トヨタの電気自動車「bZ4X」が一部改良。急速充電時間の改善や実航続距離の延伸、機能装備の拡充などを実施。リース販売に加えて一般販売も開始し、合わせて車両価格を抑えたエントリーモデルのGグレードを追加設定
トヨタ自動車は2023年10月25日、電気自動車のbZ4Xの一部改良を行い、11月13日に発売すると発表した。
車種展開は以下の通り。
G:FWD550万円/E-Four600万円
Z:FWD600万円/E-Four650万円
今回の改良は、急速充電時間の改善や実航続距離の延伸、機能装備の拡充などを実施したことが特徴。また、リース販売に加えて一般販売も開始し、合わせて車両価格を抑えたエントリーモデルのGグレードを追加設定した。
まず急速充電時間の改善に関しては、冷間時のバッテリー暖機性能向上などにより、低外気温下における充電時間を短縮。駆動用電池充電警告灯点灯からSOC(State of Charge=充電量)約80%までの充電時間を、50kWの充電設備で最大約20%、90kWの充電設備で最大約30%削減した。
実航続距離の延伸については、消費電力の抑制と空調制御の最適化により達成する。まず、電費向上に貢献するAUTO(ECO)モードを自動起動化。消費電力が高いエアコンへの依存度を下げ、シートヒーターおよびステアリングヒーター等を通じて直接的に乗員を暖めることで、省電力を実現する。また、空調の制御を最適化して、消費電力を抑制(含、AUTO[ECO]モード時以外)。さらに、湿度センサーを新たに組み込んでフロントガラスの曇りを検知し、外気取り込みのタイミングをより精密にコントロールするよう改善した。充電中における車両充電状態の情報をメーター表示に追加したことも訴求点。現充電残量から長距離ドライブ時などの急速充電器使用時に重要となる80%までの充電時間と、現充電残量でのエアコンON・OFF別の走行可能距離をメーターに表示する仕組みとした。
装備の充実化では、後席シートヒーター、助手席8Wayパワーシート、ブラック塗装のホイールアーチモールをZグレードに標準装備したことがトピック。また、後方車両への接近警告となるフラッシュハザードランプを、全グレードに標準で組み込んだ。
新設定のGグレードの内容に話を移そう。
パワートレインなどの機構面はZグレードと共通。そのうえで、材着タイプのフロントバンパー(サイドパネル)/前後ホイールアーチモール/ラジエターロアグリル/フードモール/ルーフレールや、ブラックモール化したリアクォータープライバシーガラス、ファブリック+合成皮革のシート表皮、4ウェイマニュアル調整とした助手席シート、6スピーカー化したディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plusなどを採用し、合わせてトヨタチームメイト[アドバンスト パーク]のリモート機能やハンズフリーパワーバックドア、ナノイーXなどを省略して、Zグレード比で50万円安い車両価格を実現する。また、一部装備の簡略化によって車両重量はZグレード比でFWD20kg/E-Four30kgほど軽くなり、WLTCモードの一充電走行距離はFWD車でZグレードの559kmに対して、567kmまで向上した。
パワートレインは基本的に従来を踏襲し、FWD車が最高出力150kW/最大トルク266Nmを発生する1XM型フロントモーターと総電力量71.4kWhのリチウムイオン電池を、E-Fourの4WD車が最高出力80kW/最大トルク169Nmを発生する1YM型のフロントおよびリアモーターと総電力量71.4kWhのリチウムイオン電池を搭載している。