米国トヨタがミッドサイズピックアップの新型タコマを発表。パワートレインに“i-FORCE MAX”と称する2.4Lハイブリッドシステムを新搭載。2024年モデルはTRD PRO/TRAILHUNTER/Limited/TRD SPORT/TRD Off-Road/TRD PreRunner/SR5/SRの8グレードを設定
トヨタ自動車の米国部門は2023年5月18日(現地時間)、ミッドサイズピックアップの新型タコマ(Tacoma)を発表した。ボディタイプは4ドア/5フィートベッドのダブルキャブと2ドア/6フィートベッドのエキストラキャブ(XtraCab)を用意。2024年モデルとして市場導入を開始し、グレードはTRD PRO/TRAILHUNTER(トレイルハンター)/Limited/TRD SPORT/TRD Off-Road/TRD PreRunner/SR5/SRの8タイプを設定する。
1995年のデビューを皮切りに、2004年に第2世代、2015年に第3世代へと切り替わり、北米のミッドサイズピックアップ市場において確固たる地位を築いてきたタコマ。今回発表された第4世代の新型は、トヨタのグローバルプラットフォームであるTNGA-Fをベースにハイテンスチール材やアルミニウム材を使用した新設計の高剛性ボディを組み合わせるボディ・オン・フレームを採用し、TRD PRO/TRAILHUNTER/Limited/TRD SPORT/TRD Off-Road/SR5ダブルキャブのリアサスにはマルチリンク式を配する。パワートレインには“i-FORCE MAX”と称するT24A-FTS型2.4リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン+モーター/ジェネレーター+ニッケル水素バッテリー(総電力量1.87kWh)+8速ATで構成したハイブリッドシステム(トータル最高出力326hp/最大トルク465lb-ft)と、“i-FORCE”T24A-FTS型2.4リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力278hp/最大トルク317lb-ft)+8速AT、“i-FORCE”T24A-FTS型2.4リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力270hp/最大トルク310lb-ft)+6速MT、SR専用ベーシックユニットの2.4リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジン(最高出力228hp/最大トルク243lb-ft)+8速ATを搭載。駆動機構には4WDと後輪駆動を設定する。制動機構には4輪ディスクブレーキを配し、合わせてパーキングブレーキを電動式に刷新。また、先進安全運転支援システムとして最新のToyota Safety Sense 3.0を全車に標準で装備した。
車両デザインは米国カリフォルニアに本拠を構えるCALTYデザインセンターが担当する。ピックアップのDNAを踏襲したうえでトヨタのバハレースマシンのバハトラックなどから着想を得たスタイリングは、冒険心を駆り立てるアグレッシブなスタイリングを創出。六角形をモチーフとしたフロントグリルや印象的な造形のLEDヘッドランプ&リアコンビネーションランプ、厚みを増したアンダーガード、抑揚のあるホイールアーチなど各部の凝ったデザインも目を惹く。グレードごとのキャラクターに合わせて、専用アレンジを随所に施したことも訴求点。関連アクセサリー製品プログラム(Associated Accessory Products program=AAP)を通じて、従来以上に追加のアクセサリーを装着できる点も新型の特徴である。
インテリアに関しては、タコマの伝統である上質さや実用性の高さをさらにレベルアップさせるとともに、最新テクノロジーを積極的に採用したことがトピック。具体的には、14インチまたは8インチのマルチメディアタッチスクリーンや12の異なるスタイルが選択できる12.3インチデジタルゲージクラスター、Qiワイヤレス充電パッド、USB-Cポート、スマートキーシステムなどを設定する。また、エキストラキャブには専用のリア収納スペースを設置した。
各グレードの特徴を紹介しよう。
まず、オフロードのレースマシンをイメージした“ダートデストロイヤー”を謳う新設定のTRD PROは、パワートレインに“i-FORCE MAX”を搭載したうえで、足もとには専用設計のTRDチューンド2.5インチFOXサスペンション(QS3内部バイパス)と18インチTRD PROアロイホイール+グッドイヤーTerritory R/Tタイヤを装備。また、外装にはテールゲート“TRD PRO”エンボス加工やヘリテージフロントグリル、リカバリーフック付ハイクリアランスフロントバンパー、ARB製スチールリアバンパーなどを、内装にはセグメント初のダンピングシステム付きISOダイナミックパフォーマンスシートなどを採用した。
次に、タフ&ラギッドを重視した“オーバーランディングアドベンチャー”と称するTRAILHUNTERは、パワートレインにハイマウントエアインテークを配した“i-FORCE MAX”を搭載するとともに、足もとには専用設計のOld Man Emu2.5インチサスペンションとグッドイヤーTerritory R/Tタイヤ、アンダーボディ保護のロックレールを装備。ベッドには高出力エアコンプレッサーも組み込む。また、外装にはハイクリアランスフロントバンパーやリカバリーフック付ARB製スチールリアバンパー、ARBモジュラースポーツバー、TRAILHUNTERバッジ、ブロンズ色アクセントなどを、内装には防水性と防塵性を備えたJBL FLEXポータブルスピーカーなどを配備した。
ラグジュアリー仕様のLimitedは、アダプティブバリアブルサスペンション(AVS)やクローム仕上げ18インチアロイホイール、パワーアップ&ダウンテールゲート、パワーランニングボード、クロームアクセントなどを標準装備。また、スポーツ志向のTRD SPORTは専用セッティングのTRDスポーツチューンドサスペンションやTRDメッシュグリル、フードスクープ、TRD18インチアロイホイールなどを標準装備し、オプションとして6速MTを設定する。そして、悪路での走破性を高めたTRD Off-Roadは、ビルシュタイン製モノチューブショックアブソーバーを配した専用サスペンションに、クロールコントロールおよびマルチテレインセレクト(MTS)を採用。オプションで6速MTの選択も可能とした。パワートレインはLimited/TRD SPORT/TRD Off-Roadともに“i-FORCE”を標準で、“i-FORCE MAX”をオプションで設定している。
一方、TRD PreRunnerはエキストラキャブのボディを採用したうえで、TRD17インチアロイホイール+BFグッドリッチ製オフロードタイヤや電子制御ロッキングリアディファレンシャルなどを標準装備。また、SR5はダブルキャブまたはエキストラキャブのボディタイプを設定し、足もとにはシルバーの17インチアロイホイールを装着する。パワートレインはTRD PreRunnerとSR5ともに“i-FORCE”を搭載した。そして、ベーシック仕様のSRはダブルキャブまたはエキストラキャブのボディタイプに、専用ベーシックユニットの2.4リットルガソリンターボエンジン+8速ATを標準で、“i-FORCE”+6速MTをオプションで採用している。