【ボクらの時代録】2003年の日本カー・オブ・ザ・イヤー。4代目スバル・レガシィ(BP5/BL5型)が誇ったグランドツーリング性能

レガシィ メインレガシィ史上で最大のモデルチェンジ

 レガシィが変わった。「レガシィ史上で最大のモデルチェンジ」、開発陣のそのコメントを裏付けるかのように、新型は大きくスタイリングの印象を変えた。インテリアのデザインも大幅に変わっている。

 試乗の舞台は富士スピードウェイ。まずステアリング操作を行った際の回頭感が、これまでのレガシィとまるで違う。その軽やかな動きは、何か「つきもの」が落ちたようにすら感じられた。

「最大100kgの軽量化が最大の技術目標だった」という新型は、フレッシュなハンドリングと同時に、スタートの瞬間から軽量化の成果が素直に納得できる。そして軽快でトルクフルな加速感も味わえるようになった。

正面パッケージ

 GT系グレードでは、2つ目のターボが立ち上がる瞬間の「トルクの谷感」が、ついに姿を消した。280psのMT用と、より低回転寄りにトルクのピークを設定した260psのAT用エンジン。ともに2000rpm付近からレッドラインぎりぎりまで、強力かつスムーズなパワーを堪能させてくれる。周波数が整えられ軽快感が増したエンジンサウンドも好印象だ。新型は、アクセルペダルを軽く踏んだ段階から、動力性能の大幅な向上が実感できる。

 コーナリングも見事だ。これまで経験したことのない動きを味わわせてくれた。ターンインから定常円旋回状態へと移っても、そこでステリング操作を行えば、ノーズの動きはなお軽快。しかも前後輪のグリップバランスは、歴代で最もニュートラル。すなわちアンダーステアのレベルは軽い。
 スタビリティが高いのにハンドリングの自在度も高い新型の感覚は、ビギナーからスポーツ派のドライバーまで、幅広い層に好まれるものといえる。
(河村康彦/2003年7月10日号)

4代目スバル・レガシィ・プロフィール

 4代目はレガシィのアイデンティティをさらに鮮明にしたドライバーズカーだった。主要モデルは「グランドツーリング・スペシャルティ」を標榜したツーリングワゴンと、B4を名乗るセダンの2種。ワゴンは2003年5月、B4は翌6月に発売された。開発テーマは「走らせることが大きな歓びとなる、乗る人の期待をさらに超えるクルマ」。スバルのアイデンティティであるシンメトリー4WDと水平対向ユニットを徹底的に磨き上げ、超一流のドライビング体験を提供した。

エンジンワゴン

 主力となる2リッターボクサーターボ(MT280ps/AT260ps)はターボのツインスクロール化でターボラグを解消。さらに旧型比で最大100kgの軽量化により、一段と意のままのハンドリングを実現したのが光った。4代目は全幅こそ3ナンバー規格に拡大されたものの、日本の道路環境に適したサイズと相まって、理想のレガシィを具現化していた。

2003年の時代録/松井秀喜が米大リーグに移籍

【出来事】日本郵政公社発足/六本木ヒルズがグランドオープン/沖縄に戦後初の鉄道、沖縄都市モノレール線開業/米大リーグ入りした松井秀喜が、初年度から大活躍/朝青龍が横綱に昇進【音楽】オリコンシングル年間1位SMAP『世界に一つだけの花』/中島みゆきの『地上の星』がオリコンシングル100位内に174週チャート入り【映画】邦画配給収入1位『踊る大捜査線 THE MOVIE2』洋画興行成績1位『ハリー・ポッターと秘密の部屋』/『千と千尋の神隠し』が第75回アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞

2003年スバル・レガシィ主要諸元

グレード=ツーリングワゴン2.0GTスペックB
新車時価格=5MT 303万円/5SAT 310万円
全長×全幅×全高=4680×1730×1475mm
車重=1450(AT1480)kg
エンジン=1994cc水平対向4DOHC16Vターボ(MT280ps/35.0kgm/AT260ps/35.0kgm)
サスペンション=前ストラット/後マルチリンク

表紙

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