【最新モデル試乗】栄光のルノースポール最終車。ルノー・メガーヌR.S.ウルティムのレーシーな走りは味わう価値がある!

ルノー・メガーヌR.S.ウルティム/価格:7DCT 659万円。ウルティムは2ペダルの7DCTと3ペダルの6MTを用意。専用ストライプ装着。1.8リッターターボは300ps/420Nmの実力

ルノー・メガーヌR.S.ウルティム/価格:7DCT 659万円。ウルティムは2ペダルの7DCTと3ペダルの6MTを用意。専用ストライプ装着。1.8リッターターボは300ps/420Nmの実力

世界限定1976台。これを逃すと後悔必至、まさに走りのマシンだ

 メガーヌR.S.は、3世代にわたり「FF量産車・ニュル世界最速」の座を宿命のライバルと競ってきた。このほど世界限定1976台が販売されたウルティムは、フランス語で「最終」を意味する特別仕様車。今後の活動を、アルピーヌにバトンタッチすることが決定している「ルノースポール」の有終の美を飾るモデルだ。

正面リア エクステリアは、各部に配されたひし形のブラックマット・ストライプと専用装備の19インチアルミが印象的。ストライプは、ルノーのエンブレムである「ロサンジュ」がモチーフ。ブラックアウトされたフジライトと呼ぶホイールは、メガーヌR.S.トロフィーよりも1本当たり2㎏も軽いスペシャル仕様。フロントは、その奥にBrembo製の赤いブレーキキャリパーがのぞく。ちなみにエグゾーストパイプはブリリアントブラックのリアディフューザー中央にレイアウトされている。

 コクピットは、カーボン調素材とレッド&グレーステッチがスペシャルな雰囲気を演出。ナッパレザーとアルカンターラ巻きステアリングホイールとアルミペダルがレーシーなムードを引き立てる。ホールド性と快適性の両立を図ったアルカンターラ仕上げのRECARO製バケットシートの着座感とサポート性は上々だ。

室内シート 1.8リッター直4直噴ターボ(300ps/420Nm)は、タービンの軸受けに、軽くて硬く滑らかなセラミックボールベアリングを採用したのが特徴。スチール製に比べて摩擦が3分の2に低減したことでターボラグを大幅に短縮。効果は実際のドライブでも明らかである。持ち前のいかにも高いブーストを実感する加速フィールに加えて、瞬発力も身につけている。もちろん排気サウンドも魅力的。アクティブバルブが開いたときの刺激的で野太いエグゾーストノートは、痛快なドライブフィールを耳でも楽しませてくれる。

 メガーヌR.S.の足回りは本気仕様。キングピンを独立して設定できるDASS(ダブルアクシス・ストラットサスペンション)、ラリー車の技術を応用し、ダンパー底部にセカンダリーダンパーを内蔵した「4HCC」、4輪操舵システムの「4CONTROL」で構成。明らかにライバルとは異なるスペシャルな走りの世界を実現した。さらにウルティムにはスプリングやダンパー、アンチロールバーをサーキット走行重視のチューニングとした「シャシーカップ」が装着される。

エンジンタイヤ ハンドリングは秀逸。タイヤを路面に押し付けるかのような感覚でグリップ感は高く、路面状況がダイレクトに伝わってくる。4HCCや軽量ホイールの効果か、意外にも突き上げが少ないことに驚いた。ロールは極めて小さく、高いGがかかってもほとんど傾かない。ハンドリングは俊敏で、コーナリングスピードは圧倒的に速い。この足回りがあるから、エンジンを全開にできるのだ。
 ルノースポールの世界は、スポーツ派を刺激する。誇り高きネーミングが終焉を迎えることに惜別の念を禁じ得ない。

マスクリアエンドルノー・メガーヌR.S.主要諸元

エンブレムグレード=メガーヌR.S.ウルティム(EDC)
価格=7DCT  659万円
全長×全幅×全高=4410×1875×1465mm
ホイールベース=2670mm
トレッド=フロント:1620/リア:1600mm
車重=1470kg
エンジン=1798cc直4DOHC16Vターボ
エンジン最高出力=300ps/6000rpm
エンジン最大トルク420Nm/3200rpm
WLTCモード燃費=11.3km/リッター(燃料タンク容量47リッター)
(市街地/郊外/高速道路:8.0/12.0/13.0)
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
ブレーキ =フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤ&ホイール=245/35R19+アルミ
駆動方式=FF
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m

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