ポルシェがバージョンアップを果たしたEVスポーツモデルのタイカン/タイカン クロスツーリスモの日本における予約受注を開始。充電性能の引き上げや航続距離の延長、加速性能の向上、内外装の一部変更、機能装備のアップグレードなど、幅広い領域での改良を行ってe-モビリティとしての魅力度を進展
ポルシェ ジャパンは2024年2月7日、フル電動EVスポーツモデルのタイカン(Taycan)およびタイカン クロスツーリスモ(Taycan Cross Turismo)を商品改良し、同日より予約受注を開始した。
車種展開は以下の通り。
タイカン:1370万円
タイカン4S:1650万円
タイカンターボ:2289万円
タイカンターボS:2746万円
タイカン4 クロスツーリスモ:1507万円
タイカン4S クロスツーリスモ:1670万円
タイカンターボ クロスツーリスモ:2308万円
今回の改良は、充電性能の引き上げや航続距離の延長、加速性能の向上、内外装の一部変更、機能装備のアップグレードなど、幅広い領域でバージョンアップを果たしたことが特徴である。
まずパワートレインでは、全ユニットで性能アップを実施する。具体的には、従来型の出力を最大80kW上回る新しいリアアクスルモーターを備えた先進のパワートレイン、ソフトウェアを最適化した改良型パルスインバーター、より強力なバッテリー、サーマルマネジメントの改良、次世代ヒートポンプ、改良型回生および4WDストラテジーなどを採用。高速からの減速時の最大回生性能は、290kWから400kWへと30%以上向上した。また、すべてのバージョンに空力的に最適化されたホイールと転がり抵抗を低減したタイヤを装備し、新しい21インチホイールとタイヤは専用に開発している。
基本ユニットとしては、タイカンが最高出力300kW(パフォーマンスバッテリー プラス320kW/420Nm)を発生するリアモーターを、タイカン4Sが総出力380kW(ローンチコントロール使用時440kW/710Nm)を発生する前後モーターを、タイカンターボが総出力520kW(ローンチコントロール使用時650kW/940Nm)を発生する前後モーターを、タイカンターボSが総出力570kW(ローンチコントロール使用時700kW/1110Nm)を発生する前後モーターを搭載。性能については、タイカンが最高速度230km/h/0→100km/h加速4.8秒、タイカン4Sが同250km/h/3.7秒、タイカンターボが同260km/h/2.7秒、タイカンターボSが同260km/h/2.4秒を実現した。
一方、タイカン4 クロスツーリスモは総出力320kW(ローンチコントロール使用時320kW/610Nm)を発生する前後モーターを、タイカン4S クロスツーリスモは総出力380kW(ローンチコントロール使用時440kW/710Nm)を発生する前後モーターを、タイカンターボ クロスツーリスモは総出力520kW(ローンチコントロール使用時650kW/940Nm)を発生する前後モーターを搭載。性能に関しては、タイカン4 クロスツーリスモが最高速度220km/h/0→100km/h加速4.7秒、タイカン4S クロスツーリスモが同240km/h/3.8秒、タイカンターボ クロスツーリスモが同250km/h/2.8秒を達成している。
航続距離の延長を図ったこともアピールポイントで、ボディタイプとパワートレインに応じて、航続距離は175km(35%)増加して最大678km(WLTPモード)へとアップ。また、パフォーマンスバッテリープラスの総電力量を従来の93kWhから105kWhに引き上げる。同時に、バッテリー自体の軽量化も実施した。充電機構の改良も実施し、タイカンすべてのバージョンで急速充電における充電状態10%から80%までの充電を18分で行えるように変更している。
シャシー面については、新しいアダプティブエアサスペンションを標準装備したことが訴求点。ダイナミックな加速およびブレーキングやステアリング操作において、タイカンのボディを常にフラットに保つとともに、滑らかかつ上質な乗り心地を提供する。また、4WDモデルにはポルシェアクティブライドサスペンションをオプションで用意。ダイナミックな運転状況においてホイールの荷重をバランスよく配分することで路面とのほぼ完璧なスタビリティを実現し、さらに適切なモードがアクティブになっている場合はサスペンションがピッチとロールを補正して乗員にかかるGを低減するよう設定した。
前述のバッテリーの軽量化などによって車重を最大15kg軽量化した一方で、エクイップメントのさらなる拡充を敢行した点も見逃せない。アンビエント照明やフロントシートヒーター、ポルシェインテリジェントレンジマネージャー(PIRM)、ワイヤレス充電式スマートフォントレイ、運転席側および助手席側電気充電ポート、ドライブモードスイッチ、パワーステアリングプラスなどを標準で装備。日本仕様ではタイカン4S系にパフォーマンスバッテリープラスを標準で採用している。
エクステリアに関しては、新デザインのヘッドライトとバンパー、テールライトなどを備えた新しいフロントマスクおよびリアエンドにより、タイカンならではの滑らかで純粋なスタイリングにいっそうの磨きをかける。また、精巧な光学を採用した高解像度HDマトリックステクノロジーの新しいヘッドライトは夜間にポルシェ特有の4灯のグラフィックで前方を照らし出し、さらにリアライトストリップのポルシェロゴを立体的なガラスルックのデザインで仕立てて印象的な後ろ姿を強調。そして、初採用のイルミネーテッド仕様では乗車時および発進時に特徴的なアニメーションを映し出す。ターボとターボSには、エクステリアとインテリアの両方でアクセントカラーのターボナイトを配して、他モデルとの違いを際立たせた。
コクピットについては、インストルメントクラスター、センターディスプレイ、オプションの助手席側ディスプレイに新機能を追加して、ユーザーインターフェースの最適化を図ったことがトピック。また、ステアリングホイールにはモードスイッチを標準で装備する。スポーツクロノパッケージとパフォーマンスバッテリープラスを装備したモデルには、モードスイッチに専用のプッシュトゥパスボタンも組み込んだ。さらに、ステアリングホイールの左側後方には新しいコントロールレバーを配備し、ドライバーアシスタンスシステムをより直感的に操作できるようアレンジ。そして、Apple CarPlayは車両のディスプレイと機能にいっそう完全に統合され、合わせて新しい車載ビデオ機能によりセンターディスプレイと助手席側ディスプレイでのビデオストリーミングを可能とした。
なお、ポルシェ ジャパンでは独自の急速充電インフラとしてCHAdeMO規格では国内法規における最速の150kWを誇る「ポルシェ ターボチャージングステーション」を全国のポルシェ正規販売店にて54基稼働中のほか、都市部でも主に東京、名古屋、大阪に10拠点18基を設置。また、アウディやフォルクスワーゲンとともに展開するプレミアム チャージング アライアンスにより、各ブランドの正規販売店に設置している急速充電器も利用可能としている。