フォルクスワーゲンが商品改良したゴルフおよびゴルフ・ヴァリアントを発表。内外装デザインの一部変更やインフォテインメントシステムのアップデート、プラグインハイブリッドシステムの改良などを実施して、ベンチマークモデルとしての訴求力を強化
独フォルクスワーゲンは2024年1月24日(現地時間)、Cセグメントの基幹モデルに位置し、今年で誕生50周年を迎える第8世代のゴルフとゴルフ・ヴァリアントのマイナーチェンジモデルを発表した。
今回の改良は、内外装デザインの一部変更やインフォテインメントシステムのアップデート、プラグインハイブリッドシステムの改良、先進安全運転支援システムへの新機能の追加などを図って、同クラスのベンチマークモデルとしての魅力度をいっそう高めたことが特徴である。
まずエクステリアでは、ゴルフとして初めて採用するイルミネーション付きVWロゴや新デザインのLEDヘッドライトなどを装備したことがトピック。夜間の点灯時には、LEDライトバーと合わせてフロントマスクをシックに照らし出す。バンパー開口部の形状も変更した。また、最上位グレードには「IQ.LIGHT」LEDマトリクスヘッドライトを設定。最長500mの照射距離を果たした新しい高性能メインビームを組み込む。一方、「IQ.LIGHT」3D LEDテールライトクラスターのデザインも刷新。より存在感あふれる後ろ姿を創出した。
インテリアについては、高速プロセッサーや直感的な操作コンセプト、インテリジェントなIDAボイスアシスタント、ChatGPTの統合を特徴とする次世代インフォテインメントシステムを採用したことが訴求点。センターディスプレイは最上位グレードに12.9インチの自立型タッチスクリーン、標準グレードに10.9インチの自立型タッチスクリーンを配備する。また、機能強化を果たしたマルチファンクションステアリングホイールと新世代のIDAボイスアシスタントを採用。日常会話に対応したIDAは、エアコンディショナー、電話、ナビゲーションシステムなどの機能を制御するだけでなく、天気予報から一般的な質問に至るまで、あらゆる分野のオンライン情報にアクセスすることができる。空調のタッチ式スイッチを、より操作しやすい物理的な形状にリファインしたことも、改良モデルのポイントである。
パワートレインに関しては、1.4リットル直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンとモーターを配したハイブリッドモジュール、専用セッティングの6速DSGのトランスミッション、リチウムイオンバッテリーで構成するプラグインハイブリッドシステム(eHybridおよびGTE)を改良したことがアピールポイント。システム総出力を引き上げ、同時に電動モードで走行可能な距離を約100kmにまで伸ばす。最新のDC急速充電機能も搭載した。他のパワートレインは基本的に従来を踏襲し、マイルドハイブリッド(eTSI)、ターボチャージャー付きガソリンエンジン(TSI)、ターボチャージャー付きディーゼルエンジン(TDI)を設定する。GTIに搭載する2.0TSIについては、従来に比べてパワーの強化を図っているという。
先進安全運転支援システムのアップデートを実施した点も見逃せない。新たな機能として、強化した「Park Assist Plus(パークアシストプラス)」を採用する。駐車スペースを通り過ぎるとき、駐車スペース(縦列または並列駐車)が十分な広さであるかどうかを検出し、それに応じて駐車手順を開始。システムはアクセルとブレーキだけでなく、ステアリング操作も引き受ける。ドライバーがしなければならないのは、駐車プロセスを監視することだけだ。また、「Park Assist Pro(パークアシストプロ)」をゴルフとして初搭載。ユーザーがスマートフォンを活用して駐車スペースへの車両の出入りを誘導できるように設定した。さらに、「Area View(エリアビュー)」システムを新たに採用。4つのカメラを結合することによって360度のアラウンドビューが作成され、対応する映像がインフォテインメントシステムのタッチスクリーンに表示される。
なお、改良版のゴルフは近日中に欧州市場での受注を開始する予定。日本向けについては、遅れて詳細などが発表される見込みである。