ベントレーが2024年4月に生産を終了する6リットルW12ツインターボエンジンを称えた特別仕様車の「スピードエディション12」を発表。車種はベンテイガ、フライングスパー、コンチネンタルGT、コンチネンタルGTCの4タイプを設定。販売台数はそれぞれ120台の限定
英国ベントレーは2023年5月9日(現地時間)、W12エンジンを搭載する特別仕様車の「スピードエディション12(Speed EDITION 12)」をベンテイガ、フライングスパー、コンチネンタルGT、コンチネンタルGTCの4車種に設定し、それぞれ120台の限定で生産すると発表した。
ベントレーは創業100周年を迎えたのを機に、“ビヨンド100(Beyond100)”戦略を展開すると2020年にアナウンス。そのなかで、パワートレインの完全電動化へと舵を切ることを表明している。そのため、フラッグシップユニットのW12エンジンの生産は2024年4月に終焉を迎えることとなった。また、W12エンジンの生産施設はプラグインハイブリッドモデルに使用する他のベントレーエンジンのための拡張ラインに移行する予定である。
6リットルの排気量を有するW12エンジンは、2003年にベントレーを代表するモデルの「コンチネンタルGT」に初めて搭載。以後、出力特性や排出ガス、洗練性の面など継続的に改良を施し、この20年間で出力は37%、トルクは54%向上し、また排気ガスは25%削減する。さらに、ベンテイガの発売に当たり2015年には再設計。気筒休止や直噴およびポート噴射、ツインスクロールターボを採用して、完成度を高めた。
今回発表されたスピードエディション12は、このW12エンジンの栄光を称えるメモリアルモデルとして設定される。搭載する5950cc・W型12気筒DOHC直噴ガソリンツインターボエンジンは、ベンテイガとフライングスパーが最高出力635ps/最大トルク900Nm、コンチネンタルGTとコンチネンタルGTCが最高出力659ps/最大トルク900Nmを発生。トランスミッションには8速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)を組み合わせている。
特別装備としては、W12エンジンのヘッドに“1 OF 120”シリアルナンバー入りエンジンプラークを配したほか、ベンテイガとフライングスパーはリアピラー部に“EDITION 12”バッジを、コンチネンタルGTとコンチネンタルGTCはフロントフェンダー後部に“Speed EDITION 12”バッジを装着。また、通常ではオプションで設定するブラックラインスペシフィケーションやブラック塗装22インチ“Speed”アロイホイール、シルバー塗装ブレーキキャリパーを標準で装備する。ボディカラーとして、新色のオパライト(Opalite)も選択可能とした。
インテリアについては、グランドブラックのインパネフェイシアに“Speed EDITION 12”ロゴとW12エンジンの点火順序(1-7-5-11-3-9-6-12-2-8-4-10)を刻印したことが目を惹く。さらに、“EDITION 12”入りのトレッドプレートやシート刺繍、カラーグラデーションのシートおよびドアトリムコントラストステッチなどを特別装備した。
なお、スピードエディション12の購入者には、W12エンジンのブロックを模した15%スケールモデル(ウイングドBエンブレムと“Speed EDITION 12”ロゴを刻印)が記念にプレゼントされるという。