ランドローバーがレンジローバー初のEVモデルのティーザー画像と動画を公開し、合わせて優先予約の受付をスタート。現在、極端な温度環境、あらゆる気候条件、どんな地形にも対応する走破能力、水深850mmの渡河水深を確保すべく、プロトタイプを使って厳格なエンジニアリング・サインオフ・プログラムを進行中。市場への投入は2024年を予定
英国ジャガー・ランドローバー(JLR)は2023年12月13日(現地時間)、レンジローバー初となるEVモデルのティーザー画像および動画を公開。合わせて、優先予約を受け付ける登録サイトを開設した。
レンジローバーのEVモデルは、最新アーキテクチャーの「MLA-Flex(flexible Modular Longitudinal Architecture)」をベースに、レンジローバーの模範的なデザインを踏襲したうえで、息をのむようなモダニティを強調し、EVモデルであることを主張する繊細なデザインキューを採用する。また、史上最も静かで洗練されたレンジローバーを開発するという目標を掲げ、独自のアクティブロードノイズキャンセリングシステムやサウンドデザインなどを装備して、モダンラグジュアリーを体現するEVならではの極めて静穏で快適なキャビンの創出を目指している。
走行面においては、レンジローバーの特徴である高いオールテレイン走破能力の実現を目指し、極端な温度環境、あらゆる気候条件、どんな地形にも対応する走破能力、現行モデルと同等の水深850mmの渡河水深能力と牽引能力を確保すべく、プロトタイプを使って厳格なエンジニアリング・サインオフ・プログラムを進行中。これにはアンダーフロアやバッテリーの耐久性、シャシーの最適セッティング、優れた温度ディレーティングを実現するためのビークルダイナミクステストなどが含まれる。公開された動画では水の中を走るシーンや乗車風景などを映し出しており、渡河性能を相当に重視していることがうかがえる。
充電に関しては、800Vのアーキテクチャーを採用して公共充電ネットワークでの急速充電に対応。また、ユーザーには簡便な充電、エネルギー・パートナーシップとの連携、無線通信でのソフトウェアのアップデートが可能なSoftware-Over-The-Air(SOTA)、航続距離を最大化するインテリジェントなテクノロジーなど、シームレスなEVエクスペリエンスを提供する予定だ。
JLRのプロダクトエンジニアリング担当エグゼクティブディレターであるトーマス・ミュラー氏は、「私たちは、史上最も静かで洗練された『RANGE ROVER』を実現するという目標を掲げ、開発に取り組んでいます。これまでのレンジローバーの成功を支えてきた絶対的な要素は変わっていません。時代を超越し、余計な装飾や凹凸を極限まで排したデザイン、静穏な室内空間、どこへでも行ける走破能力はそのままに、ゼロエミッションによる走りを実現します。そして、これまでの歴史でもそうであったように、レンジローバーはこれからもベンチマークであり続けます。レンジローバー初のEVモデルは、ユーザーの信頼や期待に応えるラグジュアリー・エレクトロニックSUVであり、他に類を見ない、真のグローバルラグジュアリープロダクトです」とコメントしている。
なお、レンジローバーのEVモデルは英国のソリハル工場で生産。バッテリーおよびエレクトリックドライブユニット(EDU)に関しては、英国ウルヴァーハンプトンにあるJLRの新しいエレクトリック・プロパルション・マニュファクチャリングセンターで組み立てる。市場への投入は、2024年に開始する計画だ。