伝統の“GTI”は電気自動車時代においても健在! フォルクスワーゲンがドイツで開催されたIAAモビリティ2023で将来のホットハッチの可能性を探るピュアEVの「ID.GTIコンセプト」を初披露。市販モデルの発売は2027年初頭を予定
独フォルクスワーゲンは2023年9月5日(現地時間)、ドイツのミュンヘンで開催されたIAAモビリティ2023において、電気自動車の「ID.GTIコンセプト」を初公開した。
フォルクスワーゲンの電気自動車であるID.シリーズのスポーツモデルに位置する「ID.GTIコンセプト」は、2026年に2万5000ユーロ未満で発売予定の電気自動車「ID.2all(アイディ. 2オール)」に採用するMEB(Modularer E-Antriebs Baukasten)プラットフォームをベースに、既存のゴルフGTIをモチーフとしたスタイリングを新しいデザイン言語で採用したことが特徴である。なお車名のGTIの“I”は、内燃機関時代はインジェクション(Injection)を意味していたが、電動パワートレイン時代は高性能なドライブトレインと先進のシャシーを有するインテリジェンス(Intelligence)を表しているという。
基本フォルムは台形スタイルのハッチバックボディで構成。太いCピラーや短いオーバーハング、力強い前後フェンダー造形、ハニカム構造のフロントバンパーインテーク、ルーフ後端の大型リアスポイラー、そしてレッドのラインおよびGTIエンブレムなどは、歴代GTIのイメージを踏襲する。一方、シャープな造形のLEDマトリックスヘッドライト“IQ.LIGHT”や縦型のLEDデイタイムランニングライト、閉じたフロントグリル、スクエアな4灯式としたLEDリアコンビネーションランプ、斜線を配したブラックのGTIグラフィック、ブラック基調のフロントスポイラー/リアディフューザー/サイドエアカーテンなどを配して、先進性とスポーティさを強調した。足もとには専用デザインの20インチアロイホイールと245/35R20タイヤを装着。ボディサイズは全長4104×全幅1838×全高1499mm/ホイールベース2600mmに設定している。
内包するインテリアは、伝統のGTIのスポーティなデザインを踏まえたうえで、先進のデジタルコクピットと乗車定員5名のキャビン空間を創出したことが訴求点である。伝統デザインとしては、3本スポークのステアリングホイール(上下を水平基調に刷新)やチェック柄のシート表皮、シフトノブに代わってゴルフボール型の造形としたGTIエクスペリエンスコントロールなどが目を惹く。また、10.9インチのデジタルドライバーディスプレイには初代ゴルフGTIのメーターレイアウトをモチーフとするヴィンテージモードを設定した。一方、様々な情報を提供するインフォテインメントシステムには12.9インチのタッチディスプレイを装備。インテリジェントなIDAボイスアシスタントなども組み込む。ラゲッジルームについては、後席使用時で489リットル、後席シートバック可倒時で最大1330リットルの容量を確保。後席下には充電ケーブルなどが収まる容量50リットルの収納スペースも設けている。
電動パワートレインに関しては、高出力化を図ったフロントモーターおよび駆動用バッテリーを搭載して前輪を駆動。また、統合制御システムのビークルダイナミクスマネージャーを採用し、歴代ゴルフGTIの特徴的な走りが体験できる機構を設定した。
なお、フォルクスワーゲンは2027年までに11車種の新しい電気自動車をリリースする予定だが、ID.GTIの市販化も予告。2026年に概要を発表し、2027年初頭の発売を計画しているという。