【注目モデル解説】e:HEVシステムで2024年に発売。11代目アコードはクーペ感覚の大人のスポーティカーである

アコードはホンダを代表する世界戦略モデル。初代は1976年に誕生。累計販売台数は2000万台を突破。新型は端正なラインが織りなすスポーティな造形が魅力。日本仕様のサイズは未発表。米国仕様は全長×全幅×全高4971×1862×1450mm。クラウン・クロスオーバー(同4930×1840×1540mm)と比較し全長と全幅はやや大きく、全高が低いプロポーション

アコードはホンダを代表する世界戦略モデル。初代は1976年に誕生。累計販売台数は2000万台を突破。新型は端正なラインが織りなすスポーティな造形が魅力。日本仕様のサイズは未発表。米国仕様は全長×全幅×全高4971×1862×1450mm。クラウン・クロスオーバー(同4930×1840×1540mm)と比較し全長と全幅はやや大きく、全高が低いプロポーション

ホンダの大黒柱が大変身。新型はフレッシュな魅力満載

 11代目のアコードがWebで先行公開された。新型の発売は2024年春。2023年12月には先行予約がスタートする。
 アコードは1976年にシビックの兄貴分として誕生した。初代から世界戦略車としての役目を担い、2代目は日本車で初めてアメリカで現地生産を行ったモデルとしても有名だ。累計販売台数は2000万台を超える。実績からも理解できるように「ホンダの大黒柱」の1台である。

 アコードは、歴代どれもが高い実力の持ち主。とはいえ、どこか「地味」で、「コンサバ」な印象があったのも事実。とくに直近の10年は、影が薄く、販売台数が伸びなかった。アコードは主力市場の北米/中国市場では好調だが、日本市場では少数派に甘んじていた。

 そんな中で登場した11代目はセダンスタイルを継承しつつも、より若い世代やセダン離れしてしまったユーザーに振り向いてもらうために、さまざまな改革が行なわれた。なお、11代目はすでにメインマーケットの北米や中国、アジア地域では発表済み。日本は遅れての発売になる。実際に実車を見て・触れてきたので報告しよう。

スポーティで美しいクーペフォルム。パワートレーンはe:HEVハイブリッドを搭載

 エクステリアは一見、クーペ風。先代から採用した4ドア・ファストバックをより強調したデザインを採用。旧型よりもエモーショナルな印象だ。ホンダ純正アクセサリーのエアロパーツを装着すると、一段とスポーティで、より踏ん張りのあるスタイルになる。ボディカラーは全5色をラインアップ。

並びインパネ インテリアは水平基調。インパネデザインはシビックの進化形という印象だ。メーターはフル液晶で、左がパワーメーター、センターに各種情報、右にスピードメーターをレイアウト。各種表示モードが選択でき、メーター全体にも地図表示ができる。センターモニターは画面サイズを拡大。ここにナビゲーションやオーディオをはじめ、空調関係のコントロールを集約している。その結果、物理的なスイッチは最小限となっている。ナビゲーションはGoogleをビルトイン。「OK Google」と呼びかけると、ナビゲーションやオーディオはもちろん、車両側の様々な機能も音声コントロール可能だ。

 特徴は、インパネセンターに時計兼用の「エクスペリエンスセレクションダイヤル」をレイアウトした点。これは簡単操作でエアコンモードとパーソナルモード(エアコン/オーディオ/照明)の切り替えができるシステム。先進性と利便性を両立させた新たな操作系の提案だ。室内のアンビエントライトは上質なムードを演出するだけでなく、各種操作のフィードバックも兼ねた機能部品の側面も持つ。

 作りもいい。ソフトマテリアル、こだわりの縫製仕上げ、ピアノブラック&微細立体柄金属調加飾などと相まって、クリーン&ノイズレスの質の高いインテリアに仕上げている。

ホンダアクセスドア開け 現時点でボディサイズや室内寸法は非公開。すでに発表されている北米仕様の全長×全幅×全高は4971×1861×1450mm。日本仕様もほぼ同等だろう。室内はルーミー。先代もリアシート回りの足元や膝まわりのスペースはクラストップだった。新型はスッキリとした室内造形と視界の良さもあり、「広さ感」が増している。

 メカニズムは、パワートレーンが先代と同様にe:HEVという以外は未公表。心臓部は2リッター直噴アトキンソンサイクルエンジン+2モーター内蔵電気式CVTの組み合わせだ。要するにシビック/ZR-Vと同じシステム構成になる。ただし2モーター内蔵電気式CVTは並行軸モーター(ギア比の自由度が高い)&高出力化されたアコード専用品。常用域は電動車感アップ、加速時/高速域はガソリン車と錯覚するフィーリングを備えているに違いない。

 シフトボタンの下にこれまで見慣れなかった「e」のロゴが付いたボタンを発見。押してみるとメーター表示がAUTO、EVと切り替わることを確認した。

エンジンシート フットワーク系は、先代のアップデート版だと予測する。サスペンションはアダプティブダンパー仕様。タイヤはミシュランの最新タイヤ、eプライマシーの18インチを履いていた。走行性能のほうも大いに期待できそうだ。

 新型は、運転支援システムの充実も話題のひとつ。自動運転レベル3を実現したホンダセンシングエリートの知見・ノウハウをフィードバックさせた最新版、ホンダセンシング360を採用。約100度の有効水平画角を持つフロントカメラに加えて、フロントレーダー&ミリ波レーダー×5基により、360度センシングを可能にしている。

 新型は、すべてが確実に進化した新型セダン。成功のポイントは、ホンダがその魅力を「分かりやすく」、そして「正しく」伝えられるかどうかにかかっているように思う。
 セダンは、スポーティで端正。しかも幅広いシーンで使えるマルチなキャラクターな持ち主。そのよさをどのようにアピールするのかが復権のカギだろう。

ホンダ・アコード主要諸元

エンブレムグレード=アコード
全長×全幅×全高=4971×1862×1450mm
ホイールベース=2830mm
トレッド=フロント1600/リア1621mm
車重=未公表
パワートレーン=2リッター直4エンジン+モーター(e:HEV)
サスペンション=フロント・ストラット/リア・マルチリンク
ブレーキ=フロント・ベンチレーテッドディスク/リア・ディスク
タイヤ&ホイール=235/45R18(ミシュラン)+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.9m
※ボディサイズなどの数値はアメリカ仕様・参考値

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