ヒョンデが電気自動車「IONIQ 5」のハイパフォーマンスモデル「IONIQ 5 N」を日本で初公開。2024年上半期の日本導入も予告。合わせてNブランドの最新パフォーマンスパーツを装着したデザインコンセプトモデルの「NPX1」を世界初披露
韓国のヒョンデ モーター カンパニーの日本法人であるヒョンデ モビリティ ジャパンは2024年1月12日、電気自動車のIONIQ 5(アイオニック ファイブ)のハイパフォーマンスモデル「IONIQ 5 N」を、東京オートサロン2024の舞台で日本初公開。合わせて、最新のNブランドパーツを装着したデザインコンセプトモデルの「NPX1」を世界初披露した。
まずはIONIQ 5 Nから紹介していこう。
ヒョンデの“N”ブランドは、トヨタのGRや日産のNISMO、BMWのM、メルセデス・ベンツのAMGなどと同様、ヒョンデのハイパフォーマンスブランドに位置。レースやラリーの舞台で蓄積したノウハウをフィードバックし、「Corner Rascal(コーナリングで熱中できること)」「Racetrack Capability(本格的なサーキット走行を想定した耐久性)」「Everyday Sportscar(毎日使えるスポーツカー)」という3点をブランドコンセプトに据えて、2017年に登場した「i30 N」以来、高性能なコンプリートカーやNパフォーマンスパーツを市場に放ってきた。
今回披露されたIONIQ 5 Nは、昨年開催のグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにて公開したモデルで、EVをベースとした初のNモデルというキャラクターを有する。パワートレインにはシステム最高出力478kW、最大トルク770Nm(N Grin Boost時)を発生する前後モーターと、総電力量84.0kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載して電動4WDシステムを構成。性能面では、0→100km/h加速3.4秒、最高速度260km/hを誇る。パワートレインの高性能化に合わせてボディも強化し、溶接ポイントの増設や構造用接着剤の使用量アップによって剛性をより高めた。
走行性能を高める専用セッティングの電子制御システムも導入し、前後のトルク配分を最適に可変するNトルクディストリビューションや、最大0.6Gを誇る回生ブレーキシステムのNブレーキリジェン、ドリフト走行が可能なトルクキックドリフトなどを装備。さらに、ドライビングを盛り上げる演出としてICE(内燃機関エンジン)サウンドやジェットファイター(戦闘機)など、様々な走行音を発生するNアクティブサウンド+も組み込んだ。
エクステリアについては、専用ボディカラーのパフォーマンスブルーを纏ったうえで、専用デザインのフロントスプリッターやサイドスカート、リアスポイラーなどを装備し、ハイパフォーマンスを予感させるアグレッシブなルックスに仕立てる。ボディサイズは全長4715×全幅1940×全高1585mm/ホイールベース3000mmに設定した。
内包するインテリアは、Nエンブレムを配した専用ステアリングや専用表示のデジタルディスプレイなどを装備。ステアリングのスポーク下部にはNアクティブサウンド+の切替を担うNスイッチを配備する。前席には、ヘッドレスト一体型のスポーツシートを装着した。なお、IONIQ 5 Nは2024年上半期に日本市場に導入予定。導入する際は右ハンドル化を図るほか、電子制御サスペンションの減衰力変更や各ドライビングモードのセッティング再調整なども実施するという。
デザインコンセプトモデルのNPX1に話を移そう。
N Performance eXperimental 1の略称を冠したNPX1は、前述のIONIQ 5 Nをベースに、近い将来販売予定の最新世代のNパフォーマンスパーツを豊富に装備する。外装ではカーボンファイバー製のフロントスプリッター/サイドスカート/リアディフューザーやワイド化したフェンダー、専用アレンジの前後バンパー、カーボンファイバー製のリアスポイラー、カーボンハイブリッドホイールなどを特別装備。また、ボディ色にはつや消しダークグレーを纏い、合わせてデカールグラフィックとライトスモッグフィルムを配備する。一方で内装には、アルカンターラ素材を配したステアリングやドアアームレスト、N Performanceロゴ入りのドアステッププレートおよびスポーツカーマット、モノコックバケットシートなどを装着。足回りには、サーキット走行に最適化させたローダウンサスペンションや専用ブレーキパッドを組み込んでいる。