令和の名車:レクサスLC500Sパッケージ
レクサスLC500Sパッケージ 価格:10SAT 1402万2000円 LCのルーツは2012年のデトロイト・ショーで披露されたコンセプトカー「LFーLC」市販モデルは2017年デビュー 飛び抜けた美しさで世界をリード 低重心設計により走りも高水準
世界に衝撃を与えたプロト・デビュー
レクサスLCのコンセプトモデルLF―LCが初披露されたのは、2012年1月のデトロイト・ショーだった。
ひと目で、美しさとエレガンスと斬新性を兼ね備えた姿に引きつけられた。デトロイトを訪れていた内外メディアの反応もすごく、プレスカンファレンスは立錐の余地もないほどだった。
強い個性の打ち出しに悩んでいたレクサスが、「プレミアムブランドとして新たなスタートを切る」にあたって、これほどマトを射たモデルはない。ボクにはそう思えた。デトロイト後、レクサスの幹部に、そんなボクの思いを精いっぱい伝えた。そして17年春、レクサスLCはデビューした。
ボクはさっそく借り出し、あちこちを走り回った。予想どおり多くの視線を集めた。うれしいと同時に照れくさくもあったが、日本車に乗っていてこれほどの視線を浴びた経験は久しくなかった。クルマに詳しくないユーザーは、輸入車と見間違える場合が多かった。
LCのコクピットはタフなスポーツ方向のデザインではない。エレガントなラグジュアリー方向のデザインでまとめられている。
詳細に観察すると、細部のデザイン的調和や質感、精度感など今後に課題を残している点は少なからずある。これらは、19年秋と思われるマイナーチェンジで解消されるに違いない。大幅な改善が図られるだろう。
LCは5リッターV8(477㎰)を積む500と3.5リッターV6(299㎰)+モーター(180㎰)のハイブリッド仕様500hの2シリーズ構成
魅力鮮烈。今後ますます存在感が増す予感
ラインアップは、5リッターV8のLC500と、3.5リッターV6とハイブリッドシステムを組み合わせたLC500hがある。
動力性能は必要にして十分なレベルを確保している。しかし世界の頂点に立つラグジュアリースポーツとして見ると、過剰性という点で物足りない。
ラグジュアリークラスの商品は、クルマに限らず、いかに贅沢であるか、どれほどの過剰さを持っているかを競い合う側面がある。リッチなユーザーの目もそこに向く。
そんな方向から見ると、現在のLCはまだ物足りないと感じる。
今年秋に予想されているマイナーチェンジで、過給化された高出力エンジンの搭載、カーボンパネル採用による大幅な軽量化、内外装のアップグレードがなされるだろう。ラグジュアリー度は一気にアップする可能性が高い。
今年のデトロイト・モーターショーに展示された"コンバーチブル・コンセプト"の正式デビューも遠くないだろう。コンバーチブルが加われば、レクサスLCのブランドイメージは、また大きくジャンプアップする。
近未来の飛躍への期待も込めて、レクサスLCの魅力度に、ボクは高い点数をつけたい。
室内はドライバー側と助手席側を分割した造形 ステアリング周辺に走りに直結するコントロール系統を集約 ステアリングは365㎜径
500Sのシートはセミアニリン本革 サポート性を高めたスポーツ形状 後席は+2
寸法・重量:全長×全幅×全高4770×1920×1345㎜ ホイールベース2870㎜ 車重1960㎏ エンジン:4968㏄・ V8DOHC32V 477㎰/7100rpm 540Nm/4800rpm JC08モード燃費:7.8㎞/リッター サスペンション:前後マルチリンク 駆動方式:FR 乗車定員:4名
※2017年3月デビュー/2018年8月一部改良(スペックは2019年5月現在)