【新世代スポーツ研究】ノート・オーラNISMOはモータースポーツ経験が生きる電動スポーツ、ワクドキと先進のバランスが素晴らしい!

日産ノート・オーラNISMO 価格/298万1000円 試乗記

日産ノート・オーラNISMO。NISMOは標準ノート比20㎰/20Nmパワフルなモーターを積むオーラのファインチューン版。エクステリアはフォーミュラEの空力技術を導入

日産ノート・オーラNISMO。NISMOは標準ノート比20㎰/20Nmパワフルなモーターを積むオーラのファインチューン版。エクステリアはフォーミュラEの空力技術を導入

加速の伸びとシャープなレスポンスを徹底追求。楽しさ異次元

 ノート・オーラNISMOの開発コンセプトは「大人の琴線に触れるスポーツモデル」だ。
 エクステリアはモータースポーツで培ったエアロダイナミクスをフィードバック。新たにフォーミュラEをインスパイアした造形により、スポーティさと洗練を融合している。室内はスポーツモデルの定番となるレッド&ブラックのコーディネート。大人も納得のハイセンスな仕上がりだ。オプションで専用レカロシートを用意している。

 パワートレインは「加速の伸び」と「レスポンス」を重視。136㎰/300Nmというスペックこそ標準のオーラと共通だが制御系のチューニング(VCM)でスポーツモデルらしさを表現した。

ニスモ リア

 その違いはアクセルを踏んだ瞬間から明確。標準仕様のオーラは、出力アップ分(+20㎰/+20Nm)を“ゆとりの走り”に活用しているが、NISMOは間違いなく“パフォーマンス”に使っている。わかりやすくいえば、スタンダードのオーラはトルク感を、NISMOはパワー感を重視した制御である。

 ドライブモードは“ノーマルとニスモ”が専用セッティング。ノーマルモードでもアクセル操作に対する応答性の鋭さと伸びのある加速感が印象的。思わず“おーっ、速い”と声を上げるレベルだ。ニスモモードは日常域だと“ちょっと鋭すぎる!?”と感じるレベル。速度域が高いクローズドコースがピッタリな、確信犯的な設定になっている。

ニスモ インパネ

 フットワーク系の変更はどうか? 車体補強は必要最小限だが、シャシー側は、スポーツサスペンション(20㎜ローダウン、リアモノチューブ式ダンパー)、専用EPS&シャシー制御、ミシュラン・パイロットスポーツ4(205/50R17)+専用アルミなど多岐にわたる。

 ハンドリングは“痛快なのに冷静”。ノーマルよりも姿勢変化を抑えたセッティングで、リアの接地感の高さから来る安心感とフロントのノーズの入りのバランスが絶妙だ。車重はノーマルとほぼ同等ながら、コーナリング時は“バッテリー外したのか?”と錯覚するくらいの軽快なクルマの動きが味わえる。しかもワイドトレッド化されたかのような安定感がうれしい。標準シートでは引き上げられた限界Gに耐えられない。OPのレカロはぜひとも装着したいアイテムだ。

シート01

シート02

 快適性も上々。“角が取れた優しい硬さ”と表現するのが適当な、バネ下のスッキリ感と、空気の力(=エアロ)で車体の動きを抑えたフラット感が好印象。スポーツモデルとして見ると“乗り心地、いいね!!”といえる味付け。ファミリーカーとして使っても問題ない。

 オーラNISMOは、ワクドキを感じる“ホットハッチ”と、先進性を感じる“クールハッチ”が同居している。一粒で二度おいしいスポーツモデルだ。
 プロパイロットをはじめとするアイテムをプラスにするとそれなりの価格だが、それでも“指名買い”したくなる魅力を備えている。

日産ノート・オーラ主要諸元

グレード=ニスモ
価格=298万1000円
全長×全幅×全高=4125×1735×1505mm
ホイールベース=2580mm
トレッド=フロント:1510/リア:1510mm
車重=1270kg
エンジン=1198cc直3DOHC12V(レギュラー仕様)
最高出力=60kW(82ps)/6000rpm
最大トルク=103Nm(10.5kgm)/4800rpm
モーター=交流同期電動機(EM47型)
モーター最高出力=100kW(136ps)/3183〜8500rpm
モーター最大トルク=300Nm(30.6kgm)/0〜3183rpm
WLTCモード燃費=23.3km/リッター(燃料タンク容量36リッター)
(市街地/郊外/高速道路:22.5/25.3/22.4km/リッター)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ=フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ドラム
タイヤ&ホイール=205/50ZR17+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m

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