ランボルギーニの電動GTカーのコンセプトモデル「ランザドール」が初公開

ランボルギーニがピュアEVの新世代GTカーとなる「ランザドール」のコンセプトモデルを発表。前後アクスルに搭載した高性能の電気モーターはシステム総出力1メガワット(約1360hp)超を発生。市販モデルの登場は2028年を予定

 伊アウトモビリ・ランボルギーニは2023年8月18日(現地時間)、ピュアEVの新世代GTカーとなる「ランザドール(Lanzador)」のコンセプトモデルを発表し、米国カリフォルニア州ぺブルビーチで開催されたモントレー・カー・ウィーク2023において世界初公開した。

▲ランボルギーニがピュアEVの新世代GTカーとなる「ランザドール」のコンセプトモデルを米国カリフォルニア州ぺブルビーチで開催されたモントレー・カー・ウィーク2023にて発表

▲ランボルギーニがピュアEVの新世代GTカーとなる「ランザドール」のコンセプトモデルを米国カリフォルニア州ぺブルビーチで開催されたモントレー・カー・ウィーク2023にて発表

 

 今回公開されたランザドールは、ランボルギーニが2021年に発表した、持続可能性への道程を示した「Direzione Cor Tauri(コル・タウリに向かって)」戦略の一環として開発されたコンセプトモデルで、“グランツーリスモ2+2”の創出をテーマに、ランボルギーニのDNAである妥協なきカリスマ性とスポーツ性を受け継ぎつつ、迎合しない未来志向の内外装デザインや、最新テクノロジーを駆使した電動パワートレインとドライビングダイナミクスなどを採用。ランボルギーニのステファン・ヴィンケルマン会長兼CEOは、「ランザドールの発表によって、ランボルギーニは“ウルトラGT”という新たなカーセグメントを開拓した」とコメントする。

▲ランザドールのコンセプトモデルは“グランツーリスモ2+2”の創出をテーマに、ランボルギーニのDNAである妥協なきカリスマ性とスポーツ性を受け継ぎつつ、未来志向の内外装デザインや、最新テクノロジーを駆使した電動パワートレインとドライビングダイナミクスなどを採用する

▲ランザドールのコンセプトモデルは“グランツーリスモ2+2”の創出をテーマに、ランボルギーニのDNAである妥協なきカリスマ性とスポーツ性を受け継ぎつつ、未来志向の内外装デザインや、最新テクノロジーを駆使した電動パワートレインとドライビングダイナミクスなどを採用する

 

 まずデザイン面では、宇宙船から着想を得た、先見性のあるアプローチへと転換する。エクステリアはランボルギーニのDNAであるアイコニックなシングルラインシルエットを踏襲しつつ、約1.5mのボディ高および高めの最低地上高を確保するなど大胆かつ意外性のあるスタイリングを創出。トップ部には大型のガラスルーフとテールゲートを配備する。細部のアレンジにもこだわり、スリムな造形のLEDヘッドライトや六角形の3連LEDテールライト、新造形のアロイホイールなどを組み込んだ。

▲エクステリアはランボルギーニのDNAであるアイコニックなシングルラインシルエットを踏襲しつつ、約1.5mのボディ高および高めの最低地上高を確保するなど大胆かつ意外性のあるスタイリングを実現

▲エクステリアはランボルギーニのDNAであるアイコニックなシングルラインシルエットを踏襲しつつ、約1.5mのボディ高および高めの最低地上高を確保するなど大胆かつ意外性のあるスタイリングを実現

▲トップ部には大型のガラスルーフとテールゲートを配備

▲トップ部には大型のガラスルーフとテールゲートを配備

 

 新設計のアクティブエアロダイナミクスを採用したこともトピック。ウラカン・ペルフォルマンテやアヴェンタドールSVJに装備するALA (Aerodinamica Lamborghini Attiva) システムを組み込んだうえで、フロントとリアに新型のアクティブエアロデバイスを導入。フロントにはエアシャッターと可動式スプリッターを配し、展開するとブレーキの冷却ダクトと冷却羽根が開き、最高のパフォーマンスを発揮する。また、前方のダクトはホイールハウスの換気とエアカーテン用の隠しルーバーとともに、モード設定に応じてダウンフォースを増大。さらに、アーバン・モードでは航続距離が伸び、パフォーマンス・モードでは空力負荷が改善される。合わせて23インチのホイール上には六角形とエアロブレードを組み合わせたデザインを施し、ホイールの揺れを最小限に抑制した。ほかにも、新造形のサイドアンダースポイラーやリアディフューザーなどを装着して、整流効果を大幅に高めている。

▲新設計のアクティブエアロダイナミクスを採用。既存のALA (Aerodinamica Lamborghini Attiva) システムを装備したうえで、フロントとリアに新型のアクティブエアロデバイスを配備する

▲新設計のアクティブエアロダイナミクスを採用。既存のALA (Aerodinamica Lamborghini Attiva) システムを装備したうえで、フロントとリアに新型のアクティブエアロデバイスを配備する

 

 インテリアについては室内レイアウトを2+2で構成したうえで、“feel like a pilot(パイロットのような気分)”でアプローチしたキャビン空間を具現化する。人間工学に基づいて設計したコクピットには、軽くてスリムなダッシュボードと先進的なディスプレイおよび操作パネルを配備。大型のY字でデザインしたセンターコンソールブリッジや、レッドのカバーを開いて操作するSTART/STOPスイッチなどのアレンジも印象的だ。また、新造形のスポーツステアリングには制御システムを調整することが可能な操作スイッチを配備。助手席前には様々な機能を有するディスプレイを設定する。さらに、ジェット機のように低い位置に設けたシートには乗員をしっかりとサポートするスポーツタイプを装着し、発砲フォームなどの隠れたプラスチック要素の一部には3Dプリントされたリサイクル繊維を採用した。一方で積載性も重視し、リアには可変式のラゲッジルームを設けたうえで大型のガラス製テールゲートを配備。フロントのボンネット下にも有効なトランクスペースを設置する。メリノウールや再生カーボン、再生ナイロン、リサイクルプラスチック、特別ななめしで仕立てられたサステナブルレザーなど、環境に配慮した素材を積極的に導入したことも、インテリアのアピールポイントである。

▲インテリアは2+2の室内レイアウトで構成したうえで、“feel like a pilot”でアプローチしたキャビン空間を演出。人間工学に基づいて設計したコクピットには軽くてスリムなダッシュボードと先進的なディスプレイおよび操作パネルを配備する

▲インテリアは2+2の室内レイアウトで構成したうえで、“feel like a pilot”でアプローチしたキャビン空間を演出。人間工学に基づいて設計したコクピットには軽くてスリムなダッシュボードと先進的なディスプレイおよび操作パネルを配備する

▲新造形のスポーツステアリングには制御システムを調整することが可能な操作スイッチを組み込む

▲新造形のスポーツステアリングには制御システムを調整することが可能な操作スイッチを組み込む

▲ジェット機のように低い位置に設けたシートには乗員をしっかりとサポートするスポーツタイプを装着。発砲フォームなどの隠れたプラスチック要素の一部には3Dプリントされたリサイクル繊維を採用する

▲ジェット機のように低い位置に設けたシートには乗員をしっかりとサポートするスポーツタイプを装着。発砲フォームなどの隠れたプラスチック要素の一部には3Dプリントされたリサイクル繊維を採用する

▲リアには可変式のラゲッジルームを設けたうえで大型のガラス製テールゲートを配備して積載性を高める

▲リアには可変式のラゲッジルームを設けたうえで大型のガラス製テールゲートを配備して積載性を高める

▲フロントのボンネット下に有効なトランクスペースを設置

▲フロントのボンネット下に有効なトランクスペースを設置

 

 パワートレインに関しては、前後アクスルに1基ずつ、計2基の電気モーターを搭載して4輪駆動を構成。システム総出力は1メガワット(約1360hp)超を発生する。また、走行状況に応じてアクティブe-トルクベクタリングがリアアクスルの左右輪を最適に制御し、スムーズかつ安定したコーナリング性能を実現。さらに、新世代の高性能バッテリーを採用して、航続距離の最大化を図った。

 先進の制御機構を精力的に組み込んだことも見逃せない。前述のアクティブエアロダイナミクスのほか、新バージョンのドライビングダイナミクスコントロールであるLDVI(Lamborghini Integrated Vehicle Dynamics)や、可変型のリアアクスルステアリング、専用設定のエアサスペンション、個々のホイールでパワーとフォースを細かく調整するホイールスピードコントロールなどを採用し、従来の内燃機関車からさらにレベルアップしたドライビングプレジャーとパフォーマンスを実現している。

▲前後アクスルに1基ずつ、計2基の電気モーターを搭載して4輪駆動を構成。システム総出力は1メガワット(約1360hp)超を発生する

▲前後アクスルに1基ずつ、計2基の電気モーターを搭載して4輪駆動を構成。システム総出力は1メガワット(約1360hp)超を発生する

 

 なお、市販モデルのランザドールの登場は2028年を予定している。

▲市販モデルのランザドールの登場は2028年を予定

▲市販モデルのランザドールの登場は2028年を予定

 

Follow