世界最大級のルノー・カングーのファンイベント、「カングー・ジャンボリー2023」最大のサプライズは、新型グランカングーの初披露だった。グランカングーは、9月にドイツで開催されたIAAモビリティ2023でワールドデビュー。それから1カ月ほどで日本に急遽、空輸され展示されたのだ。ジャンボリーにはカングーの開発責任者も来日。ルノーがいかに日本市場を大切にしているかを再認識した。
グランカングーは、3列シート構成のロングホイールベースモデル。現行3代目カングーは標準仕様でも4490×1860×1810mmという堂々たる体躯を誇るが、グランドカングーは全幅と全高はそのままに、全長を420mm延長して4910mmに、ホイールベースは3010mm(標準比295mm増)に伸ばしている。スペースコンシャスなミニバンとして抜群の存在感を放つ。
ボディサイズはライバルとなるシトロン・ベルランゴ・ロング(4770×1850×1870mm)より長く、5mに迫る。日本の道路環境では状況によっては持て余す心配もありそうだ。
しかし、デザインのバランスは、標準モデルよりむしろ良好。スペース性も圧倒的なレベルに達している。前述のように定員7名の3列シート仕様で、2/3列目は折りたたみと取り外しが可能。使用シーンに応じて多彩な室内アレンジが楽しめる。3列シート使用時の荷室容量は500リッター、3列目を外し、2列目を倒すと3750リッターに達する。助手席を倒したラゲッジルームの最大長はなんと約3.1m。グランカングーの広さがあれば、アウトドア用の遊び道具は積み込み自在、キャンピングカーとしてのアレンジもできそうだ。カングーは、生活の幅を広げるプレイギアの代表。グランカングーは、従来以上にアクティブなライフスタイルに対応する期待のニューカマーだ。
欧州仕様のパワーユニットは、内燃エンジン(ガソリン/ディーゼル)と、E-TECHエレクトリックと呼ぶBEVをラインアップ。日本仕様の詳細は未決定だが、標準仕様と同様に1.3リッターガソリンターボと1.5リッターディーゼルターボになる可能性が高い。トランスミッションは7速DCTに加え、6速MTの設定も検討されているという。なお今回披露されたモデルのリアゲートは上ヒンジの一体タイプだったが、欧州では左右観音開きも選べるようだ。日本仕様は観音開きが採用されるのではないだろうか。デビュー時期は未定だが、発売されれば新たなカングー・ファンを獲得しそうだ。
モデル名=グランカングー
全長×全幅×全高=4910×1860×1810mm
ホイールベース=3010mm
パワートレーン=1.3リッター直4ターボ/1.5リッター直4ディーゼルターボ
サスペンション=フロント:ストラット/リア:トーションビーム
タイヤサイズ=205/60R16
駆動方式=2WD
乗車定員=7名