次期型フィアット・パンダの方向性を示すコンセプトモデルが発表

フィアットが次世代グローバルカーを示唆するコンセプトモデルを公開。ハッチバック車でパンダを標榜するシティカーのほか、ピックアップ、ファストバック、SUV、キャンパーという計5モデルを提案。市場への投入は2024年7月から2027年にかけて実施する計画

 Stellantisグループのフィアットは2024年2月25日(現地時間)、次世代グローバルカーを示唆する5モデルのデザインコンセプトを発表した。

▲フィアットが次世代グローバルカーを示唆する5モデルのデザインコンセプトを発表。上の写真はパンダ(PANDA)を標榜するハッチバックのシティカー

▲フィアットが次世代グローバルカーを示唆する5モデルのデザインコンセプトを発表。上の写真はパンダ(PANDA)を標榜するハッチバックのシティカー

 

 フィアットの次世代グローバルカーは、新設計のプラットフォームを採用し、市場の状況に即してEVやハイブリッド車、内燃機関車に仕立てる予定。今回の発表では、ボディタイプとしてパンダを標榜するハッチバックのシティカーのほか、ピックアップ、ファストバック、SUV、キャンパーという計5モデルを披露する。すべてのモデルに共通しているのは、“less is more(少ないほうがいい)”という、近年のサステナブル社会の実現に向けた方向性。これをデザインに取り入れて、先進性とレトロが高度に融合した内外装を創出している。

 5モデルの概要を紹介していこう。

 まず、パンダ(PANDA)を標榜するハッチバックのシティカーは、伊トリノに居を構えるフィアットのリンゴット(Lingotto)工場の建物に着想を得た楕円形の造形を基調に、既存のパンダよりも大型化したスタイリングで構成。構造的な軽さやスペースの最適化、軽さなどを具現化した、新進のハッチバックデザインに仕立てる。内装にも楕円のモチーフを取り入れ、同時にシンプルなデザインのインパネやシートなどを配して、快適で居心地のいいキャビン空間を創出した。サステナビリティにもこだわり、構成素材には再生プラスチックや竹織物などを採用。充電用の電源ケーブルに自動巻取り機構を導入して、プラグの抜き差しを単純かつ容易に設定したことも特徴である。

▲シティカーは伊トリノに居を構えるフィアットのリンゴット工場の建物に着想を得た楕円形の造形を基調に、既存のパンダよりも大型化したスタイリングで構成。サステナビリティにもこだわり、構成素材には再生プラスチックや竹織物などを採用。充電用の電源ケーブルには自動巻取り機構を導入して、プラグの抜き差しを単純かつ容易に設定する

▲シティカーは伊トリノに居を構えるフィアットのリンゴット工場の建物に着想を得た楕円形の造形を基調に、既存のパンダよりも大型化したスタイリングで構成。サステナビリティにもこだわり、構成素材には再生プラスチックや竹織物などを採用。充電用の電源ケーブルには自動巻取り機構を導入して、プラグの抜き差しを単純かつ容易に設定する

 

 2台目のピックアップについては、LCV(ライト・コマーシャル・ビークル)ならではの高い機能性とSUVの快適性を高次元に融合したモデルに仕立てたことがトピック。シャープでスマートなスタイリングは、フィアットのメイン市場の1つである南米、とくにブラジルの志向を取り入れており、発売時は同市場でセールスを伸ばすと想定する。また、フィアットではこのタイプのスタイリングが今後、欧州を含むワールドワイドな市場で成功する可能性があると予測している。

▲LCV(ライト・コマーシャル・ビークル)ならではの高い機能性とSUVの快適性を高次元に融合したピックアップ

▲LCV(ライト・コマーシャル・ビークル)ならではの高い機能性とSUVの快適性を高次元に融合したピックアップ

 

 3台目のファストバックは、ダイナミックなスタイリングでスポーティさを強調したことが訴求点。空力特性も高め、実際の走行時は消費電力および燃料消費の抑制が図られる。市場としては、クーペスタイルの人気が高い中東をはじめ、ラテンアメリカやアフリカ、そして一部ヨーロッパ地域で一定の地位を確立すると予想している。

▲ダイナミックなスタイリングでスポーティさを強調したファストバック

▲ダイナミックなスタイリングでスポーティさを強調したファストバック

 

 4台目のSUVは、広い室内空間と存在感あふれるスタリングを採用したファミリー層向けの“ギガパンダ(Giga-Panda)”を標榜するモデル。室内へのアクセスがしやすく、かつ家族や仲間の移動ニーズに重点を置いたキャビン空間を創出したうえで、SUVらしい堅牢性や多用途性、そして高い安全性を実現している。

▲SUVは広い室内空間と存在感あふれるスタリングを採用したファミリー層向けの“ギガパンダ(Giga-Panda)”を標榜

▲SUVは広い室内空間と存在感あふれるスタリングを採用したファミリー層向けの“ギガパンダ(Giga-Panda)”を標榜

 

 5台目のキャンパーは、究極の“do-it-all(何でもやれる)”モデルとして開発した1台。初代のパンダに倣った高い機能性を最新のアレンジで具現化しつつ、SUVの特性を融合させて、多目的な“trusty companion(信頼できる相棒)”に仕立てている。

▲究極の“do-it-all(何でもやれる)”モデルとして開発したキャンパー

▲究極の“do-it-all(何でもやれる)”モデルとして開発したキャンパー

 

 なお、フィアットは今回のデザインコンセプトをベースとする市販モデルを2024年7月から2027年にかけて市場に投入すると予告。まずはシティカーのパンダを、ブランド創立125周年式典にて発表するとアナウンスしている。

 

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