ケータハムが新しい電気自動車クーペのコンセプトモデル「プロジェクトV」を日本で初披露。パワートレインには200kWを発生するリアマウントの電気モーターと総電力量55kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載。市場への投入は2025年後半から2026年前半を予定
エスシーアイ株式会社およびケータハムカーズ・ジャパンは2024年1月12日、ケータハムの新しい電気自動車クーペのコンセプトモデル「プロジェクトV」を東京オートサロン2024の舞台で日本初公開した。
プロジェクトVはケータハムが英国のスポーツカーブランドとしての近未来を見据えた、全く新しいデザインランゲージを提示するコンセプトカーで、2023年7月開催の英国グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードで世界初公開。車両デザインは、ケータハムの新しいチーフデザイナーであるアンソニー・ジャナレリ氏が手がける。電動パワートレインの搭載を前提に新進のクーペスタイルを構築し、既存のセブンシリーズとは一線を画すビジュアルだが、軽さやシンプルさ、そしてドライバーにフォーカスした体験というケータハムのコアバリューは、セブンシリーズと同様に堅持しているという。また、製作に関しては著名なエンジニアリング会社であるイタルデザイン社とパートナーシップを結び、イタリアのトリノ本社で今回のプロジェクトVを製作した。
改めてプロジェクトVの特徴を紹介していこう。
エクステリアについては、ケータハムのDNAである“Fun-to-drive”“Light weight”“Simple”という3原則に基づいて、クラシックとモダンを高度に融合させたクーペスタイリルを構築する。チーフデザイナーであるジャナレリ氏曰く「セブンで培ったミニマリストのデザイン哲学をスポーツクーペのアーキテクチャーに適用し、魅惑的で時代を超越したシルエットを創り上げた」という。また、ケータハムのボブ・レイシュリーCEOは「より実用的なクーペのボディスタイルを採用し、さらにEVのパッケージングの利点を生かすことで、プロジェクトVは日曜日の朝のスプリントだけでなく、買い物や通学にも使用できる」とコメントする。なお、プロジェクトVのボディサイズは全長4255×全幅1893×全高1226mm/ホイールベース2581mmに設定。ボンネットをクローズド化し、ヒンジも減らすなど徹底した軽量化を図って、車重は1190kg以下を目標としている。
内包するインテリアは、2+1のシートレイアウトを標準で、2+2をオプションで採用したうえで、乗降性を最適化し、かつ後席乗員の快適性を高めたキャビン空間を創出する。また、カーボンファイバーとアルカンタラで覆ったシンプルな造形のダッシュボードや、スマートフォンのミラーリング機能(Apple CarPlay/Android Auto対応)を備えるとともにドライバーにフォーカスしたインフォテインメントシステム、必要な情報を的確に表示するデジタルインストルメントクラスターなどを装備。ドライバーの好みや走行状況に応じてノーマル、スポーツ、スプリントという3モードから選択可能なドライビングモードセレクターも設定した。
パワートレインは200kW(272ps)を発生するシングルモーターをリアマウントに、総電力量55kWhを確保したUSOCリチウムイオンバッテリーパックを2分割してフロア下に搭載し、後輪を駆動。性能面では、0→100km/h加速が4.5秒以下、最高速度が230km/hを誇り、また一充電走行距離は欧州WLTPモードで249マイル(約400km)と公表する。充電については150kWのDC充電器に対応させ、約15分で20%から80%までの充電が可能だという。
基本骨格に関しては、カーボンファイバー材およびアルミニウム材を効率的に組み合わせた複合シャシーと複合ボディワークで構成。一方、懸架機構にはフルアジャスタブルジオメトリーの前後ダブルウィッシュボーン式サスペンションを採用する。シューズには前235/35R19/後285/30R20サイズのミシュランPilot Sport 4Sタイヤと軽量アロイホイールを装着。また、制動機構には高性能キャリパー付きディスクブレーキを、操舵機構には電動アシスト・パワーステアリングを組み込んだ。
なお、プロジェクトVの市場への投入は2025年後半から2026年前半を計画し、価格帯は最低小売価格8万ポンド(約1510万円)未満からを目標に据えている。