バッテリーEVのレクサスRZにFWDモデルの「RZ300e」を新設定

レクサスがバッテリーEV専用モデルのRZを一部改良。急速充電速度の向上に寄与する「電池急速昇温システム」を新たに採用。合わせてFWDモデルの「RZ300e」を新規に設定

 トヨタ自動車が展開する高級車ブランドのレクサスは2023年11月30日、バッテリーEV(BEV)専用モデルとなる「RZ」を一部改良し、合わせてFWDモデルの「RZ300e」を新規に設定して、同日より発売した。

▲バッテリーEVのレクサスRZにFWDモデル「RZ300e」(写真・手前)を追加。前後にモーターおよびeAxleを配する既存のAWDモデル「RZ450e」(同・奥)と合わせて、RZシリーズは2グレード展開となる

▲バッテリーEVのレクサスRZにFWDモデル「RZ300e」(写真・手前)を追加。前後にモーターおよびeAxleを配する既存のAWDモデル「RZ450e」(同・奥)と合わせて、RZシリーズは2グレード展開となる

 

車両価格は以下の通り。

RZ300e“Version L”:820万円

RZ450e“Version L”:880万円

▲レクサスRZ300e“Version L” 価格:820万円 全長4805×全幅1895×全高1635mm ホイールベース2850mm 車重1990kg 乗車定員5名 一充電走行距離はWLTCモードで599㎞、交流電力量消費率はWLTCモードで120Wh/kmを実現。写真のボディカラーはソニックイリジウム

▲レクサスRZ300e“Version L” 価格:820万円 全長4805×全幅1895×全高1635mm ホイールベース2850mm 車重1990kg 乗車定員5名 一充電走行距離はWLTCモードで599㎞、交流電力量消費率はWLTCモードで120Wh/kmを実現。写真のボディカラーはソニックイリジウム

 

 まずは新設定のRZ300eから解説していこう。

 RZ300eは既存のRZ450eと同様、BEV専用プラットフォーム(e-TNGA)を採用することでバッテリーやモーターの最適配置による理想的な慣性諸元、軽量かつ高剛性なボディ素性を実現。肝心のパワートレインには、最高出力150kW、最大トルク266Nmを発生する1XM型モーター、電力ロスの少ないSiC素子(シリコンカーバイド)を配したインバーターおよびインバーターやギアなどの駆動系トランスアクスルを一体化したコンパクトで高効率なeAxle(イーアクスル)をフロントに、総電力量71.4kWhを確保した駆動用リチウムイオンバッテリーをフロア下に搭載して前輪を駆動する。一充電走行距離はWLTCモードで599km、交流電力量消費率はWLTCモードで120Wh/kmを達成した。

▲RZ300eは最高出力150kW、最大トルク266Nmを発生する1XM型モーター、電力ロスの少ないSiC素子を配したインバーターおよびインバーターやギアなどの駆動系トランスアクスルを一体化したコンパクトで高効率なeAxleをフロントに、総電力量71.4kWhを確保した駆動用リチウムイオンバッテリーをフロア下に搭載して前輪を駆動する

▲RZ300eは最高出力150kW、最大トルク266Nmを発生する1XM型モーター、電力ロスの少ないSiC素子を配したインバーターおよびインバーターやギアなどの駆動系トランスアクスルを一体化したコンパクトで高効率なeAxleをフロントに、総電力量71.4kWhを確保した駆動用リチウムイオンバッテリーをフロア下に搭載して前輪を駆動する

 

 FWDの特性に合わせた専用サスペンションを組み込んだことも訴求点だ。新たに開発したトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンのリアサスペンションは、ノイズや不快な振動を抑制することで乗り心地の向上に寄与。また、前後のコイルスプリング、スタビライザー、ショックアブソーバーの設定をFWD専用に最適化し、既存のRZ450eと比べて約100kg軽量化した車両重量(1990kg)を活かして、軽快でリニアな車両挙動を実現した。

▲FWDの特性に合わせた専用サスペンションを採用。新たに開発したトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンのリアサスペンションはノイズや不快な振動を抑制することで乗り心地の向上に寄与する

▲FWDの特性に合わせた専用サスペンションを採用。新たに開発したトレーリングアーム式ダブルウィッシュボーンのリアサスペンションはノイズや不快な振動を抑制することで乗り心地の向上に寄与する

▲足もとには7.5J×18アルミホイール(ダークグレーメタリック塗装+切削光輝)+235/60R18 103Hタイヤを装着

▲足もとには7.5J×18アルミホイール(ダークグレーメタリック塗装+切削光輝)+235/60R18 103Hタイヤを装着

▲内装は既存のRZ450eと基本的に共通で、カウルからドアへと連続感のある全体造形に、低く配置したインストルメントパネルや前2席の間を抜ける空間を設けたコンソールなどによって、クリーンで開放的なコクピット空間を創出。タッチパネル式の14インチディスプレイには多くの機能を集約する

▲内装は既存のRZ450eと基本的に共通で、カウルからドアへと連続感のある全体造形に、低く配置したインストルメントパネルや前2席の間を抜ける空間を設けたコンソールなどによって、クリーンで開放的なコクピット空間を創出。タッチパネル式の14インチディスプレイには多くの機能を集約する

▲ロングホイールベースによって1000mmのカップルディスタンスを確保したほか、後方にピークを持たせたキャビンシルエットにより開放的で前後に抜けのいい後席スペースを演出。写真のインテリアカラーはオラージュで、シート表皮はウルトラスエード

▲ロングホイールベースによって1000mmのカップルディスタンスを確保したほか、後方にピークを持たせたキャビンシルエットにより開放的で前後に抜けのいい後席スペースを演出。写真のインテリアカラーはオラージュで、シート表皮はウルトラスエード

 

 RZシリーズ全体の改良内容に話を移そう。

 最大のトピックは、BEV専用の大容量リチウムイオンバッテリーへの「電池急速昇温システム」の採用だ。空調用ヒーターの発熱を車両フロア下に搭載するバッテリーへ伝達する経路を改良し、熱損失を最小限に抑えることで、冷間時のバッテリーの温度を速やかに上げ、充電速度の向上を実現。低外気温下における急速充電時間を短縮し、ユーザーの使い勝手を向上させた。

▲冷間時におけるバッテリー暖気性能の向上を図り、急速充電時間を改善する

▲冷間時におけるバッテリー暖気性能の向上を図り、急速充電時間を改善する

 

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