インテグラを発表した。先行受注を同日より開始し、発売は今春を予定。グレード展開は標準仕様とAスペック、Aスペック・テクノロジーパッケージで構成し、車両価格は約3万ドル(約355万円)~に設定している。
約15年ぶりの復活となるインテグラは、11代目シビックと基本コンポーネントを共用したうえで、アキュラ・ブランドらしい洗練されたプレミアム感を内外装と走りで目いっぱいに表現する。
エクステリアはクーペのようなルーフラインと専用アレンジのハッチゲートを採用した5ドアハッチバック、アキュラの呼称では5ドアリフトバックのボディで基本スタイルを構成する。また、フロントビューは近年のアキュラのアイデンティティであるフレームレスのダイヤモンドペンタゴングリルに4つのジュエルアイLEDヘッドランプ、“シケイン”LEDデイタイムランプなどによって精悍なマスクを創出。一方、リアフェイシアはアップスイープしたスポイラー形状の後端やシングルピース構造のLEDコンビネーションランプ、デュアルエキゾーストを組み込んだディフューザーなどによって、印象的かつスポーティな後ろ姿を具現化した。左フロントランプ下と右リアランプ下にエンボス加工の“INTEGRA”ロゴを配して往年のインテグラをオマージュした点も、ファンにはたまらない演出だろう。足もとには、標準仕様に7J×17アロイホイール+215/50R17タイヤを、Aスペック系に8J×18アロイホイール+235/40R18タイヤを装着。オプションとして19インチアロイホイールも用意する。さらに、Aスペック系にはリップスポイラーやA-Specバッジなども組み込んだ。
内包するインテリアは、スポーティ&パーソナルをテーマに専用アレンジを施す。コクピットは低いカウルや細めのピラー、ドアマウントのエクステリアミラーなどによって、優れた視界を確保。エアダクトにはピアノブラックのトリムおよびダイヤモンドメッシュパターンのグリルを採用する。また、インパネには10.2インチのアキュラプレシジョンコクピットデジタルゲージクラスターを、センター部にはApple CarPlay/Android Auto対応の7インチデジタルタッチスクリーン(オプションで9インチを設定)を配備。さらに、8スピーカーのオーディオシステムを標準で、16スピーカーのELS STUDIO 3Dプレミアムオーディオシステムをオプションで設定した。Aスペックには、ステンレススチールペダルやレッドゲージ指針、コントラストステッチ入りステアリングホイール/シフト/シフトブーツなども組み込んでいる。
シートについては、運転席8ウェイパワー調整機構や前席ヒーター機構、後席6対4分割可倒機構を標準で装備。表皮は合成皮革で、エボニー、レッド、オーキッドなどのカラーが選択できる。また、テクノロジーパッケージには運転席12ウェイパワーシートとフロントシート用マイクロスエードインサートを採用した。
アルミ製ボンネットフードの下に収まるパワーユニットは、L15CA型1.5リットル直列4気筒DOHC16V・VTEC直噴ガソリンターボエンジンで、最高出力は200hp/6000rpm、最大トルクは192lb.ft(260Nm)/1800~5000rpmを発生。トランスミッションには専用セッティングのパドルシフト付CVTと6速MT(Aスペック系のみ)を設定し、CVT仕様にはIDS(3モード・インテグレーテッド・ダイナミックシステム。Comfort/Normal/Sportが選択可)を、MT仕様にはヘリカルLSDを組み込む。一方、足回りは前マクファーソンストラット式/後マルチリンク式を専用チューニングで採用し、テクノロジーパッケージにはADS(アダプティブ・ダンパーシステム)を装備した。
安全運転支援システムに関しては、広い視野と長距離に対応した最新のカメラシステムを組み込む「AcuraWatch(アキュラウオッチ)」を採用。機能としては、車両や歩行者、自転車を区別できる衝突軽減ブレーキシステム(CMBS)や交通標識認識(TSR)、交通渋滞アシスト(TJA、CVT仕様のみ)、進化したアダプティブクルーズコントロール(ACC)やレーンキーピングアシストシステム(LKAS)などを設定している。
なお、新型インテグラは米国オハイオ州のメアリーズビル工場において、アキュラTLXと同じラインで生産。インテグラのアメリカ生産は、歴代で初となる。日本への導入は、現在のところ未発表だ。