7th・VWゴルフの主力エンジンは1.2リッター(105ps/17.8kgm)と1.4リッター(140ps/25.5kgm)。ともに新開発で1.4リッター仕様には、走行状況に応じて2気筒を休止して燃費を向上させるACT(アクティブシリンダーマネージメント)が組み込まれる。トランスミッションは全車7速DCTだ。
試乗モデルは1.4リッターのTSIハイライン。スタイリングはシャープに変身したが、印象はゴルフそのもの。室内に着座した印象も同じで、実用的なパッケージングの持ち主といえる。走りも、慣れ親しんだゴルフのフィーリングだった。
TSIハイラインは旧型のツインチャージャー仕様からシングルターボに変更され、最高出力は20psダウン。しかし最大トルクは1kgm増大し、発生回転数が低くなっている。
その効果だろう、体感的には旧型以上にパワフルだ。高速走行時のスピードの伸びは申し分ない。なお、ACTは頻繁に作動するが、気筒休止に伴うショックや違和感はない。
Eモード選択時はアクセルオフでアイドリング状態になるコースティング機構がついている。このために、レスポンスは穏やかだった。ちなみに高速道路と山岳ワインディングロードを含んだ試乗時の燃費は15.5km/リッターをマークした。
静粛性は旧型を確実に上回る。エンジン音だけでなくロードノイズや風切り音も抑えられていた。
それ以上に感心した点はDCCサスペンションの乗り心地だ。ワンクラス上のプレミアムセダンを思わせるしっとり感を備えていた。ハンドリングは素直。操舵に対して忠実に向きを変え、安定したロードホールディングが味わえる。
(森口将之/2013年7月号)
VWゴルフはジャストサイズFFモデルの世界標準。7代目はVWの新世代MQBテクノロジーを採用。2012年9月に本国で発表され、2013年6月に日本デビューした。7代目の魅力は高い完成度。カタログでは「そしてGolfが、再び新しい基準を打ち立てる」とアピール。最高レベルのクオリティと操る歓び、そして最新技術の積極投入で安全で環境に優しいクルマであることを鮮明にした。7代目は「欧州カー・オブ・ザ・イヤー2013」、「ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー2013」に加え「2013-2014日本カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。世界中で最高の評価を獲得する。ちなみに輸入車で日本COTYのイヤーカーに輝いたのはゴルフが最初である。
当初の日本仕様は1.2リッターと1.4リッターの2種。どちらもVWダウンサイジング思想に基づいて設計された高効率ユニットで、1.4リッター仕様には走行状況に応じて2気筒を休止するシステムを搭載。2リッタークラスと同等の走りと優れた燃費経済性を実現した。プリクラシュブレーキやACCなど安全・運転支援システムも充実していた。2013年9月にGTI、12月にはワゴンボディのヴァリアント、翌2014年2月にはスポーツフラッグシップのRを追加した。
【出来事】安倍政権のアベノミクスが始動/2020年に東京で夏季五輪が開催されることが決定/富士山がユネスコ世界文化遺産に登録される/インディカー・シリーズ第3戦で佐藤琢磨が初優勝/テレビドラマ『半沢直樹』と『あまちゃん』が高視聴率を獲得し、それぞれが社会現象に/田中将大が開幕から16戦連続勝利投手の新記録を達成【音楽】ビルボードシングル年間1位AKB48『恋するフォーチュンクッキー』【映画】邦画配給収入1位『風立ちぬ』洋画興行成績1位『モンスターズ・ユニバーシティ』
グレード=ゴルフTSIハイライン
新車時価格=7DCT 299万円
全長×全幅×全高=4265×1800×1460mm
車重=1320kg
エンジン=1394cc直4DOHC16Vターボ(140ps/25.5kgm)
サスペンション=前ストラット/後4リンク