<新型スープラ特集>岡崎五朗の評価。直6は最高のエンターテインメント

岡崎五朗の新型スープラ・レポート 試乗記

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新型は全車生粋スポーツ。SZ-Rの「軽量性」は要注目!

 スープラの価格は、グレードごとに490万円(SZ)、590万円(SZ―R)、690万円(RZ)の100万円刻みで設定されている。3リッター・ストレート6を搭載したRZが最も高く、258㎰仕様の2リッター直4のSZ―Rが中間、197㎰仕様の2リッター直4のSZがエントリーグレードとなる。
 曲がりくねったワインディングロードやショートサーキットでのハンドリングを重視するならSZ―Rに注目だ。とくにスポーツ走行時には、絶対重量も鼻先も軽いことからくる軽快で切れ味の鋭いフットワークが楽しめる。
 RZとの重量差は70㎏だが、感覚的にはそれ以上の違いがある。しかも4気筒ながらサウンドは痛快だし、パワーも十分。4気筒としては異例ともいうべき質感の高い回転フィールは、さすがBMW製エンジンである。
 とはいえ、エンジンの魅力という点にフォーカスすれば、やはりRZは圧倒的だ。フルスロットルを与えた際の加速性能もさることながら、街中や高速道路をのんびり流しているときでも、RZのストレート6はつややかな回転フィールとささやくようなセクシーなサウンドを届けてくれる。
 エンジンはクルマにとって最大の騒音源だが、うまく作れば最強のエンターテインメントになる。そんなことを改めて実感させてくれる名機である。
 一度このエンジンを味わってしまうと、SZ―Rとの100万円の価格差は納得せざるを得ない。イニシャルコストは高いが、ボクならやはりRZを選ぶ。
 SZは、スープラの中で唯一、500万円を切るエントリーグレードだ。タイヤは17インチのランフラットを装着。上位グレードのオーディオが12スピーカーなのに対し4スピーカーになり、電子制御式可変減衰力ダンパーやアクティブデファレンシャルは未装備である。
 メーカーは、SZグレードをチューニングアップやドレスアップのベース車として考えているようだ。しかし、実際に乗ってみると想像以上に気持ちよく走る。
 エンジンやタイヤグリップを使いきりながら走ることに喜びを見いだすライトウエイトスポーツファンは、この乗り味を好むのではないか。
 ただし装備やパフォーマンスを考えると、SZ―R比100万円安というプライスタグはちょっと割高に感じる。
 6速MTモデルがリーズナブルな価格で登場すれば、人気を博すかもしれない。

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