レクサスNX450h+バージョンL 価格:THS 729万5000円
総合評価/82点
CDテストモード電費/7.0km/kWh
現行NXは、スタイリングこそキープコンセプトだが、中身はプラットフォームまで正真正銘の全面刷新である。
運転環境は良好だ。視界や表示系の視認性、スイッチ類の操作性など、気配りされている。インフォテインメント系も含め、新しくなりすぎて少々戸惑ってしまう部分もあるが、慣れればなんとかなる。機能は極めて充実している。
後席は、ずいぶん広くなったというのが第一印象。旧型では「後席スペースの関係でRXを選んだ」というユーザーも多かったと聞く。新型は、「これならRXでなくても大丈夫」というユーザーが増えるに違いない。
走りは好印象。レスポンスがよく力強い加速は、なかなかインパクトがある。同じPHEVシステムを搭載するRAV4と同様に、リニアに応答するので非常に扱いやすい。ドライバビリティの高さはHEVの450hをだいぶ凌ぐ。その強みを生かして、ACCの前車への追従がもう少し俊敏だとなおよかったことを、数少ない気になった点として挙げておく。EV航続距離は約90kmと十分なレベル。エンジンがかかったときも高い静粛性はキープされる。
すっきりとしたステアリングフィールも好印象。とくに戻す側の操作とクルマの動きがぴったりと一致している。無駄な動きが出にくく、修正をあまり必要としない。足回りの印象も上々だ。
GA-Kプラットフォームの改良版は剛性感が高い。サスペンションのストローク感もあり、挙動が把握しやすい点がいい。スポーティでありながら快適性にも優れる。
しなやかなバージョンLと、AVSが与えられたFスポーツでは味が異なるが、どちらもよくできている。
NXには、すでに一度マイナーチェンジを経験したかのような熟成感を感じた。それほど各部の完成度が高い。新型のよさは、旧型ではやや気になった後席の居住性や、硬さを感じた乗り心地の改善というわかりやすい要素のほか、言葉では表現しにくい「全体を通じてのまとまり」のよさにも表れている。プレミアムSUVらしく、丁寧に綿密に仕上げられたことが伝わってくる。とくにPHEVの450h+はそれが顕著。
グレード=450hバージョンL
価格=THS 729万5000円
全長×全幅×全高=4660×1865×1660mm
ホイールベース=2690mm
車重=2010kg
エンジン=2.5リッター直4DOHC16V
エンジン最高出力/トルク=136kW(185ps)/228Nm(23.2kgm)
モーター最高出力/トルク=フロント182ps/リア54ps/フロント270Nm/リア121Nm
WLTCモードEV走行換算距離=88km
WLTCモードHV燃費=19.8km/リッター
駆動方式=4WD