トヨタ自動車とTOYOTA GAZOO Racingは7月4日、TOYOTA GAZOO Racing初のグローバルモデル「GRスープラ」をベースとしたレース仕様車「GRスープラGT4」を、2020年から販売すると発表した。
▲GRスープラGT4 ロールケージ付スチールボディを基本に天然繊維コンポジット製のフロントスポイラーおよびリアウイング、クイックチャージャー付レース専用燃料タンクなどを装備する ボディサイズは全長4460×全幅1855×全高1250mmに設定
今回ベールを脱いだGRスープラGT4は、3月にジュネーブ・モーターショーで発表した「GRスープラGT4コンセプト」に寄せられた世界中のファンの要望や6月のニュルブルクリンク24時間レースでのGRスープラ参戦を踏まえ、ドイツのトヨタモータースポーツGmbH(TMG)が開発および製造を担当したカスタマーモータースポーツ車両である。また、開発に当たっては、技術パートナーとして潤滑油のラベノールを製造するドイツのラヴェンスベルガー・シュミエルシュトフフェアトリーブ社、タイヤメーカーのピレリ社、エグソーストシステムの開発で定評のあるアクラポビッチ社が参画した。
▲パワートレインに関しては2997cc直列6気筒DOHCツインスクロールターボエンジンにスポーツオートマチックを組み合わせ、後輪を駆動する 開発および製造はドイツのトヨタモータースポーツGmbH(TMG)が担当した
GT4は、SROが規定するGT車両(グランドツーリングカー)をベースとした市販レース車両のカテゴリーで、GT3の下に位置する。低コストで気軽に参戦しやすいカテゴリーとして世界中のプライベートチームから高い支持を集めており、日本のスーパー耐久シリーズ、欧州のGT4欧州シリーズやVLN(ニュルブルクリンク耐久シリーズ)、米国のミシュランパイロットチャレンジシリーズなど、世界各地のさまざまなレースに参戦することが可能だ。GRスープラについては既に北米のNASCARエクスフィニティ・シリーズに参戦しているほか、2020年からは日本のSuper GT・GT500クラスへの参戦を予定する。ここに新たにGRスープラGT4が加わることで、世界中のサーキットでGRスープラが戦っている姿をモータースポーツファンが楽しめるという趣向だ。
GRスープラGT4の概要を見ていこう。まず車両については、ロールケージ付スチールボディを基本に、天然繊維コンポジット製のフロントスポイラーおよびリアウイング、クイックチャージャー付レース専用燃料タンク、FIA基準レーシングシートなどを装備する。ボディサイズは全長4460×全幅1855×全高1250mmに設定した。
▲天然繊維コンポジットのパネルを多用したコクピット ステアリングまわりには多様な機能スイッチを配した ドライバーズシートにはFIA基準レーシングタイプを装着する
パワートレインに関しては2997cc直列6気筒DOHCツインスクロールターボエンジンにスポーツオートマチックを組み合わせ、後輪を駆動する。また、潤滑油にはラベノールを、排気システムにはアクラポビッチを採用した。
懸架機構にはベース車と同様に前マクファーソンストラット/後マルチリンクのサスペンションをセット。操舵機構には電動式パワーステアリングを組み込む。また、シューズには11J×18インチの5穴ホイールにピレリ製のタイヤを装着した。
なお、GRスープラ GT4 に関する車両諸元詳細や販売価格、販売地域および時期等については、年内の発表を予定している。