デビュー直前、ポルシェの電動スポーツカー「タイカン」の開発が最終段階

 2019年9月初旬にワールドプレミアが予定されるポルシェ初のフル電動スポーツカー「タイカン」。そのテストが最終段階に突入している。

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▲新型ポルシェ・タイカンは日本では年内に発表 2020年の販売開始を予定する

 タイカンは、4ドア、4セパレートシートの構成。600ps(440kW)以上の最高出力を発揮し、0→100km/h加速は3.5秒以内でクリア。最大航続距離は500km以上(NEDC準拠)に達するという。さらに2020年には、派生モデルとしてクロスツーリスモの導入も予定される。

 初のフル電動スポーツカーだけに開発段階のテストも入念に行われている。タイカンのテストは約1000名のテストドライバーや技術者、エンジニアが開発チームに参加。米国や中国、アラブ首長国連邦(UAE)、フィンランドを含む合計30カ国で実施し、その総走行距離は約600万kmに及ぶ(うち200万kmは耐久走行距離)。

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▲内燃エンジンを搭載するスポーツカーと同じ厳格なテストプログラムを実施

 テスト地の気温はマイナス35度~プラス50度、標高は海面下85m~海抜3000mと広範囲。早い段階から、コンピュータシミュレーションと包括的なベンチテストが実施されている。また、充電サイクルのテストは、世界中の様々な充電技術を用いて10万回以上を行っている。

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▲雪上や氷上でもドライビングテストを重ねるなど各国でテスト

 具体的には、北極圏に近いスカンジナビアでは、雪と氷の上でのドライビングダイナミクスに関するポテンシャルを証明。南アフリカでは、性能テストに加えて、連続的なパフォーマンスと再現性に関する最終調整。ドバイでは、高温の気候における耐久走行を実施し、過酷な条件のもとでのバッテリー充電テストを行っている。

PJ19_0116_fine_4.jpg▲ポルシェジャパンはタイカンの国内販売に対してABB製の急速充電器を導入する

 日本国内においては2019年年内にも発表され、2020年の販売開始を予定。ポルシェジャパンは、タイカンの国内導入に向けて、2020年半ばから、ABB製の急速充電器を全国のポルシェセンターと公共施設へ設置する。これまで日本にはなかった150kWでの急速充電を可能とする次世代CHAdeMO。タイカンの80%充電を30分以内に済ませる能力を備えた、国内最高レベルの急速充電器となる。

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