「新しいカタチのスポーツSUV」を謳う新型トヨタ・クラウン・スポーツが市場デビュー

トヨタが新型クラウンシリーズの第2弾となる「クラウン・スポーツ」の注文受付を開始。グレードは2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムを搭載するスポーツZのみの設定で、車両価格は590万円。発売は本年11月ごろを予定

 トヨタ自動車は2023年10月6日、新型クラウンの第2弾となる「クラウン・スポーツ」の注文受付を開始し、本年11月ごろに発売予定と発表した。グレードは2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムを搭載するスポーツZ(SPORT Z)のみの展開で、車両価格は590万円に設定する。

▲トヨタ・クラウン・スポーツZ 価格:590万円 全長4720×全幅1880×全高1565mm ホイールベース2770mm 車重1810kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費21.3km/リットル 写真のボディカラーはエモーショナルレッドⅢ

▲トヨタ・クラウン・スポーツZ 価格:590万円 全長4720×全幅1880×全高1565mm ホイールベース2770mm 車重1810kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費21.3km/リットル 写真のボディカラーはエモーショナルレッドⅢ

 

 2022年7月に市場デビューを果たしたクロスオーバーSUVのクラウン・クロスオーバーに続く、16代目クラウンシリーズの第2弾となるクラウン・スポーツは、エモーショナルで創造的な“美しいデザイン”を有し、乗り降りや運転のしやすいパッケージとともに俊敏でスポーティな走りが楽しめる「新しいカタチのスポーツSUV」として企画される。

▲新時代クラウンのデザイン思想である「シンプル」を基盤に、エモーショナルなエッセンスをプラスして、見る者を惹きつける“美しさ”と走りの期待を高める新しいカタチを創出

▲新時代クラウンのデザイン思想である「シンプル」を基盤に、エモーショナルなエッセンスをプラスして、見る者を惹きつける“美しさ”と走りの期待を高める新しいカタチを創出

 

 まずエクステリアは、新時代クラウンのデザイン思想である「シンプル」を基盤に、エモーショナルなエッセンスをプラスして、見る者を惹きつける“美しさ”と走りの期待を高める新しいカタチを創出する。各部のデザインにも徹底してこだわり、クロスオーバーから進化させたハンマーヘッドフェイスは、レンズ幅を薄くしたデイランプを黒色部内に集約し、よりシャープで精悍な表情を実現。また、ワイドに構える表情がいっそうスポーティな雰囲気を醸し出す。一方でサイドビューは、Dピラーからリアタイヤにかけたフェンダー部を大きく張り出させ、ダイナミックで低重心な印象を高めるとともに、外径の大きいシューズ(グロスブラック塗装8.5J×21アルミホイール&センターオーナメント+235/45R21タイヤ)が存在感を際立たせ、スタンスの良さにも寄与。そしてリアセクションは、スポーティで低重心感のあるフォルムに精悍な4眼LEDランプを配して、高性能な走りを予感させる後ろ姿に仕立てる。装備面では、シルバー(オプションでブラックも選択可)のドアウインドウフレームモールディング(SUS)やピアノブラックのホイールアーチモールディングとロッカー&ドア下モールディング、材着ピアノブラックのリアバンパーなどを標準で採用した。ボディサイズは既存のクロスオーバー比で210mm短く、40mm幅広く、25mm高く、ホイールベースが80mm短い全長4720×全幅1880×全高1565mm/ホイールベース2770mmに設定。ボディカラーはエモーショナルレッドⅢ/プレシャスホワイトパール/アッシュ/ブラック/プレシャスブロンス/マスタードというモノトーンカラー6色、ブラック×エモーショナルレッドⅢ/ブラック×プレシャスホワイトパール/ブラック×アッシュ/ブラック×プレシャスブロンス/ブラック×マスタードというバイトーンカラー5タイプをラインアップした。

▲クロスオーバーから進化させたハンマーヘッドフェイスはレンズ幅を薄くしたデイランプを黒色部内に集約し、よりシャープで精悍な表情を実現

▲クロスオーバーから進化させたハンマーヘッドフェイスはレンズ幅を薄くしたデイランプを黒色部内に集約し、よりシャープで精悍な表情を実現

▲スポーティで低重心感のあるフォルムに精悍な4眼LEDランプ、ピアノブラックのホイールアーチモールディングとロッカー&ドア下モールディング、材着ピアノブラックのリアバンパーなどを配して、高性能な走りを予感させる後ろ姿に仕立てる

▲スポーティで低重心感のあるフォルムに精悍な4眼LEDランプ、ピアノブラックのホイールアーチモールディングとロッカー&ドア下モールディング、材着ピアノブラックのリアバンパーなどを配して、高性能な走りを予感させる後ろ姿に仕立てる

▲足もとにはグロスブラック塗装8.5J×21アルミホイール&センターオーナメント+235/45R21タイヤを装着

▲足もとにはグロスブラック塗装8.5J×21アルミホイール&センターオーナメント+235/45R21タイヤを装着

▲デザインと空力性能を高い次元で融合。空力にも寄与するキャビンの造形や、床下流速を高めダウンフォースを発生させるエアロスタビライジングアンダーボディステップなどを採用する

▲デザインと空力性能を高い次元で融合。空力にも寄与するキャビンの造形や、床下流速を高めダウンフォースを発生させるエアロスタビライジングアンダーボディステップなどを採用する

▲ボディカラーはモノトーンカラー6色とバイトーンカラー5タイプを設定

▲ボディカラーはモノトーンカラー6色とバイトーンカラー5タイプを設定

 

 内包するインテリアは、ディスプレイやシフトなどの各種機能をひとくくりにして島(アイランド)のように配置する“アイランドアーキテクチャー”デザインを活かし、個性も主張できるよう、運転席と助手席をアシンメトリーにコーディネーション。運転席側はドライブへの集中力を高めることを狙いにブラックに統一し、一方で助手席側には特別な素材と配色をあしらってくつろぎの空間を演出する。また、メーターディスプレイを水平に集約することで視線移動が最小限に収まるようアレンジし、操作に迷わず、運転の楽しさに専心できるコクピットを実現。さらに加飾として、センターコンソール、インストルメントパネル、 パワーウィンドウスイッチベゼル、運転席側各種スイッチ周辺にウォームスティールを配備した。一方、魅力的な外形と乗降時の美しい所作の両立を追求し、大径タイヤの採用により得られた高いヒップポイントによって乗り降りのしやすさを実現。また、ロッカー高さ、段差やリアドアトリム形状にもこだわり、足さばきの良さも成し遂げる。乗員同士の言葉がダイレクトに伝わり、会話がしやすい空間を実現するため、室内音を反射する“調音天井”をトヨタで初採用したこともトピックだ。

 装備面では、12.3インチHDディスプレイのディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus、4つのテイスト(Casual/Smart/Tough/Sporty)と3つのレイアウトの中から好みに合わせて表示を変えられる12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイ(メーター照度コントロール付)、3つの表示モード(フル/スタンダード/ミニマム)を設けたカラーヘッドアップディスプレイ、マルチインフォメーションディスプレイ内の表示切替や運転支援系およびオーディオなどの操作をステアリングから手を離さずに行うことができるステアリングスイッチ、シフトポジションを電動で制御するエレクトロシフトマチック、車両後方カメラの映像をインナーミラー内のディスプレイに表示するデジタルインナーミラーなどの先進機構を設定。機能装備として、左右独立温度コントロールフルオートエアコン(オールオート機能付・S-FLOW:前席集中モード付)やおくだけ充電(縦置き)、アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付/センターコンソール後部1個・ラゲッジルーム右側1個)、イルミネーテッドエントリーシステム(リアパーソナルランプ+フロント足元LED照明+おむかえ照明+フロントカップホルダーLED照明)なども組み込む。また、ラゲッジルームは後席使用時で397リットルの容量を確保したうえで、トノカバーやデッキフィニッシュプレート(SUS)を配備した。

 内装カラーについては、シックなブラックと華やかなサンドブラウンを採用する。一方でシートは前席に本革スポーティシートを、後席に分割可倒式シートを装着。また、除電スタビライジングプラスシート(運転席)や前席シートヒーター(3段階温度設定)、前席シートベンチレーション、運転席8ウェイパワーシート(前後スライド・リクライニング・シート上下・チルトアジャスター)、助手席4ウェイパワーシート(前後スライド・リクライニング)、電動ランバーサポート(運転席)、助手席肩口パワーシートスイッチ(シートスライド&リクライニング)、マイコンプリセットドライビングポジションシステム(ステアリング・シート・ドアミラー/2メモリー付)、パワーイージーアクセスシステム(運転席/チルト・テレスコピック・シート)などを標準で組み込んだ。

▲インテリアは“アイランドアーキテクチャー”デザインを活かし、個性も主張できるよう、運転席と助手席をアシンメトリーにコーディネーション。運転席側はドライブへの集中力を高めることを狙いにブラックに統一し、一方で助手席側には特別な素材と配色をあしらってくつろぎの空間を演出する

▲インテリアは“アイランドアーキテクチャー”デザインを活かし、個性も主張できるよう、運転席と助手席をアシンメトリーにコーディネーション。運転席側はドライブへの集中力を高めることを狙いにブラックに統一し、一方で助手席側には特別な素材と配色をあしらってくつろぎの空間を演出する

▲4つのテイスト(Casual/Smart/Tough/Sporty)と3つのレイアウトの中から好みに合わせて表示を変えられる12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイを配備

▲4つのテイスト(Casual/Smart/Tough/Sporty)と3つのレイアウトの中から好みに合わせて表示を変えられる12.3インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイを配備

▲低反射ガラスパネル高精細12.3インチHDディスプレイのディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plusを設定

▲低反射ガラスパネル高精細12.3インチHDディスプレイのディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plusを設定

▲内装カラーはシックなブラック(写真・上)と華やかなサンドブラウン(同・下)を設定。シートは前席に本革スポーティシートを、後席に分割可倒式シートを装着

▲内装カラーはシックなブラック(写真・上)と華やかなサンドブラウン(同・下)を設定。シートは前席に本革スポーティシートを、後席に分割可倒式シートを装着

▲ラゲッジルームは397リットルの容量を確保。荷室長①は959mm、荷室幅は②最小987mm/③最大1439mm、荷室高④は632~725mmを実現

▲ラゲッジルームは397リットルの容量を確保。荷室長①は959mm、荷室幅は②最小987mm/③最大1439mm、荷室高④は632~725mmを実現

 

 パワートレインに関しては、A25A-FXS型2487cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジン(最高出力186ps/6000rpm、最大トルク22.5kg・m/3600~5200rpm)に、3NM型フロントモーター(最高出力88kW、最大トルク202Nm)、4NM型リアモーター(最高出力40kW、最大トルク121Nm)、バイポーラ型ニッケル水素電池を組み合わせた2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムを搭載。E-Four(電気式4WDシステム)は走行状態に合わせて前後輪トルク配分を100:0~20:80の間で緻密に制御し、効率的なトルク配分(直進時)に加えて、コーナリング時ではリアの駆動力配分を大きくして旋回中の車両安定性の向上を図る。燃費性能に関しては、WLTCモードで21.3km/リットルを実現した。

▲パワートレインにはA25A-FXS型2487cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジン(186ps/22.5kg・m)に、3NM型フロントモーター(88kW/202Nm)、4NM型リアモーター(40kW/121Nm)、バイポーラ型ニッケル水素電池を組み合わせた2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムを搭載

▲パワートレインにはA25A-FXS型2487cc直列4気筒DOHC・D-4Sガソリンエンジン(186ps/22.5kg・m)に、3NM型フロントモーター(88kW/202Nm)、4NM型リアモーター(40kW/121Nm)、バイポーラ型ニッケル水素電池を組み合わせた2.5Lシリーズパラレルハイブリッドシステムを搭載

▲E-Fourは走行状態に合わせて前後輪トルク配分を100:0~20:80の間で緻密に制御し、効率的なトルク配分(直進時)に加えて、コーナリング時ではリアの駆動力配分を大きくして旋回中の車両安定性の向上を図る

▲E-Fourは走行状態に合わせて前後輪トルク配分を100:0~20:80の間で緻密に制御し、効率的なトルク配分(直進時)に加えて、コーナリング時ではリアの駆動力配分を大きくして旋回中の車両安定性の向上を図る

 

 基本骨格については、エモーショナルで創造的なデザイン、乗降性と着座位置のよさ、そしてクラウン・スポーツの名にふさわしい気持ちよく楽しい走りという3つの要素を満たす目的で、プラットフォームや懸架機構のセッティングを徹底追求する。大径タイヤによるリフトアップは、TNGAプラットフォームを改良することで実現。一方、乗降性と走行性能については、サイドシルの高さを低配置化した床面と、eAxleおよびマルチリンクサスペンションを搭載できるリア骨格を新開発することで成し遂げる。また、ボディはステアリングサポートの剛性向上をはじめ、結合剛性を高めるレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤などを多用して、高い剛性を確保。前マクファーソンストラット式/後マルチリンク式で構成するシャシーは、タイヤの路面追従性として接地感よく、しなやかな車両姿勢変化を実現するよう減衰力を磨き上げ、硬すぎず、しなやかに動く専用のサスペンションセッティングを施した。さらに、車速に応じて後輪の向きを前輪と逆向きまたは同じ向きに制御することでシームレスかつ自然なハンドリングを叶えるDRS(ダイナミックリアステアリング)は、低速域では軽快感を、高速域ではさらに安定感をバランスさせ、意のままに車両を操る楽しさが感じられるようチューニングした。

▲TNGAプラットフォームを採用。ボディはステアリングサポートの剛性向上をはじめ、結合剛性を高めるレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤などを多用して高い剛性を確保する

▲TNGAプラットフォームを採用。ボディはステアリングサポートの剛性向上をはじめ、結合剛性を高めるレーザースクリューウェルディング(LSW)や構造用接着剤などを多用して高い剛性を確保する

▲前マクファーソンストラット式(写真・上)/後マルチリンク式(同・下)で構成するシャシーは硬すぎず、しなやかに動く専用のサスペンションセッティングを施す

▲前マクファーソンストラット式(写真・上)/後マルチリンク式(同・下)で構成するシャシーは硬すぎず、しなやかに動く専用のサスペンションセッティングを施す

▲DRSは低速域では軽快感を、高速域ではさらに安定感をバランスさせ、意のままに車両を操る楽しさが感じられるようチューニングする

▲DRSは低速域では軽快感を、高速域ではさらに安定感をバランスさせ、意のままに車両を操る楽しさが感じられるようチューニングする

 

 最先端の先進安全運転支援システムとコネクテッドシステムを採用した点も見逃せない。

 先進安全運転支援システムとしては、2種類のセンサーで高い認識性能と信頼性を実現した最新のToyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)を標準装備。先行車やカーブに対しての減速支援とステアリングの支援を行う、プロアクティブドライビングアシスト(PDA)も組み込む。また、渋滞時の安全運転を支援する「アドバンスト ドライブ(渋滞時支援)」や様々な駐車シーンでスムースな入庫・出庫を自動で行いリモート操作も可能な「アドバンスト パーク(リモート機能付)」など、安心・便利な先進機能を組み込んだ高度運転支援技術「トヨタ チームメイト」も設定した。一方でコネクテッドシステムに関しては、スマホアプリ「moviLink」を介して普段利用するスケジュールアプリとクルマが連携するスケジューラ連携、スマホとつなげることでこれまでのナビに加えて色々なサービスが楽しめるディスプレイオーディオおよびコネクティッドナビ、スマートフォンアプリ「My TOYOTA+」を使って離れた場所からクルマの状況がわかるマイカーサーチ、同じく「My TOYOTA+」の操作で離れた場所からクルマのエアコンを起動できるリモートスタート、スマートキーなどでドライバーを認識して次回乗車時に同じ設定で利用できるマイセッティング、スマートフォンがクルマのキーとなる専用アプリのデジタルキーなどを用意している。

▲ミリ波レーダー+単眼カメラ方式のToyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)を標準装備

▲ミリ波レーダー+単眼カメラ方式のToyota Safety Sense(トヨタセーフティセンス)を標準装備

 

 なお、トヨタはクラウン スポーツのプラグインハイブリッドモデル(PHEV)を2023年12月に発売すると予告。また、クラウン・セダンを2023年11月ごろ、クラウン・エステートを2023年度内に発売予定とアナウンスしている。

▲クラウン・スポーツのプラグインハイブリッドモデルは2023年12月に発売予定。写真はプロトタイプ

▲クラウン・スポーツのプラグインハイブリッドモデルは2023年12月に発売予定。写真はプロトタイプ

 

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