TOYOTA GAZOO Racingがル・マン24時間レース100周年大会Manufacturers' Villageにおいてル・マンへの感謝の意を込めたコンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」を世界初披露。WECの知見を活かした専用のエアロパーツやホイールを特別装備
TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は2023年6月6日、ル・マン24時間レース100周年大会Manufacturers' Villageにおいて、日本政府観光局(JNTO)やマツダと共に「Japan. Endless Discovery.」を開催。この場でル・マンへの感謝の意を込めたコンセプトカー「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition(プリウス 24h ル・マン センテニアル GRエディション)」を初公開した。
「Japan. Endless Discovery.」は、1991年のル・マン24時間レースにおいて日本車として初の総合優勝を果たしたマツダと、現在日本の自動車メーカーとして唯一ル・マンに参戦するTGRが、JNTOの呼びかけにより共同出展したもの。当展示では、日本の自動車メーカーがル・マンをはじめとするモータースポーツシーンで育ててきた技術を振り返りながら、カーボンニュートラル(CN)社会の実現に向け、電動化や水素エネルギー、CN燃料の活用など、選択肢を広げる挑戦について紹介する。また、ブース壁面には日本の象徴的な文化として人気の高い“MANGA”を通して、日本の風景、文化、そしてマツダとトヨタのル・マンでの歴史を伝える装飾を描出。MANGAはモータースポーツを舞台としたコミックの『capeta』で人気を博す漫画家の曽田正人氏が手がけた。
一方、ル・マン24時間レースを意味する24h Le Mansと、“100年の”を意味するCentennialを車名に冠して展示された「Prius 24h Le Mans Centennial GR Edition」は、5代目となる新型プリウスをベースに、TGRがWEC参戦の知見を活かして製作した専用のエアロパーツやホイールを特別装備したことが特徴である。
まずフロント部では、軽量化を追求したカーボンファイバー製ボンネットを採用したうえで、ハンマーヘッドモチーフを強調したグラフィックに仕上げる。また、ロア部の大型エアロパーツやコーナー部のカナードにより、ダウンフォースを増やしながら滑らかに空気をリアに誘導。さらに、ライティングとして夜間走行の視認性を向上させるマルチヘッドランプを配備した。
一方でサイドセクションでは、車高を30mm下げて低重心化を図るとともに、サイドスカートを装着して整流効果をアップ。ワイドトレッド化した足もとには、空力性能と冷却効果を高めた専用の軽量ホイールと、235/50R18サイズのミシュランPILOT SPORT Sタイヤを組み込んだ。
そしてリアビューでは、リアタイヤ後方にカナードを、リアエンド上部にカーボンファイバー製大型ウイングを、リアエンド下部にディフューザーを装備して空力性能を向上。また、ルーフ部に配したシャークフィンアンテナとリアウイング左右端には、レッドのアクセントを施した。
ボディサイズは2.0Lハイブリッドシステムを搭載する通常モデルのG・E-Four比で90mm長く、50mm幅広く、30mm低い全長4690×全幅1830×全高1400mm/最低地上高120mmに設定。2750mmのホイールベースは踏襲するが、トレッドは同比でフロントが40mm拡大の1600mm、リアが40mm拡大の1610mmとなっている。