【最新モデル試乗】すべてが最新設計。マセラティ・グレカーレはGTカーの進化形である!

マセラティ・グレカーレGT。グレカーレは新世代マセラティを代表するブランニューSUV。現在のラインアップはGT/モデナ/トロフェオの3グレード。近い将来BEVのフォルゴーレが加わる。マセラティは1914年に創立。数多くのGTスポーツを輩出する名門

マセラティ・グレカーレGT。グレカーレは新世代マセラティを代表するブランニューSUV。現在のラインアップはGT/モデナ/トロフェオの3グレード。近い将来BEVのフォルゴーレが加わる。マセラティは1914年に創立。数多くのGTスポーツを輩出する名門

グレカーレは新世代マセラティの中心

 グレカーレはレヴァンテに続くマセラティSUVの第2弾。そのコンセプトは「レヴァンテが売れたから、もう少しコンパクトなSUVを出して二匹目のドジョウを狙え!」という単純なものではない。「新世代マセラティの礎を築く」という重要な使命が与えられている。

真正面

リア

 MC20を発売して以降のマセラティは、クルマのクォリティや走りの完成度が格段に向上。そして電動化も積極的に推し進めるなど、これまでにない取り組みを見せている。それもこれもラグジュアリーブランドとしてのポジションをより強固にするための活動といって間違いない。この戦略は、フィアット・クライスラー時代のセルジオ・マルキオンネCEO(当時)が提案したもので、ステランティスに編入された現在もこの考え方が継承されている。

 新世代マセラティの各モデルは、開発にこれまでを大きく上回る予算が投じられているほか、フォルゴーレと呼ばれるフルEV(BEV)が用意されている点に特徴がある。
 グレカーレの場合も、アルファロメオ・ステルヴィオ/ジュリアのために開発したジョルジョ・プラットフォームをベースに、これをマセラティ用に大幅にモディファイ。GTとモデナと呼ばれるグレードには4気筒エンジンにターボチャージャー/電気式スーパーチャージャー/マイルドハイブリッドなどを組み合わせて搭載したほか、トップグレードのトロフェオにはMC20と基本を同じくする革新的なネットゥーノ3リッター・V6エンジンを採用。0→100km/h加速3.8秒という驚異的なパフォーマンスを実現している。

走り

インパネ

 話題満載のグレカーレ、今回試乗したのはエントリーグレードのGTである。パワーユニットは前述のとおり2リッター4気筒(300ps/450Nm)だ。電気式スーパーチャージャーの効果はてきめんで、スロットルペダルを深く踏み込めば、それこそ弾き出されるようにして加速していく。ただし、そーっと踏めばスムーズに走り出してくれるので、心配は無用。スロットルペダルの踏み加減ひとつで緩急を自在にコントロールできるドライバビリティの高さこそが、グレカーレGTの特徴のひとつである。

 乗り心地は決して硬すぎないのに、ハンドリングは正確でレスポンスに優れている。この点はマセラティの伝統を受け継いだ結果だ。グレカーレは、このクラスを代表するポルシェ・マカンの対抗馬を狙って生み出されたが、マカンが主に高速域でのスタビリティを重視しているのに対して、グレカーレは得意とする車速がマカンより低いようだ。日本のワインディングロードや市街地でも実力を発揮できる点は大きな魅力になる。

 インテリアは質感が高くてすっきりとしているのに、イタリアン・ブランドらしくどこか色気が漂う。もっとも、グレカーレはそうしたイタリア色に頼るだけでなく、走りの面でもドイツのライバルに負けない実力を備えている。まさに新世代のGTと名乗るにふさわしい完成度の持ち主である。

マセラティ・グレカーレ主要諸元

グレード=グレカーレGT
価格=8SAT 922万円
全長×全幅×全高=4846×1948×1670mm
ホイールベース=2901mm
車重=1870kg
エンジン=2リッター直4DOHC16Vターボ&スーパーチャージャー
エンジン最高出力=220kW(300ps)/5750rpm
エンジン最大トルク=450Nm(45.9kgm)/2000〜4000rpm
モーター最高出力=13.6kW(10ps)
モーター最大トルク=54Nm(5.5kgm)
サスペンション=フロント:ダブルウィッシュボーン/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ=235/55R19
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=未公表
※スペックは欧州仕様

エンブレム

 

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