メルセデス・ベンツGLCクーペのBSG搭載スポーツモデル「メルセデスAMG GLC43 4MATICクーペ」が日本上陸

メルセデス・ベンツGLCクーペに第2世代BSGを組み込んだマイルドハイブリッドシステムを採用するハイパフォーマンスモデルの「メルセデスAMG GLC43 4MATICクーペ」を設定。“M139”2L直列4気筒エンジンにはF1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを配して自然吸気エンジンのようなレスポンスを実現

 メルセデス・ベンツ日本は2024年3月29日、第2世代GLCクーペ(C254)にハイパフォーマンスモデルの「メルセデスAMG GLC43 4MATICクーペ」をラインアップし、同日より発売した。車両価格は1217万円に設定する。

▲メルセデスAMG GLC43 4MATICクーペ(BSG搭載モデル) 価格:9SAT1217万円 全長4790×全幅1920×全高1605mm ホイールベース2890mm 車重1980kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費10.2km/リットル フロントマスクはハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用グリルを採用するとともに、エプロンに配した左右にコの字型を描く大型のハイグロスブラック仕上げフリックやパワードームを備えたボンネットなどを装備して、アクティブな表情を形成

▲メルセデスAMG GLC43 4MATICクーペ(BSG搭載モデル) 価格:9SAT1217万円 全長4790×全幅1920×全高1605mm ホイールベース2890mm 車重1980kg 乗車定員5名 WLTCモード燃費10.2km/リットル フロントマスクはハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用グリルを採用するとともに、エプロンに配した左右にコの字型を描く大型のハイグロスブラック仕上げフリックやパワードームを備えたボンネットなどを装備して、アクティブな表情を形成

 

 まずは注目のパワートレインから紹介しよう。

 搭載エンジンはメルセデスAMG社でマイスターにより組み上げられた“M139”1991cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボユニット(最高出力421ps/6750rpm、最大トルク500Nm/5000rpm)で、過給器にF1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用する。同ターボチャージャーの電気モーターは厚さ約4cmで、排気側のタービンホイールと吸気側のコンプレッサーホイールの間のターボチャージャーの軸に一体化。このモーターが電子制御でターボチャージャーの軸を直接駆動してコンプレッサーホイールを加速し、コンプレッサーホイールが通常のターボチャージャーと同じく排気の流れによって駆動されるようになるまで過給を行う仕組みだ。特性上、アイドリングスピードから全回転域にわたってレスポンスの速さが大きく改善され、合わせてアクセル操作に対するエンジンのレスポンスがいっそう自然なフィーリングとなることから、よりダイナミックな走りが楽しめる。

▲“M139”1991cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンにはF1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用する。最高出力は421ps/6750rpm、最大トルクは500Nm/5000rpmを発生

▲“M139”1991cc直列4気筒DOHC直噴ガソリンターボエンジンにはF1由来のエレクトリック・エグゾーストガス・ターボチャージャーを採用する。最高出力は421ps/6750rpm、最大トルクは500Nm/5000rpmを発生

 

 M139エンジンには、電気モーター(最高出力10kW/2500~5100rpm、最大トルク58Nm/50~1300rpm)と第2世代BSG(ベルトドリブン・スターター・ジェネレーター)、48V電気システム、駆動用リチウムイオンバッテリーが組み合わされる。ターボチャージャー自体は48V電気システムを電源とし、最大17万5000回転まで作動。また、ターボチャージャーと電気モーター、そして電子制御ユニットはエンジンの冷却システムに接続され、常に最適な温度に管理する。さらに、BSGはマイルドハイブリッドとして機能し、ブースト機能のほかセーリングモードや回生ブレーキにより効率を最大限にアップ。そして、48V電気システムはECOスタートストップ機能やセーリングモードの間の切り替えがほぼ感じられないほど滑らかに行われるようにセッティングした。

 組み合わせるトランスミッションは、従来63モデルのみに搭載していたAMGスピードシフトMCT(電子制御9速AT)をGLC43クーペにも展開する。トルクコンバーターの代わりに湿式多板クラッチを搭載し、ダイレクト感のある素早いシフトチェンジと高い伝達効率を実現した。一方で駆動機構については、パフォーマンス志向フルタイム4輪駆動システムのAMG 4MATICを採用。前後のトルク配分は31:69と、AMG独自の後輪重視型に設定する。また、操舵機構にはリア・アクスルステアリングを装備。約100km/h以下ではリアホイールをフロントホイールとは逆方向に最大約2.5度傾け、駐車時の取り回しやすさを向上させるとともにワインディングロードなどでの俊敏なハンドリングを実現し、約100km/hを超えるとリアホイールをフロントホイールと同じ方向に最大約0.7度操舵することで、走行安定性を大きく向上させた。

▲M139エンジンには電気モーター(10kW/58Nm)と第2世代BSG、48V電気システム、駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせてマイルドハイブリッドシステムを構成する

▲M139エンジンには電気モーター(10kW/58Nm)と第2世代BSG、48V電気システム、駆動用リチウムイオンバッテリーを組み合わせてマイルドハイブリッドシステムを構成する

 

 懸架機構は現行のGLCクーペと同形式の前4リンク式/後マルチリンク式で構成したうえで、フロントに専用開発のステアリングナックルやサスペンションジョイントを、リアに専用開発のホイールガイドや追加のエラストキネマティクスサポートを配し、合わせて電子制御の連続可変ダインピングシステムを組み込んだAMG RIDE CONTROLサスペンションを採用する。シューズには20インチAMGアルミホイール(RVM)+前265/45/後295/40R20タイヤを装着し、制動機構には前4ピストン固定キャリパー+ドリルドベンチレーテッドディスク/後1ピストンフローティングキャリパー+ベンチレーテッドディスクを組み込んだ。また、メディアディスプレイにクルマのフロント部分下方の路面の映像を映し出す「トランスペアレントボンネット」や、車両の傾き、路面の勾配等をディスプレイに表示する「オフロードスクリーン」も標準で採用している。

▲電子制御の連続可変ダインピングシステムを組み込んだAMG RIDE CONTROLサスペンションを採用

▲電子制御の連続可変ダインピングシステムを組み込んだAMG RIDE CONTROLサスペンションを採用

 

 エクステリアに関しては、メルセデス・ベンツのデザインの基本思想である「Sensual Purity(官能的純粋)」を踏襲したうえで、随所に専用のアレンジを施す。フロントマスクはハイグロスクロームの縦ルーバーを備えたAMG専用グリルを採用するとともに、エプロンに配した左右にコの字型を描く大型のハイグロスブラック仕上げフリックやパワードームを備えたボンネットなどを装備して、アクティブな表情を形成。一方、サイドビューはフロントフェンダー部に“TURBO ELECTRIFIED”エンブレムを配して電動化されたターボチャージャーを搭載した先進のパワートレインを備えていることを強調し、またホイールアーチにはボディ同色のワイドタイプを、ドアミラーにはハイグロスブラックを採用することでより印象的なSUVクーペフォルムに仕立てる。そしてリアセクションは、力強く張り出したフェンダーと水平基調のバンパー、ディフューザー風のエプロン、ツーピース構造で内部に立体感があるスリムなリアコンビネーションランプ、左右2本ずつのエグゾーストパイプなどを装着して、存在感あふれる後ろ姿を創出した。

▲リアセクションは力強く張り出したフェンダーと水平基調のバンパー、ディフューザー風のエプロン、ツーピース構造で内部に立体感があるスリムなリアコンビネーションランプ、左右2本ずつのエグゾーストパイプなどを装着して存在感あふれる後ろ姿を創出

▲リアセクションは力強く張り出したフェンダーと水平基調のバンパー、ディフューザー風のエプロン、ツーピース構造で内部に立体感があるスリムなリアコンビネーションランプ、左右2本ずつのエグゾーストパイプなどを装着して存在感あふれる後ろ姿を創出

▲シューズには20インチAMGアルミホイール(RVM)+前265/45/後295/40R20タイヤを装着

▲シューズには20インチAMGアルミホイール(RVM)+前265/45/後295/40R20タイヤを装着

 

 内包するインテリアは、Sクラスの要素を取り入れながらアンスラサイトライムウッドのインテリアトリムやナッパレザー巻きのAMGパフォーマンスステアリングホイールなどを配備して、GLC43クーペならではのスポーティさを演出したことがトピックだ。ダッシュボードは上下2段を基調に構成。上部は翼のような形状で仕立て、ここに航空機エンジンのナセルを思わせる丸みをつけたやや横長の角型エアアウトレットを配置する。一方、下部には大きなインテリアトリムをあしらってセンターコンソールからダッシュボードへと連続性を持たせ、合わせて縦型11.9インチのメディアディスプレイとダッシュボードをドライバー側に6度傾けて視認性および操作性を向上させた。また、メーターパネルには自立型でダッシュボード上部と大きなインテリアトリムの手前に浮かんでいるように見える12.3インチの大型コックピットディスプレイを装備。コックピットディスプレイとメディアディスプレイは5つのスタイル(ジェントル、スポーティ、クラシック、Supersport、Offroad)と3つのモード(ナビゲーション、アシスト、サービス)の中から選択することが可能だ。また、よりラグジュアリーでクールな雰囲気を醸し出すブラックオープンポアウッドインテリアトリムをオプション(AMGレザーエクスクルーシブパッケージ)で用意している。

▲アンスラサイトライムウッドのインテリアトリムやナッパレザー巻きのAMGパフォーマンスステアリングホイールなどを配備してGLC43クーペならではのスポーティさを強調。日本導入モデルのハンドル位置は右

▲アンスラサイトライムウッドのインテリアトリムやナッパレザー巻きのAMGパフォーマンスステアリングホイールなどを配備してGLC43クーペならではのスポーティさを強調。日本導入モデルのハンドル位置は右

 

 シートに関しては、サポート性に優れサーキットでのスポーツ走行時でも安定したドライビングポジションを維持できる一方で、長時間のドライビングでも疲れにくい快適性も兼ね備えたレザーARTICO/MICROCUTスポーツシートを標準装備。AMGレザーエクスクルーシブパッケージを選択すると、上質なナッパレザーを張ったスポーツシートに換装される。また、室内を彩るアンビエントライトは64色から選べるとともに、単色の発光に加えて色の連続変化を可能とした。ラゲッジルームについては後席使用時で545リットル、後席格納時で最大1490リットルの容量を確保し、合わせてEASY-PACK自動開閉テールゲートを組み込んで利便性を高めている。

▲前席にはレザーARTICO/MICROCUTスポーツシートを、後席には分割可倒式シートを採用

▲前席にはレザーARTICO/MICROCUTスポーツシートを、後席には分割可倒式シートを採用

 

 安全運転支援機能のインテリジェントドライブについては、メルセデス・ベンツの最新ハードウェアおよびシステムを導入。機能としては、必要な車線認識を従来のステレオマルチパーパスカメラだけではなく、360度カメラシステムも使用することで対応可能なカーブが増えたり、高速道路上で今まで以上に精密に車線中央を維持したりすることができるアクティブステアリングアシスト、アクティブディスタンスアシスト・ディストロニックやアクティブステアリングアシストが使用されていない場合でも作動するようになったアクティブエマージェンシーストップアシスト、警告や緊急ブレーキ機能を含むアクティブブレーキアシスト、自車と同じ方向や反対方向に進む歩行者および自転車を含む車両も検知する緊急回避補助システム、芝などの路肩に対しても反応するように設定したアクティブレーンキーピングアシスト、停車時でドアを開けようとした際に後方から障害物が迫っている場合の警告機能を組み込んだアクティブブラインドスポットアシストなどを採用する。また、AR(Augmented Reality=拡張現実)ナビゲーションを組み込んだ対話型インフォテインメントシステム「MBUX」や、最新のテレマティクスサービス「Mercedes me connect」といった先進機能も装備した。

 

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